ポスティングは直接消費者の自宅へ広告物を配布する広告手法の一つです。
似た性質を持つ広告手法に、新聞折込やダイレクトメールなどがありますが、ポスティングは自社の広告物のみを直接配布することができるため、消費者に自社の商品やサービスに対して興味を持ってもらいやすい広告手法と言えます。
他の手法同様、エリアの絞り込みや配布部数・デザインなど効果を最大化するためにはターゲッティングを慎重に行う必要があります。
ビズ男(初心者)
ポスティングは専門業者がポストに直接チラシを配布する広告手法ですよね。
毎日数枚は僕の家にも入っているので、きっと結構今でも主流の手法なんですね。
アドクロ先生
ポスティングはオフライン広告の中でも非常に使いやすい広告手法と言われています。
ちなみにチラシデザインから印刷・配布までを専門業者に依頼する場合もありますが、全て自社で行う場合も含めてポスティングと呼んでいます。
ビズ男(初心者)
そうか。予算や配布部数によっては自社でまかなう場合もありますよね。
実店舗を持つ企業だと近隣住民へ自社の社員で配布するだけでも十分効果はありそうですもんね。
アドクロ先生
その通りですね。
ポスティングは他の流通ルートを使うものではないので、比較的広告物に対して制約が少なく、規模やアピールしたい商品やサービスによって使い方を変えられるのも使いやすい点の一つです。
ポスティングとは?
ポスティングとはオフライン広告の一種で、企業が自社のサービスや商品をアピールする広告物(チラシ・試供品など)を、見込み顧客となり得る消費者の自宅へ直接配布する広告手法を指します。
配布する広告物はチラシや小冊子など数ページ程度の印刷物が多いですが、中には試供品を添付した印刷物を配布する企業もあります。
配布する印刷物のデザイン・印刷から配布までをワンストップで提供している企業も多く、導入の人的負担が少ない点も広告宣伝を考えている企業にとって使いやすい点と言えます。
不特定多数の消費者へ向けて大部数を配布するイメージが強いポスティングですが、費用対効果を高めるためには配布エリアや配布部数、配布物の内容などを意識する必要があります。
ビズ男(初心者)
ポスティングって試供品なんかも配れるんですね。
実は僕もとにかく多くの家に手当たり次第に配っていく手法っていうイメージでした。
アドクロ先生
配布業者によってはそういう配布を得意としている業者もありますからね。
実際、集合住宅が多いエリアで主婦層やファミリー層向けのチラシであればその配布方法もあながち間違いではないともいますよ。
ビズ男(初心者)
なるほど!
配布したいエリアの地域性などを考慮した配布プランを立てることが重要ということですね。
アドクロ先生
おっしゃる通りです。
ただ大部数撒けばよいというわけではないですし、かといってエリアやターゲットを絞りすぎて配布部数が減ってしまっては費用対効果は高くなりませんからね。
ポスティングの特徴・メリット
ポスティングは新聞折込やダイレクトメールと同様、アピールしたい消費者に向けて直接広告物を配布できる高い効果が期待できる広告手法です。他の流通ルートを利用しないポスティングは配布物に対しては制約が少なく、自由に広告物をデザインできることも特徴の一つです。
自由なデザインが可能ではありますが、ポストに直接配布するという特性や、限定されたエリア内に大部数(数千~数万)配布することが多いことから、広告物自体は軽量でコンパクトなものが適しています。
ポスティングのメリット ~エリア内の全個宅へ配送が可能~
同じく消費者宅へ直接配布する新聞折込は、同日に大量の広告物を配布でき、かつ、消費者の信頼度が高いメディアを利用しているため、アピールしたい商品やサービスによっては非常に効果が高い広告手法です。
新聞折込は高い広告効果が期待できる反面、紙面のデジタル販売が主流になりつつあり、購読者数は減少傾向にあると言われています。 ポスティングは新聞折込やダイレクトメールとは違い、既存の流通ルートや顧客データを必要としないため、配布したいエリアの消費者に配布したい時に配布したい分だけ広告物を配布できる非常に使いやすい広告手法です。
配布単価は@3円~6円ほどが相場観となります。配布に人件費がかかるので、割引が効きにくい特長もあります。1,000部ほどから配布できる業者も多く、「3,000円~+チラシ印刷代」とリーズナブルに取り組めるメリットがあります。
ビズ男(初心者)
確かに新聞の購読者数は年々減っていきそうですもんね。
読者層も若年層は少ないと良く効きます。
つまり、これからはポスティングの時代が来る!ということですか?
