株式会社鴻池組は、認知向上を目的として、首都圏を中心に企業広告を展開しています。
鴻池組(こうのいけぐみ)は1871(明治4)年に大阪で創業し、2024年で150年を超える総合建設業です。早くから日本各地での建築・土木工事を手掛け、現在では海外でも社会資本の整備に携わっています。また建築・土木領域に留まらず、建設業界ではいち早く環境技術の開発に取り組んできました。
一方で事業内容や社名を社会であまり知られていないという課題がありました。そこで今回、その思いをストレートに表現した広告を制作し、2024年6月より日本橋、新橋、銀座、新宿三丁目、高田馬場、表参道、大手町など、東京メトロ主要駅52カ所と東京駅八重洲口北と南北通路へのサイネージに順次掲出します。
今回、株式会社鴻池組の広報担当者に話を伺ったところ、「今回の施策の検討は2023年冬から始めました。鴻池組は創業150年を超える老舗企業で、何となく社名をご存じの方は一定数おられます。しかし、鴻池組の強みや得意、技術や成果などを広く社会の皆様へ伝えることができているのでしょうか。いや、伝えられていないのが実情だと思っています。そうした課題意識に基づいて制作しました。」と施策の意図を話す。
ストレート且つ印象的なクリエイティブの注力したポイントについては、
「鴻池組で働く私たちが普段から感じているもどかしさをストレートに表現しました。パスタを食べている場面は、広く一般の方が過ごしている何気ない日常生活を象徴するシーンとして考えました。そんな日常の中で、一般の方が鴻池組のことを意識する機会はおそらくありません。もし鴻池組という社名を聞いても、よく知らないし具体的なことは分からない。きっと戸惑うんじゃないかな...という自分たちにとって残念な現実を直視するところから、広告全体のイメージを膨らませていきました。本広告を目にした皆さんが、"鴻池組は何を残念がっているんだろう?"と気になって検索したり話題にしたりしていただければと考えています。」だそう。
また、今回東京で集中的に展開した理由は、
「鴻池組は1915(大正4)年に東京の拠点を開設して以来、2025年で110年目を迎えます。首都圏で生まれ育った方ならきっとご存じの工事も多数手がけてきました。それにも関わらず、"知られてなくて残念です。"と感じることがしばしばあります。その気持ちをメインコピーの"残念です"に込めました。そして、脇の4行のコピーで鴻池組が何を残念に思っているのかをそっと補足する。そんなバランスで全体を構成しました。」としたうえで、
「より広く深く鴻池組について伝える取り組みの最初の一歩として、東京駅や東京メトロで集中的に広告を出すことにしました。」と言います。
「残念です。」とストレートな表現が飛び込んでくるインパクトは「まじめに、まっすぐ」をコーポレートスローガンに掲げる鴻池組の社会に向き合う姿勢から来ているように感じました。一見ネガティブな表現に見えてポジティブな印象に変わる工夫を凝らした広告になっていて、人々の暮らしと深く関わっていながら名前があまり知られてない企業やそこで働く人々の想いを感じることができるクリエイティブになっていました。