広告の手法は数多く存在しますが、代表的な手法の1つに交通広告があります。
今回は、交通広告それぞれの事例について紹介します。
電車広告
エスビー食品によるパウダールウの中づり広告と車内サイネージ広告
出典:交通広告に吉田羊さん登場 「パウダールウ」総合プロモーション第二弾 全国主要路線交通広告 6月14日※ 掲出開始
2021年の6月14日~6月20日まで(列車により前後あり)の間、全国の主要交通路線を対象にエスビー食品の中づり広告が掲載されました。JR東日本・阪急・名鉄・札幌地下鉄などが掲載の対象でした。
ヱスビー食品が提供するパウダールウのPRで、女優として活躍する吉田羊さんを起用した大々的な交通広告です。パウダールウ商品共通広告の第2弾で、これからの時代にマッチした今までにないルウを知ってもらうのが広告の目的です。中づり広告以外に、車内サイネージによる広告も掲出されました。サイネージが設置されている列車内では、先に挙げたパウダールウのCMが放送されました。放送されたのは、JR東日本・京王・東武東上線などの車内です。
中づり広告や車内サイネージ広告は、乗車した人の目につきやすい電車広告です。主要交通路線なら大勢の人が利用するので、高い広告効果を見込めます。
駅広告
Thinkingsによるsonarの駅構内広告
出典:採用の解像度を上げる採用プラットフォーム「sonar」、“証明写真機”を活用した『証明写真 駅ばり広告』就活生に向けて、真のマッチング実現へのエール
2021年の6月14日~6月20日まで(東京メトロ渋谷駅は30日まで)の間、Thinkingsはsonarの駅構内広告を壁に掲載しました。sonarは採用プラットフォームで、採用の解像度という斬新な視点に着目し訴求しています。広告には就活生を応援する意図があり、その意図がブランドの発信とリンクしています。
証明写真を模した広告であるため、駅構内に設置されている証明写真機付近に設置されています。理想のマッチングを目指して欲しいと願うThinkingsと、sonarを知ってもらうきっかけになっています。
2023年卒の学生を対象とした採用及び選考が、2021年6月から解禁されています。就活への意識がグッと高まったタイミングで駅構内広告を出しているため、就活生の意識が自然と向きやすいと思われます。
新幹線広告
フラーによる新潟への移住検討者向け新幹線車内広告
出典:フラー、上越新幹線と新潟ローカルCM等で採用広告を展開
2020年11月15日にフラーは新潟へと本店を移し、柏の葉本社とともに二本社体制を実現しました。創業者の渋谷修太さんは新潟県出身で、地元への恩返しやここ最近の地方への注目が増した背景を受け、新潟への移住検討者向けにさまざまな広告を出しています。
その内の1つが新幹線車内広告で、新潟への熱い感情がたっぷりと詰まっています。埼玉県の大宮駅から新潟県の新潟駅までを走る上越新幹線の車内で掲載されました。MaxときとMaxたにがわの下り方面の車両が対象で、掲載期間は2021年の1月いっぱいでした。
コロナの影響もあり、年末年始の帰省をした人は例年よりも少なかったかもしれませんが、新幹線利用者がフラーの新幹線広告を目にする機会は多かったのではないでしょうか?
在来線ではなく新幹線に広告を出しているところに、フラーの明確な意図が感じられます。まさに交通広告ならではの広告の出し方です。
バス広告・バス停広告
マルサンアイのラッピングバス運行
出典:自然の恵みから、おいしさと健康を。みそと豆乳のマルサンアイがラッピングバスを運行します!
