日本人の手による初の英字新聞として、明治30年(1897年)に創刊された「The Japan Times」。今回はジャパンタイムズの広告事業を担当するグループ会社である株式会社ジャパンタイムズエージェンシーで広告事業を統括されている朝火様に、ユーザーの特徴や広告メニューについてお話を伺いました。
――The Japan Times の特徴を教えてください。
120年以上の歴史のある、日本・アジアの情報を英語で発信する英字新聞のメディアです。紙の新聞のイメージが強いとは思いますが、デジタル版も展開しており、グローバルへの発信力もあるメディアです。
――紙面の読者はどのような方が多いですか?
紙面読者の約3分の2は日本にお住まいの外国人の方です。外資系企業の日本支社に駐在されている方や、大使館の関係の方が多いです。
今はコロナの影響で一時的に減っていますが、海外からの観光客の方がコンビニや駅の売店で購入されるケースや、ホテルや航空機内で読まれる場合も多いです。
――日本人の方は3分の1程度なのですね。
日本人の方ですと、外資系企業にお勤めの方や、業務上、頻繁に海外とやり取りをする方が多いですね。ビジネス先である外国人に対して日本の政治経済を英語で伝える場合に、情報が日本語ベースだと英訳が難しい言い回しなどもあるので、表現方法の参考にされている方も多いようです。
購読者のプロフィールとしては、比較的学歴が高く、高収入の方が多いのも特徴の一つです。
――WEBは国内よりも海外からのアクセスが多いのでしょうか?
そうですね。WEBは70~80%が海外からのアクセスになります。非会員の方のアクセスも多いので、詳細な属性までは取れていませんが、やはり日本のニュースに興味関心をお持ちの方が多いですね。日本の政治経済、文化の情報が中心ですが、台風や地震が発生した際には状況を把握するために急激にアクセスが増える傾向があります。あとは日本人が注目されるイベントなどがあるとアクセスが増えます。直近では、ゴルフで松山英樹選手のマスターズ優勝に関する記事へのアクセスがかなり多かったです(インタビューは2021/4/13実施)。
エリアでいうと、北米からのアクセスが一番多いですね。後はインドやカナダ、オーストラリア、シンガポールといった英語圏の国が多いです。インドからのアクセスは最近伸びていますね。
――広告のクリエイティブは全て英語表記でしょうか?
そうですね。読者の大半は英語を使うユーザーであることから、広告のクリエイティブは基本的に英語でお願いしております。
記事広告の場合、インタビュー取材はバイリンガルの記者が日本語でお伺いしますが、原稿は英語で作成します。日本語で文字起こしをしてから英語化するのではなく、最初から英語で記事を作成しますので、確認も英語でして頂くことになります。
――記事広告を作るにあたり、心がけていることはありますか?
クライアント様が何を発信されたいのかという目的の部分について、深くディスカッションをさせて頂いています。あとは日本語の記事に慣れている方ですと、英語表記にした時のストーリーや表現方法に違和感を持たれる方もいらっしゃいますが、ネイティブの方に伝わりやすいストーリーと書き方で伝えることが重要だと考えています。
――紙面とWEBとの連動はございますか?
記事広告の場合は、紙面に掲載されるとWEBにも自動的に掲載されます。記事は半永久的にアーカイブとして残るので、コンテンツとして長期間ご利用頂けます。最近はWEBだけに掲載されたい場合も多いので、そのような要望にも対応しております。
――紙面とWEBで、クライアントの傾向にも違いがありますか?
基本的には紙面とWEBとのパッケージ掲載をお勧めしておりますので、紙面とWEBで大きくクライアントが違うという事はありません。ただ、例えば海外への情報発信やアプローチを目的としているクライアント様の場合には、WEBだけの掲載で実施される場合もございます。
――出稿されるのはどのようなコンテンツが多いのでしょうか?
