プライベートからビジネスまで今や幅広い目的で使われるSNS。企業もPRや販促目的で企業アカウントとしてSNSをスタートすることも増えてきており、ビジネスにおいてのSNSの使われ方が注目されています。
そんな中、SNSを始めてみたもののフォロワーも売上も増えず効果を感じていない方もいるのではないでしょうか。
今回はSNSマーケティング支援をしている企業の中でも老舗である株式会社ガイアックスでソーシャルメディアマーケティング事業責任者を務める重枝 義樹氏に、SNSを用いた売上向上についてのフォロワーが少なくても売上を立てる方法や、スタートアップ・中小企業のSNS担当者が注意すべき点などSNS運用の秘訣に迫りました。
ガイアックスとは
ソーシャルメディア支援事業をはじめ、企業ミッションである「人と人をつなげる」ため、web3/DAOなど様々な事業を展開する企業。
2010年とまだSNSが今ほど主流ではなかった時代からSNSマーケティング支援を行っており、そのノウハウを用いて媒体を問わず、SNS全般を用いたマーケティング戦略を構築することを得意としています。
現在の主流であるXやInstagram、TikTokはもちろんThreadsといった新興SNSのアルゴリズムまで深く熟知しており、ソーシャルメディアマーケティング事業はまさにSNSのプロ集団です。
ガイアックス ソーシャルメディアラボ(サービスサイト):https://gaiax-socialmedialab.jp/
SNSはフォロワーがいないと売上は立たないのか
編集部:今回はSNSと売上の関係についてのお話をお伺いします。そもそもSNSのフォロワー数と売上は比例するものでしょうか。
重枝:実は比例しないんです。
どういった経路で売上に繋げるかによりますが、例えばSNSから専用のLP(ランディングページの略で「訪問者が初めに着地するページ」)に遷移をさせ、そこでコンバージョンしてほしい、という場合はとにかくLPの質が大事になってきます。LPが整っていなければフォロワーをいかに増やしても売上の向上には繋がりにくくなります。
では、LPなど、SNSの外にあるものがしっかりと整っている場合ですが、最近のSNSのアルゴリズムは、必ずしもフォロワーが多ければ多いほどより多くの人に届きやすいというものになっていないんです。
各ユーザーに合わせてタイムラインやフィードがパーソナライズされるようになっており、その人が好むであろうコンテンツがフォローをしていなくても勝手に届くようなアルゴリズムが働いています。
【Xのタイムラインの様子】
そのため、たとえフォロワーが少なくても、コンテンツ次第でフォロワーを超える人数に投稿がリーチし得ます。ですので、大事なのは、いかにフォロワー数を増やすのかではなく、SNS上のユーザーを分析して自社に合うターゲットを見つけ、そのターゲットに合うコンテンツを作ることなのです。
編集部:とにかく手段を問わず数を集めればいいというわけでもないんですね。
重枝:手段を問わずに集めるのは絶対にやめておいたほうがいいですね。というのも、フォロワーの数が増えたとしても、そのフォロワーの属性がバラバラになるため、投稿がフォロワー以外の適切なユーザーに届かない可能性が高くなるからです。
協調フィルタリングというアルゴリズムがあるんですが、例えばABCDというコンテンツを好むユーザーYさんとBCDEというコンテンツを好むユーザーZさんがいたとして、AとEは被っていないものの、2人ともBCDのコンテンツは被っているという状態があったとします。
この場合、2人とも似たようなコンテンツを好むと判断され、アルゴリズム的にはYさんにもEのコンテンツを、ZさんにもAのコンテンツを表示させます。この協調フィルタリングにより、フォローしていないにもかかわらず自分の好みであるコンテンツが表示される仕組みになっている訳です。
乱雑にとにかくフォロワーを集めるようなことをしてしまうとそのフォロワーの好みに共通点が出ないため、プラットフォーム側からするとどのユーザーにコンテンツを表示させればいいのか迷わせてしまうことになります。
くれぐれもフォロワーを買ったりするようなことは絶対にやめておいたほうがいいですね。
編集部:トレンドをふんだんに取り入れるスタイルもマイナスになりますか。
重枝:そのトレンドと自分たちの商品がマッチしていればいいですが、関連性が低ければやめておいたほうがいいですね。
自分のアカウントのプロフィール画面にユーザーが到達すること自体は悪くないのですが、そこからすぐに離脱してしまうと質の低いアカウントとみなされてマイナス評価になります。
プロフィールに呼び込んでさらにそこからアカウント内をしっかりと回遊する、ここまでの動きをしないとプラスの評価をされないため、トレンドを取り入れてまずは人をたくさん呼び込む、というのはリスクにもなり得ます。
もちろん自社の商品に合う人たちが好みそうなトレンドであれば取り入れていっても大丈夫です。
今からアカウントを作っても効果は出る
編集部:アカウントを作りたての場合、まずどこに注力をすればいいですか。
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