食品メーカーとして知られるマルサンアイは、2019年6月23日より1年間、名古屋市交通局の栄24号系統においてラッピングバスを運行しました。運行台数は1台で1日にだいたい4往復ほどでしたから、バスの利用者や運行エリアに住んでいる人なら1年の間に1度や2度見かけていておかしくありません。
ラッピングバスは、文字通りバスが広告でラッピングされています。マルサンアイの場合、調整豆乳のパッケージデザインをそのまま活かしているのが特徴的でした。全体的にグリーンでデザインされていて「調整豆乳」や「marusan」のロゴが入っています。またイメージキャラの「マルサン坊や」もデザインされているなど、ラッピングバスのインパクトは絶大でした。これほど目を引くラッピングバスが1年間も運行されていたのですから、見た人の印象に残りやすいのは確かです。
電車やバスなどの交通車両は、決められた区間を定期的に運行するのが特徴です。それだけに交通広告も多くの人の目に触れやすいため、広告の商品やサービスが浸透しやすいです。
またバス広告以外にCERINEや福岡ソフトバンクホークスなどが、バス停広告を出しています。バス停は人の集まるスポットですし、バス停に広告を出すのも交通広告の1つとして定着しています。
タクシー広告
SUPER STUDIOによるecforceのサイネージ広告
出典:法人向けECカートシステム「ecforce」が女優 佐久間由衣さん主演のCMを本日6月7日より放映開始
2021年6月7日から、SUPER STUDIOはecforceのサイネージ広告の放映を開始しています。ecforceとは、法人向けのECカートシステムです。長引くコロナ禍の影響により、ECビジネスは活況化の傾向です。都内のタクシーサイネージ広告を皮切り、今後も次々とプロモーションをおこなっていく予定です。
広告には女優の佐久間由衣さんを起用し、ecforceの使いやすさや便利さをコミカルなタッチで表現しています。便利なサービスに慣れすぎた現代人は、ECカートが使いにくいだけで買うことを放棄する恐れがあります。そんなチャンスロスにならない使い勝手の良さが、ecforce最大の魅力です。
それなりに高い運賃を支払って利用するタクシーの乗車客の中には、若手の起業家やベンチャー企業で要職を務める社員もいます。そんなビジネスパーソンにecforceの存在を認知してもらうのに、交通広告の1つのタクシー広告は適しています。狙った顧客にピンポイントでアプローチできます。
アドトラック
にしたんクリニックによるアドトラックの走行
出典:【日本初】「♪たん、たん、にしたんクリニック!」のリズムが頭から離れない!?にしたんクリニックが渋谷大型広告4面ジャックを開始
ラッピングバスの運行による広告以外に、アドトラックによる走行も交通広告の一部に含まれます。
美容クリニックのにしたんクリニックは、渋谷駅周辺を中心に大きなアドトラックを走行させました。トラックの荷台側面には、広告のイメージキャラクターを務める歌手の錦野旦さんと、女性トリオお笑い芸人の3時のヒロインが大写しされています。にしたんクリニック特有の「たん、たん、にしたんクリニック!」という印象的なキャッチフレーズも書かれていますから、絶大なインパクトがあるのは間違いありません。もし渋谷の街でこのアドトラックが走行しているのを見つけたら、思わず目が釘付けになってしまうことでしょう。
東京都の渋谷のように、アドトラックは通行人の数が多い場所で走行させると効果的です。上記で挙げたバス運行とは異なり、広告を主目的にしているのがアドトラックの特徴です。交通広告の中ではやや変わった手法ですが、アーティストが新曲を発売した時や新店舗がオープンする時など、さまざまな広告で幅広く活用されています。
まとめ
交通広告の手法について、具体的な事例をもとに紹介しました。
不特定多数の方が日々利用する交通機関を利用する交通広告は、掲出期間中に多くの方にアプローチできる点や、クリエイティブ次第で話題性を生み出せるメリットがあります。
昨今、SNSの普及もあり、オフラインで実施した広告がオンライン上で拡散・話題となるケースも多くなってきました。
今回ご紹介した交通広告の事例を元に、新しいマーケティング施策として検討してい見てはいかがでしょうか?
なお、交通広告については下記記事で詳しく紹介しているので併せてご覧ください。
交通広告ってどんな広告?その種類や実施するメリットについて徹底解説!
首都圏の駅、電車広告をほぼ全て網羅した交通広告料金表もございます。併せてご覧ください。
>2021年度版 交通広告料金表
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