ネーミングライツとは | 広告費用や事例、メリットなど

皆様は「ネーミングライツ」をご存じですか?

日本語訳で「命名権」と訳され、自治体などが「施設やイベントなどの名前を付ける権利を売却すること」を指します。売却する側にとっては収益を得る手段として、取得する側にとっては広告効果が期待できる一つのツールとなっています。例えば、伊賀鉄道が比土駅のネーミングライツを募集した事例があります。

今回は「ネーミングライツ(命名権)」について、その歴史と最近話題になった事例について紹介、わかりやすく解説します。

ネーミングライツとは

ネーミングライツ(命名権)は自治体や企業が、施設やイベントなどの名前を付ける権利を売却するものです。契約時に「施設の愛称」と「契約期間」、「契約金額」を決定します。

先ほど取り上げた、伊賀鉄道の比土駅のネーミングライツ契約は2020年4月5日より実施されており、バンブー・ボルダリング駅と命名されています。



ネーミングライツを取得するメリット

ネーミングライツ権の売却は経営難の企業や地方自治体が、施設や店舗維持のための資金獲得手段として使用することが多くなっています。売却元は売却により資金が得られ、取得した企業(または団体・個人)は社名や団体名などを施設に命名することで、高い宣伝効果が見込まれます。

日本ではスポーツ施設での契約が最も人気があります。ちなみに、日本におけるプロ野球では、チーム名にオーナー企業の名称が使われることが多くなっていますが、基本的にこれはネーミングライツには該当しません。


ネーミングライツの過去

ネーミングライツは、1990年代ごろにアメリカでスポーツ施設の名称を企業へ売却する形でビジネスとして広がったと言われています。この1990年代に、アメリカではメジャーリーグで使用する新球場を多く建設しており、その際に施設の名称に企業名が使われ始めました。アメリカ国内におけるメジャーリーグの動員数が多いこともあり、ネーミングライツが高い宣伝効果を発揮すると証明されたことなどから、その他スポーツやヨーロッパへ広がっていきました。

日本ではアメリカよりは普及が遅く、2003年に東京スタジアムがネーミングライツ権を売却し「味の素スタジアム」へと名称が変更されたことが始まりです。その後は、資金繰りが苦しい公共施設が資金調達の手段の一つとして採用するケースや、スポーツ施設、私鉄の駅名など、現在では広く使われるようになりました。



ネーミングライツ導入施設の例

日本におけるネーミングライツの元祖は「味の素スタジアム」と言われていますが、その導入施設は今では全国に広がっています。

鹿児島大学

国立大学法人鹿児島大学は、企業からの提案を採用する「提案募集型」のネーミングライツ制度を導入し、数多くの企業と契約を締結しています。

鹿児島大学の命名権は大きく「財産特定型」と「提案募集型」にわかれており、財産特定型は、「○○ドーム」のように、施設に愛称を付与、大学は組織内部における文書の記載等において正式名称を使用する場合を除き、当該愛称を使用。勿論施設へのプレート掲示も可能です。


大学ネーミングライツ・インタビュー①鹿児島大学

楽天生命パーク宮城

東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地で、2005年に命名権を売却してから、三度の売却を経て、現在の「楽天生命パーク宮城」となりました。


メットライフドーム

埼玉西武ライオンズの本拠地。2005年に命名権を始めて売却しました。現在はメットライフ生命保険株式会社がこれを取得、「メットライフドーム」と名付けました。


京セラドーム大阪

旧大阪ドームで、2006年に京セラ株式会社とネーミングライツ契約から現在までその名称が使われています。



エディオンアリーナ大阪

旧大阪府立体育会館の命名権を2015年に株式会社エディオンが取得し「エディオンアリーナ大阪」に変更されました。

大相撲やプロボクシング、K-1 WORLD GP JAPANなどで使用されることが多いですが、企業の広告・宣伝が禁止されているNHK放送では、旧名称の大阪府立体育館が使用されています。


ほっともっとフィールド神戸

オリックス・バファローズの本拠地で、元神戸総合運動公園野球場。2003年から1年間は「Yahoo! BBスタジアム」、2005年から2011年まで「スカイマークスタジアム」、2011年から現在まで「ほっともっとフィールド神戸」と頻繁に名称が変わることへの批判が話題になりました。