ジャパンタイムズに広告出稿されるクライアント様は、官公庁、自治体、大使館、企業、学校法人など多岐にわたります。
自治体様に関しては新型コロナウイルスの影響があり、残念ながら最近は減ってしまっていますが、観光誘致を目的とした記事広告を取り組まれるケースが多かったです。
企業様の場合、業種としては様々ですが、SDGsに関する取り組みについてのインタビュー記事や、海外投資家向けにIR的な要素で経営方針やトップメッセージを伝えたりするパターンが多いです。グローバル企業やこれから海外に発信していきたい企業様が多いですね。
日本政府など官公庁様は、日本の取り組みや、日本の技術・経済・文化などの英語による国内外に向けた情報発信に広告をご活用いただいています。
大使館様については、各国ごとの建国記念日や独立記念日を記念して毎年「ナショナルデー特集」を展開しています。また、大学などの学校法人様はグローバル化が進む教育現場の推進体制や取り組み事例など広告を活用して国内外に発信しています。他には、人材募集広告として、英語を使う職種の採用を念頭に置いた広告もあります。
――反響について教えて下さい。
自治体の観光誘致や、企業のブランディング広告については、直接的な数値が取りにくい部分もありますが、継続したご出稿を多く頂いております。
今はコロナの影響で減ってしまっていますが、インバウンド特集を定期的に組んでおり、その際には外国人観光客向けの施設やレストランなどの広告掲載が多く、紙面片手にお店を訪れる観光客も多いと伺っています。特集号については外国人向けの観光案内所などにフリーペーパーとしても設置していますので、ガイド紙として長期間の効果も期待できます。
――WEBの場合、どういった国からアクセスがあったか分かるのでしょうか?
はい。WEB掲載案件については、レポートを作成して、アクセス数やアクセス元の国別ランキング、使用デバイス(PC/スマートホンのアクセス比率)などをクライアント様と共有し、データを見ながら次回の企画ご提案に活用しています。
他の海外向けメディアですと、アジア圏からのアクセス比率が高い場合もありますが、The Japan Timesは英語圏ユーザーが中心なので、その点を評価して頂く事も多くございます。
――『The Japan Times Alpha』について教えて下さい。
こちらは日本人向けの英語学習用の週刊紙になります。
毎週のニュースを英語で読もうという、ジャーナリズム的な部分もありつつ、英検対策やTOEIC対策といった勉強向けのコンテンツもある総合的な構成になっています。
こちらにも広告メニューを設けておりますが、やはり英語学習系の商材の出稿が多いですね。
――今後の展開について教えて下さい。
新聞業界全体としても紙だけにこだわるというのも難しくなっていますし、お客様のニーズとしてもデジタルにシフトしてきていますので、少なからずWEB中心にはなっていくかと思います。
WEBの記事体広告のほかに、WEBバナーなどの広告メニューについて、サードパーティCookieの使用制限の話に注目が集まっていますが、ジャパンタイムズとしても今後は独自にデジタル会員ユーザーや閲覧ユーザーの情報を積極的に蓄積することで、より顧客満足度を高めるサービスを提供するとともに、今後はWEBバナーと合わせてメールマガジンや会員向けのDMなども積極的に提案していきたいと思っています。
The Japan Timesのデジタル会員や、アクセスして閲覧いただいているユーザーは、英語で日本の情報を取りたがっているという特徴のあるターゲット層なので、英語で国内外向けに情報発信したいと検討しているクライアント様にとって、価値のあるメニューになると考えています。
――最後に、出稿を検討している方に一言お願いします。
英語コンテンツの制作や海外への情報発信というとハードルが高いと思っている方も多いと思いますが、例えば日本語のコンテンツやカタログ・パンフレットなら既にあるという場合、それを翻訳して英語コンテンツを制作することも出来ます。機械翻訳ではなく、きちんとネイティブに伝わるように仕上げますので、まずはお気軽にお問い合わせ頂ければと思います。