アドクロ先生
それは少し早とちりかもしれませんが…(笑)
他の媒体に依存しないため、専門業者が今まで培ってきたデータが今もなお使えるため、ある程度効果予測がしやすい手法とは言えると思います。
ビズ男(初心者)
なるほど。
効果測定はマーケティングには必須ですからね。
ポスティングはやっぱり実店舗を持つ企業が近隣店舗に行うケースが多いんですか?
アドクロ先生
その傾向はあるようですね。
不動産業やサービス・販売業、場所にとらわれない情報通信業などでも多く利用されているそうですよ。
ビズ菜(ベテラン)
昔はご近所さんのチラシが多かったんですけどね。
最近だとむしろ情報通信業など無形商材の販売でむしろよく使われているみたいですよね。
ポスティングのメリット ~開封率の高さ~
ポスティングは基本的には自社の広告物のみを直接配布するため、比較的消費者の目に留まりやすい広告手法です。
新聞折込は当日配布される新聞にどれだけの広告物が挟み込まれるかは不明なため、タイミングによっては他社と競合してしまい、自社の広告効果が低くなる可能性があります。
その点、ポスティングであれば広告物単体を一度ポストから出す際に消費者の目に留まりますので、他の直接配布型の広告手法に比べると開封率(目を通してもらえる確率)が高いと言われています。
ビズ男(初心者)
ポストって重要な書類なんかも届くので、まったく見ずにまとめて捨てるっていうわけにはいきませんもんね。
確かに何枚入っていても一枚ずつ確認はしますね。
アドクロ先生
ほとんどの消費者に一度手に取って見てもらえる、というだけでマーケティングとしては結構すごいことですからね。
ビズ男さんは一枚ずつ見てた後、気になったチラシは家に持ち帰って保管したりしてませんか?
ビズ男(初心者)
…やってますね(笑)
我が家にはチラシ保管BOXがあります。
何だかんだ見ちゃいますし、クーポンとかついている取って置きますね。
アドクロ先生
注意を引いて、関心を持ってもらうことが商品やサービスを購入する欲求に重要だと言われています。
マーケティングの考え方の一つで「AIDMAの法則」などと呼ばれているのですが、注意(Attention)・関心(Interest)・欲求(Desire)・記憶(Memory)・購入(Action)が消費者の購買行動に関係しているそうです。
ビズ菜(ベテラン)
手に取ることで注意を引いて、内容に興味を持ってもらうことで購買欲求が生まれる。
保管していたチラシを再度見ることで深く記憶され、この繰り返しが購入へとつながるという考え方ですね。
ビズ男(初心者)
なるほど…。
私も見事にマーケティング施策にターゲティングされているわけですね。
僕も知らず知らずのうちにAIDMAの法則に従って色々購入してそうです。
アドクロ先生
ビズ男さんのようにポスティング広告に心を動かされる人は今も多いようです。
最近ではさらに費用対効果を高めるために様々な方法でその効果測定が行われているそうですよ。
ポスティングにおける効果測定
ポスティングは人の手で直接消費者の自宅ポストへ広告物を配布するため、その効果測定が難しいとされていました。
ひと昔前までは実際の配布数は配布スタッフの自主報告のみでしか把握できず、その反響も広告物に付属させたクーポン券の使用率などで把握する手法が効果測定の主流でした。
最近では配布を専門業者に依頼する場合、配布スタッフをGPSで追跡し、詳細な配布エリアと配布時間・配布部数を把握できるサービスを提供している企業が増えてきています。この配布状況が把握できるサービスは、自社の用意した広告物が全て正しく配布されている確認ができるため、ポスティング広告を初めて利用する企業にとっても安心して利用できるサービスと言えます。
クーポン券の回収率を利用した効果測定は現在でも広く取り入れられている手法ですが、印刷物にQRコードを付けるなどして、自社のWebサイトの訪問数からポスティング広告の効果測定を行う企業も増えています。
消費者がストレスなくリアクションを起こせるよう広告物をデザインすることも、反応率を上げるためには重要なポイントです。
ビズ男(初心者)
言われてみれば実際に配布されているかどうかは神のみぞ知る、ですもんね。
GPSで管理されているとなると配布スタッフも気を抜けないですね…。
アドクロ先生
最近では配布業者も配布自体はパート・アルバイトに委託するケースも多いそうですよ。
GPSで管理したうえで、配布部数や配布エリアなどから歩合制の給料をお支払いする企業もあるそうです。
ビズ男(初心者)
なるほど!
