新聞折り込みやDM(ダイレクトメール)、ポスティングなどオフライン広告には消費者の自宅へ直接広告物を送付する手法が多く使われています。
消費者にとっては自宅へ直接有益な情報が送られてくる有難いサービスであるとともに、多数の広告が一度に投函されることもあり情報過多になることも多く、消費者が広告物の内容に目を通してもらえるかどうかは大きな課題でもあります。
そのまま廃棄される可能性をできるだけ排除したいという思いは、広告物を送付する企業にとっては当たり前の感情と言えます。 同封広告・同梱広告はオフライン広告が抱える課題を解決し、企業が抱える思いを実現できる広告手法として利用されています。
ビズ男(初心者)
折り込みチラシやポスティングは
毎日かなりの量自宅に届きますよね。
確かに一枚一枚しっかり目を通しているかと言われると…。
アドクロ先生
アパートや集合住宅などポストがまとまっているようなところに住んでいると受け取る量も増えるようですね。
クーポンを付けるなどして効果測定を行うことも多いですが、クーポン使用以前に目を通さずに廃棄されるケースも少なくないようです。
ビズ菜(ベテラン)
不特定多数に送付されているので自分に直接関係していない広告という認識の人も多いようですよ。
確かに、同封・同梱広告だとそのあたりの課題は解消されそうですね。
同封と同梱の違い
同封も同梱も広告物を別の配布物と合わせて送付する広告手法の一つです。
消費者が自宅で開封する可能性が高いものに封入することで、企業の広告物が内容を確認せずに廃棄されるリスクを軽減できます。
ビズ男(初心者)
どっちも何かに便乗して送付するんですね!
「よし!見るぞ!」の気分の時に目にすることになるので、広告効果は高まりそうですね。 便乗は少し言葉が乱暴かもしれませんが…。
アドクロ先生
自宅で見られる広告は「いつ」「どこで」広告に目を通してもらえるかで効果が変わってきますからね。
確かにそうですね! 玄関でパっと見た広告はそのまま捨てちゃうことが多いかもしれないです。
ビズ菜(ベテラン)
企業としてはできれば座ってゆっくり見てもらいたいですよね。
ちなみにこの同封広告・同梱広告にはいわゆるチラシだけでなく、サンプル広告なども含まれます。
ビズ男(初心者)
そうなんですね!
同封広告と同梱広告はその呼び方が企業によって違うっていうことですか?
アドクロ先生
実は同封広告と同梱広告には明確な違いがあります。
一般的には同意語というイメージが強いと思いますが、広告業界では広告物の形態によってその言葉も使い分けられています。
同封広告
【同封】…封筒の中に手紙と一緒にほかのものを入れること。
同封広告はチラシなどの印刷物を、新聞折り込み・DM・企業の会報誌・クレジットカードの利用明細書のような封書と合わせて送付する広告手法を指します。
ビズ男(初心者)
印刷物に印刷物を封入する広告手法ということですかね?
クレジットカードの利用明細への同封は
かなり効果が高そうですね!
アドクロ先生
一般的には封書に印刷物を封入する広告手法、という定義のようです。
封書は開封率が高いものも多く、親和性が高い広告物を同封すれば広告効果は期待できるのではないでしょうか。
同梱広告
【同梱】…一つの荷物の中に一緒に入れること。
通信販売で購入された商品などと合わせて、チラシや厚みのある冊子、商品サンプルのような広告を送付する広告手法を指します。
段ボールで発送される商品と合わせて送付することで、封書には封入できない厚みのある広告物も消費者に届けられる点が特徴です。
ビズ男(初心者)
なるほど!
封入する媒体、封入される媒体によって
言葉も使い分けてるんですね!
