インターネット が主流になり、年々発行部数が減少している新聞ですが、他の紙媒体と比べ、根強い人気があります。特にシニア層の読者が多いため、シニア向けの紙媒体としては高い広告効果が期待できます。今回は、新聞広告を出すメリットや効果事例について、ご紹介します。
新聞広告の特徴について
新聞紙面を利用して広告展開を行う新聞広告。一般紙から地域誌などを含めると数多くの新聞が発行されているため、地域を絞って展開するか、幅広いエリアへのPRを行うかで、選ぶ媒体が異なってきます。また、新聞広告と一言で言ってもその種類は様々で、掲載箇所やサイズによって区別されています。
新聞広告は、記事の下に掲載される「記事下広告」と、記事の中に掲載される「雑報広告」の2種類に分けられます。
記事下広告
記事下広告は広告が占める段数と横幅によって様々な展開が可能で、「全〇段」や「〇段1/2」「半〇段」などの段数・分数で構成されています。紙面の縦を15段に分け、縦に何段利用するかと合わせて、横を全て利用する場合は全〇段、半分利用する場合は半〇段(〇段1/2)などと呼びます。最近では全12段の紙面も増えています。
この段数は応募企業が自由に設定できますが、新聞広告は広告枠を全て埋めることが前提として考えられているため、一般的でない段数で応募すると新聞社によっては掲載を断られる場合もあります。
雑報広告
雑報広告は、題字の下に入る「題字下広告」や、記事下広告の上、2~3段を利用して掲載される「突き出し広告」などの種類があります。小さいサイズの広告枠ですが、自然と記事を読む人の目に入りやすく、注目度の高い広告枠です。「題字下広告」・「題字横広告」はアピール力の高い広告枠なので、企業広告にも多く利用されています。
新聞広告を出すメリット
冒頭にもありましたが新聞読者の多くはシニア層なので、シニア層へアプローチしやすいというのは新聞広告の大きなメリットです。その他にも、新聞広告出稿には様々なメリットがあります。
多くの人にリーチできる
近年新聞の発行部数は減少傾向ですが、日本新聞協会が発表した2022年10月時点の新聞発行部数は3084万部となっており、まだまだ多くの人に読まれています。そのため、不特定多数へのリーチが可能なので、商品の販促効果や企業の知名度向上が期待できます。
広告スペースが豊富なため予算に合わせて広告が出せる
新聞広告には様々な種類・サイズがあるため、予算に合わせて広告枠が選べるのもメリットの一つです。広告予算が少なく小さな広告枠に出稿する場合、関連性のある紙面に掲載したり、低コストでピンポイントな情報が伝えられる三行広告を出したりと、様々な工夫が可能です。また、広告予算が多く大々的にPRしたい場合は、インパクトのある全面広告を掲載することで、話題になり認知度を上げることができます。
狙ったタイミングで広告が出せる
新聞は毎日発行されているので、狙ったタイミングでタイムリーに展開できるのも新聞広告のメリットの一つです。各新聞社、広告会社に事前に確認をしておくことが必要ですが、イベントやキャンペーンの告知、求人など、なるべく早く広告を出したいという時に比較的スピーディーに実施できます。
情報に対する信頼性が高い
新聞は記事自体の信頼度が高い為、新聞広告の信頼度も他のメディアと比べて高いと言われています。その為、意見広告や謝罪広告などを新聞に掲載すると、企業のイメージアップを図りやすく、企業の信頼性アップも期待できます。
新聞広告の費用相場
新聞広告の掲載料金は新聞社により異なりますが、その算出方法は独自の段組みを使った企画であることがほとんどです。
新聞広告の料金は広告サイズ・掲載場所のほか、全国版か地方版か、モノクロかカラーかによっても料金に差が出てきます。
以下の表は全国紙(モノクロの場合)の広告相場です。
新聞広告の効果事例
新聞広告の特徴や新聞広告を出すメリットなどについて解説しましたが、実際にはどのような新聞広告が掲載され、どのような効果が出ているのでしょうか。最近話題になった新聞広告の事例と効果を2つご紹介します。
大日本除虫菊株式会社(キンチョー)「だんだん小さくなる新聞広告」
2022年6月に掲載された大日本除虫菊株式会社(キンチョー)の新聞広告。3日間連続で掲載されたのですがその広告の出し方がとてもユニークでした。
まず1日目は存在感のある全面広告を掲載。シンプルなデザインんですが左上の上司と部下の会話が気になります。
「こんな全面広告する必要あるんか。三分の一くらいのスペースでええんとちゃうか」
「明日、やってみます」
そして、翌日は前日より半分以上小さい記事下広告が掲載されました。
しかし、ここにもまた上司と部下の会話が。
「‥‥もっと小さくてもええんとちゃうか」
そして3日目には小さな突き出し広告になってしまいました。
この広告を見た多くの人が「明日はどうなってるんだろう」と気になり、さらには読者の興味・関心を高めただけでなく、ネット上で拡散されたことにより話題性もアップ。新聞を読まない人たちの間でも話題になりました。
キンチョーは毎年新聞広告を掲載していますが毎回ユニークで、新聞読者は特に注目したのではないでしょうか。新聞広告は写真に収めやすいので、認知度をアップさせるにはSNSなどによる拡散を狙っても良いかもしれません。
三省堂「新明解国語辞典」
こちらは全面広告よりも小さい広告枠の記事下広告で話題になった事例です。
2020年11月に掲載された三省堂の「新明解国語辞典」第八版の新聞広告です。9年ぶりの改訂ということで出稿されたこちらの広告は“言葉”について考えさせられる広告でした。
「世の中」「分断」「愛」の3つの言葉について、「新明解国語辞典」第八版より一部抜粋して掲載されました。この広告が掲載された2020年は新型コロナウイルス感染拡大による影響でオンラインでのコミュニケーションが増えた時期でした。同時に、テキストコミュニケーションの難しさを実感する人が多く、この“言葉”をテーマにした広告は多くの人の心を惹きつけました。
記事下広告として掲載することで、記事を読む延長でこの広告の文章も自然と読めるため、多くの読者の目に留まる広告だったのではないでしょうか。
先ほどのキンチョーの広告にも共通していますが、ユーザーにじっくり読んでもらう広告を出す際には、新聞広告は最適なメディアです。関連記事の近くに掲載するなど、工夫次第で小さな広告枠でも高い広告効果を発揮する場合があります。
おすすめの新聞広告
ここからは地域を限定して広告展開可能な地方紙の中からおすすめの3紙をご紹介します。
先ほどご紹介した広告料金の相場は全国紙の場合でしたが、こちらでご紹介する地方紙は全国紙と比べてお手頃な価格なので、初めて新聞広告を出稿する場合でも実施しやすいのではないでしょうか。エリアなどのターゲットを絞ることで低予算でも効率的なPRが実施できます。ぜひご参考にしていただければと思います。
まとめ
紙媒体の中でもまだまだ需要が多い新聞広告はシニア向けにアプローチできる媒体としては欠かせません。広告の出し方一つで、より高い広告効果が発揮できるという事例もありました。ぜひ、新聞広告出稿の際の参考にしてみてください。