配れば配るほど給料が高くなるのであれば必死に一日にたくさん配ってくれそうですもんね!
アドクロ先生
ポスティングは人海戦術で配布しますので、どうしても部数が増えてしまうと配布日数もかかってしまいますからね。
専門業者としてはいかにモチベーション高く配布し続けてもらえるか、が重要になってくるようです。
最新技術を使った話題のポスティング
マーケティングにおいて重要とされる効果測定。ポスティングは従来その特性上、効果測定が苦手とされていました。現在ではより多くの企業にポスティングを利用してもらうため、新しい技術を取り入れ、効果測定を可能としたサービスが多く提供されています。
ポスティング・オリコミ・プランナー
ポスティング・オリコミ・プランナーは、株式会社静岡オリコミが提供する、配布エリアと配布したい消費者属性の詳細な絞り込みがWebサイト上で行えるポスティングサービスです。
このサービスでは消費者の年齢、家族構成、関心のありそうな分野など詳細な属性を選択、配布希望エリア内に該当する世帯数がどれだけあるかを把握することが可能です。
ビズ男(初心者)
すごいですよね!
今までは大体このエリアは高級住宅が多いから…とかでしか配布できなかったですもんね!
アドクロ先生
もちろん、専門業者もあの手この手でデータ化しているので、ある程度詳細な絞り込みが可能なサービスはこのサービス以外にもたくさんあります。
ですが、Web上で検索、そのまま依頼できるというのは企業のマーケティング担当者にとっては有難いサービスですね。
ポスティングの例
ポスティングの今後
ここ数年、広告業界ではオンライン広告の市場拡大が話題になっています。その市場規模は拡大の一途をたどっていて、今後5Gの普及に伴って、オンライン広告、とりわけ動画広告市場の急成長が予想されています。
不特定多数の人に向けて一度に多くの情報を届けられるオンライン広告は確かに魅力的ですが、その陰でポスティングや新聞折込、フリーペーパーやダイレクトメールなどといったオフライン広告も今注目を浴びています。限定したエリアや属性を持ったターゲットに直接アプローチできるオフライン広告は、オンライン広告への誘導をする手段として利用することも可能です。
ポスティング業界の動向については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年のポスティング広告費は減少し一時低迷しましたが、翌年には回復しその後、増加傾向にあります。デジタルシフトが進みながらもポスティングの需要は年々増えています。
Webサイトには多くの情報を掲載できますが、消費者が能動的に検索をしなければ露出することはありません。またオンライン広告の掲出は短期間でもコストが高くなるものが多く、中小規模の事業者にとっては中々利用しづらいとも言われています。
自社のサービス・商品を認知してもらいたいエリア(属性)の消費者へポスティング広告を配布し、配布した広告物に自社WebサイトやECサイトへの誘導を添付することでオンライン広告の苦手とする部分をオフライン広告で補うことも可能です。
ビズ男(初心者)
最近は、チラシにQRコードが付いているのが当たり前になってきましたよね。
これは「オフライン広告」と「オンライン広告」が共存しているということですよね?
アドクロ先生
その通りですね。
それぞれに得手不得手がありますので、より広告効果を高めたい場合はうまく使い分けることが重要ですね。
ビズ男(初心者)
まだまだ映画のようにチラシで動画が再生できる時代は来なさそうですもんね。
もし、そんな時代が来たらまたポスティングの需要は高まりそうですけどね(笑)
アドクロ先生
ビズ男さんのおっしゃる通りですね。
技術の進歩でデジタルな領域が拡張されていっていますが、今でもそしてこれからもきっと新しい技術を取り入れて、オフラインでの広告はなくならずに生き残っていくのでしょうね。