アドクロ先生
封書と合わせてチラシなどの印刷物を送付する場合は同封広告。
商品など段ボールで送付されるものに広告物を封入する場合は同梱広告と覚えてくださいね。
ビズ菜(ベテラン)
どちらも別のものと合わせて消費者の手元に届けられる点は一緒ですね。 広告物によって封入する媒体を選ぶことが広告効果を高めるためには重要そうですね。
同封同梱がよく利用される媒体
同封広告・同梱広告は多くの消費者層へターゲッティングができる広告手法として注目されています。
ターゲットが絞られ、すでに効果を上げている媒体と親和性のある広告物を封入することで、高い費用対効果が得られると考えられます。
通販カタログ
消費者が自ら手配して手元に届けられるため、高い開封率が期待できます。
百貨店のカタログや、出産・育児ママ向けのカタログなど種類も多数存在します。 百貨店のカタログは世帯収入が一定以上の家庭への配布が多いため、高所得者へ向けた広告物の配布に向いています。
出産・育児ママ向けのカタログであれば、ママ世代のファッションや美容、暮らしに関する広告物を配布することが高い効果が期待できます。
ビズ菜(ベテラン)
情報を求めている状態で開封するので目を通す時間も長くなりそうですよね。
ターゲットの属性が絞りやすく
非常に使いやすそうに感じます。
アドクロ先生
そうですね。
比較的利用者の属性に固まりがあることが多く、広告出稿する企業にとっても利用しやすい媒体と言えると思います。
テレビ通信販売商品
地上波やCSで放送されている通信販売番組で購入された商品への同梱も高い広告効果が期待できます。
シニア世代の利用が多く、健康食品やサプリメントなどのサンプル同梱広告で多くの実績が報告されています。
ビズ男(初心者)
お昼や深夜に結構長い時間やってますもんね!
実際に使っているところを見ることができて、
ついつい買いたくなっちゃうんですよね!あれ!
アドクロ先生
そうですね(笑)
購入した商品ですのでほぼ100%荷物は開封されますし、ゆっくり目を通す時間がある人が多いという点も広告出稿する企業にとってはありがたいですよね。
会報誌・情報誌
様々な情報誌がターゲットを絞って配布されているため、企業の広告物と親和性が高いものを選択して同封することが可能です。
DMやポスティングではリーチしにくい富裕層の顧客リストを持っている企業も多く、通常広告物を届けにくい層へダイレクトで訴求できる点も特徴です。
ビズ男(初心者)
この媒体は僕はあまり馴染みがないんですが…。
会員にだけ送付されるようなもの
…ですよね?
アドクロ先生
会報誌に関してはその認識で良いと思います。
情報誌は発信する企業が独自で顧客リストを有している場合が多く、有料・無料含め多くの業界で利用されている媒体です。
クレジットカード利用明細書
クレジットカード会社から利用者へ送付される明細にチラシを同封することで、高確率で開封されるため消費者の目に留まりやすい同封広告です。
クレジットカード会社によっては利用者の層がある程度絞られる場合もあり、高い開封率と合わせてターゲッティングを行うことで費用対効果を更に高めることが可能です。
ビズ男(初心者)
同封広告・同梱広告にもたくさん種類がありますね。
企業はこの中から紹介したいサービスや商品に興味がありそうな消費者が利用している媒体を選んで広告出稿を行うわけですね。
アドクロ先生
別企業のサービスに同封・同梱されるため事前の審査などが必要となる場合も多いようです。
広告出稿する企業としてもあまりに親和性の低い媒体を利用することは少ないですが、双方の企業イメージの低下に繋がらないよう工夫されています。
ビズ男(初心者)
そうか…確かにそうですよね。
シニア世代へ「若いうちから鍛えよう!」みたいな広告が届くと気分は良くないですもんね。
アドクロ先生
そうですね(笑)
その注意点さえクリアできれば、比較的費用対効果も高く利用価値の高い広告手法です。
同封広告・同梱広告のメリット
同封広告・同梱広告は高い開封率が期待でき、費用対効果が高い広告手法と言われています。もちろん広告出稿する企業が媒体を選定することも重要ですが、企業の課題のヒアリングから広告出稿する媒体選出までがワンストップで提供されていることも多く、多くの業態で利用しやすい広告手法でもあります。
同封広告・同梱広告はDMに比べると安価で提供されていることが多く、すでに存在する顧客リストを利用できるため、ターゲッティングが容易である点もメリットの一つです。新聞折り込みやポスティングといった不特定多数へ配布される広告サービスと比べると少し割高となることも多いですが、配布エリアや配布部数などを調整することで、リーチしたい顧客へ決められた予算内で効果の高い宣伝広告が可能になります。
受け取り手がいない(居住者がいない)住居へ配布されるリスクが少なく、用意した広告物が消費者までロスなく届けられる点も、高い広告効果を発揮する一つの要因です。
ビズ男(初心者)
ターゲットを絞って配布する中では比較的安いっていうことでいいんですかね?