バンテリンドーム ナゴヤ

プロ野球・中日の本拠地ナゴヤドーム。名古屋市に本社がある大手医薬品メーカーの興和が、企業ブランドの知名度を高めるために、取得。 「地元に根づいてやってきた企業として、これからもしっかり取り組んで、地域の活性化に貢献したい」と話しています。2021年1月から5年の契約だそうです。

ネーミングライツの事例

近年、公共施設や企業などが命名権を売却することも多くなってきました。現在ではその対象物は多岐にわたり、屋内水泳プール施設の名前を公募したケースなども話題になりました。

フットサルチームが屋内水泳プールのネーミングライツ取得

日本トップリーグに所属するフットサルクラブ「パラドール浦安」が浦安市とネーミングライツ・パートナー契約を締結しました。これによって、令和2年4月1日から令和12年3月31日まで、浦安市運動公園総合体育館・屋内水泳プール(浦安市舞浜2番地27)は「パルドラール浦安アリーナ」となっています。

フットサルチームが屋内水泳プールのネーミングライツ取得



私鉄が副駅名に対して個人経営の店舗とネーミングライツ契約

三重県にある伊賀鉄道が、比土駅のネーミングライツを公募しました。

個人経営の店舗が副駅名のネーミングライツ権を取得


ネーミングライツに参加できる施設の探し方

ネーミングライツを利用したいと思っても、どうしたら利用できるのかわかりませんよね。ネットで検索しても「ネーミングライツ」に関する説明文ばかりで、実際に募集しているページはなかなか見つけられないといった方も多いのではないでしょうか。ここでは、ネーミングライツに参加できる施設の探し方についてご説明します。

直接、自治体に問い合わせてみる

ネーミングライツの募集有無を各自治体に問い合わせるとスムーズに確認できます。契約期間や契約金額などの詳細まで確認しやすいので、ネーミングライツを利用したいと思っている地域が決まっているのであればこの方法はおすすめです。

BIZPAを使って検索する

様々な広告媒体が集まるBIZPA(ビズパ)で検索すると、様々なネーミングライツ実施可能媒体が表示されます。

企業名や団体名のPRにはネーミングライツの他にもさまざまな方法があります。企業名や団体名のPRが行える媒体を探すなら、BIZPAを使って検索する方法があります。フリーワードやタグ、媒体特徴などから媒体を探すことも可能です。

企業や団体のPRには、ネーミングライツ以外、広告出稿もおすすめです。例えば、「新聞」や「テレビCM」などの媒体ではすでに多くの企業の出稿事例があります。また、電車内の広告枠を1社が独占してPRする「広告貸切電車」はインパクトがあるだけでなく、複数の広告枠が利用できる分、多くの情報量を掲載することができます。これらの媒体はすべてBIZPAで探すことができます。BIZPAは会員登録から媒体検索、問い合わせまで全て無料です。実際に広告を出稿するまで一切費用がかからないので、気軽に利用できます。各商品ごとに具体的な問い合わせをすることができるので、インパクトのある企業広告についてのご相談も可能です。ぜひ利用してみてくださいね。

BIZPAで広告を探して見る

ネーミングライツの今後

施設の名称を変更するネーミングライツの場合、その特性上、契約期間も1年~10年以上と長くなることが多く、契約金額も高くなります。かつては、ネーミングライツと言えば、「味の素スタジアム」や「エディオンアリーナ大阪」のように、スポーツ施設や公共施設などで大企業が契約するケースが中心でした。

しかし、近年では宇都宮動物園のように小規模施設などの公募も増え、中小企業や個人にも取得の機会が増えています。今回紹介した事例の他にも様々な事例があります。当初は、名称が変わることに対してイメージダウンになるという意見が多くあったそうです。しかし、施設維持費や改修費は自治体にとって大きな負担となっているのも事実。

ネーミングライツを導入することで、募集する側は資金を獲得でき、企業側は宣伝効果を高めイメージアップにつなげることができるため、両社にとって大きなメリットがあります。今後、施設の大小問わず、募集をする自治体や企業が増えてくるのではないでしょうか。