こう見るとポスティングや新聞折り込みは効果が低いんですかね?
アドクロ先生
そうですね。同封・同梱広告の中でもターゲットやエリアを細かく絞ると費用は少し高くなる傾向にあります。
一概にポスティングや新聞折り込みは効果が低いというわけではないですよ。
ビズ菜(ベテラン)
宣伝したいサービスや商品によって適している媒体があるということですよね。
不特定多数の人に届け、新規顧客を獲得したい場合などはある程度エリアを絞って新聞折り込みやポスティングを使う企業も多いそうです。
ビズ男(初心者)
なるほど。
エリア限定で費用を安く多くの人に届ける場合は、新聞折り込みやポスティングも有効ということですね。
アドクロ先生
一般的にはターゲッティングが苦手とされているポスティングも、最近では顧客リストやビッグデータなどを有効利用し、効果を高めている企業なども増えてきました。
同封・同梱広告にも言えることですが、技術の進歩によってオフライン広告の在り方も日々変わってきていますからね。
同封広告の例
同梱広告の例
同封同梱の今後
様々な流通経路で消費者へと届けられる同封広告、同梱広告。封書と合わせてチラシなどの印刷物を送付する同封広告、購入された商品と合わせて広告物を送付できる同梱広告は、どちらも比較的安価かつ高い開封率が期待できます。
ポスティングや新聞折り込みが苦手とするターゲットを絞った配布が行える点もメリットの一つです。 技術の進歩に伴う顧客リストの管理・更新の精度向上や、EC産業の活性化に伴い、今後ますますこのターゲットを絞って配布する同封同梱の有用性は高まってくると考えられます。
サンプルを同梱広告として発送し、付属のQRコードから自社ECサイトへ誘導、商品の購入を促す、などオフライン広告からオンライン広告や自社Webサイトへ誘導し直接商品購入までの動線を確保することも効果が高いと言われています。
同封同梱は、オンライン広告の「実際に商品を手に取れない」という弱点をフォローする意味合いでも効果が期待できる広告手法です。
ビズ男(初心者)
当たり前のようにサンプルを受け取っていましたけど、サンプル一つとっても色々考えられているんですね。
宣伝広告は奥が深いです!
アドクロ先生
安価とはいえ企業にとって宣伝広告費は大きな支出ではありますからね。
いかに費用対効果を高めるか。この考えは広報やマーケテイング担当者の永遠の課題でもあります。
ビズ菜(ベテラン)
最近は広告の差し替えが比較的簡単なWeb広告が主流になりつつあるともいわれていますよね。
改めて考えるとオンライン広告ではリーチできない顧客や、提供できない広告物なども多いんですね。
アドクロ先生
ビズ菜さんのおっしゃる通りです。
ビズ男さんが当たり前のように、とおっしゃっていましたが、サンプル配布などはオンライン上では完結できないサービスの代表ですね。
ビズ男(初心者)
資料・サンプル請求なんて言葉もオンライン上でよく見かけますよね。
結局あれはオンライン広告からオフライン広告に誘導して、そこから更にECサイトや実店舗へ…という流れということですよね。
アドクロ先生
そういうことになりますね。
そのケースであれば同梱広告を利用することで一つ工程を省き、かつ、自社サイトを閲覧していない見込み顧客へも宣伝できることになります。
ビズ男(初心者)
なるほど…。
考えれば考えるほどオフライン広告×オンライン広告の有効性を感じますね。
アドクロ先生
オンライン広告が占める割合は日々増えてきているとは言われています。
ですが、未だに同封同梱を始めとするオフライン広告の権威性は高く、むしろオンライン広告の市場が拡大することでオフライン広告の活用できる幅が広がっていくのではないでしょうか。