駅広告は、駅の構内に掲出される駅の利用者に訴求するための広告媒体です。駅ポスター広告(駅貼り広告)、駅看板(サインボード)の他、駅によってはデジタルサイネージ広告・フロア広告・横断幕広告・フラッグ広告など非常に種類が多彩です。
周辺住民や通勤通学での利用者に密着したメディアで駅周辺エリアをターゲットにした広告展開や利用者の属性が明確である駅では、特定のターゲットに訴求することも可能です。また、本来広告スペースとして設けていない場所へ一時的に広告を掲出するSP広告もあります。
駅広告の特徴
JR東日本企画「jeki首都圏異動者調査2019」によると駅構内での過ごし方の特徴としては、「スマートフォンを使う」人が55.5%と非常に高い割合を占めています。
電車広告に限らず、オフライン広告と競合となるのがスマートフォンですが、「駅ポスター・看板を見る」など駅広告を見るという人も28.4%と次に高い数値です。「よくする」という数値が高いということからも、駅広告はユーザーの自然行動の中でアピールできる注目率が高いメディアといえます。
また、メディアとのイメージの調査によると「駅ポスター広告」や「サインボード(駅看板)」は、テレビ広告や新聞広告など他のメディアに比べると「自然と目に入る」「広告が目立つ」数値が高いのが特徴です。通勤・通学で使うルートで繰り返し目に入り、ホームでは待ち時間にふと目にしてしまうのが駅広告の特徴と言えるでしょう。
駅広告の種類
駅看板広告(サインボード広告)
駅看板広告(サインボード広告)は、駅構内に長期掲出をすることが可能な看板広告です。サイズなどバラエティ豊富で、掲出場所やサイズによって料金が異なります。
地域に密着したお店や企業など駅周辺の施設への案内・誘導や認知向上・ブランディングに使用されることが多い傾向にあります。駅看板広告は長期で掲出されてるため、通勤・通学などの反復行動の中で視認され、潜在的に効果を訴求できる駅広告です。
駅看板広告は照明がない看板、外付けのスポットライトを使用した間接照明看板、看板の内側から照明を使用した内照式看板などがあります。改札前やホーム前など駅利用客の導線に合わせた広告展開を行う必要があります。
駅貼りポスター広告
駅貼りポスター広告は、駅構内の通路やホームの壁に掲出されるポスター型の駅広告です。サイズはB2~B0で、料金は駅の等級やサイズで異なります。ポスター1枚から掲出が可能な駅広告で、期間は1週間が基本なので、初めて駅広告を利用する方にも適しています。
同駅内で複数同じポスターを貼ったり、複数駅同時に掲出するなど、自由な組み合わせを行なえるため、新店舗のオープン告知・求人募集、新商品の販売、キャンペーン告知やイベント告知などにも利用される事の多い駅広告になります。
短期でできることから、テレビCMや新聞などとメディアミックスで効果を最大化したり、SNSでの話題性を狙う広告展開も可能です。
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デジタルサイネージ
駅の改札内や改札外など多くの人が行き交う場所に設置されているデジタルサイネージの駅広告です。駅構内のポイントなる場所に設置されており、電車の待ち時間や駅構内の移動中に自然と目に入ってきます。
動画を使用することにより視線をひきつけ、多くの情報量を含めることができるため商品やサービスの理解度を高めることができます。一部では音声も配信することも可能です。
また、動画が必須と思われがちですが、静止画でも配信することができるので試しやすい媒体とも言えます。
同エリアに複数のサイネージが設置されているケースが多く、同時掲出されることによりジャック感を演出することができ、インパクトのある駅広告展開とともに、会社の信頼度やブランディングを高めることができます。
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フラッグ広告
フラッグ広告とは、駅の改札周辺や乗換通路・自由通路などの天井部分スペースに掲出される駅広告で、天井部からポスターを吊るして掲出します。サイズは、ポスターサイズの物から大型サイズのものまであり、駅ごとに違いがあり、製作費や作業費が別途かかるケースもあります。
駅構内の中でも通行頻度の高い通路に掲載される事が多く、駅をジャックするような広告展開にも使用され、非常にインパクトの強い駅広告です。そのため、乗降客だけでなく、駅構内を通路や導線に使われる方や駅の施設・お店を利用される方などにも訴求する事ができます。1週間と短期での掲出が可能なので、駅構内や駅近隣でのイベント・駅周辺施設への誘導・キャンペーン告知・イベント告知などに利用が多い傾向にあります。
柱巻き広告
柱巻き広告とは、ホームや改札周辺、人の流れの多い駅構内の通路やコンコースなどの柱を出力シートで巻き、柱全周を全面広告として使用できる駅広告です。
掲出期間は1週間からとなっており、通行量が多く、視界に入りやすい場所への掲出が多いので、サイネージ広告と同様、乗降客だけでなく、駅構内を通路や導線に使われる方や駅の施設・お店を利用される方などにも訴求する事ができる駅広告です。
連続する柱へ掲載すれば、ジャック感を演出でき、高い視認訴求が見込めます。乾電池や缶飲料などの円柱の商品は、柱の形状をうまく活用し、実際の商品の形をデザインして立体的な表現できます。制作費・作業費が別途必要です。
フロア広告
フロア広告とは、通路やホールなどの床面に掲出される広告で、主に改札付近に設定されることが多い駅広告です。
電車を利用する乗降客がターゲットとなるので、お店などの誘導案内に適しています。また短期で掲出することも可能なフロア広告は、突如出現するので意外性があり、デザインも比較的自由が利くことから、イベント告知やキャンペーン告知等にも利用されます。
自動改札ステッカー広告
自動改札ステッカー広告とは、自動改札機に広告ステッカー貼る駅広告です。
毎日の通勤・通学の中で目に留まり、反復効果による認知度向上を狙うことができます。改札口を出る乗降客に訴求をできるので、駅周辺施設の導線としての利用や施設の認知向上に利用されるケースが多く、毎日接触するため刷り込みでの効果が期待できます。
大型ボード広告・大型シート広告
大型シート広告、大型ボード広告は、大きなビジュアルで、駅広告の中では最大規模の駅広告です。
掲出場所については、駅構内やホームの他に屋外や自由通路などに掲載できることが多く、掲載場所によっては、乗降客などの駅利用者以外のユーザーに向けても訴求が可能な駅広告です。サイズが大きいため通行者の目にとまりやすく、強いインパクトを与えられるので、家電の新製品やテレビの新番組の告知、新曲のリリースや映画の告知など大々的なプロモーションが可能です。
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ホームドアステッカー広告
ホームドアステッカー広告とは、駅ホームに設置されたホームドア(転落防止柵)にシートを貼りつけた駅広告です。安全面強化の目的でホームドアの設置される駅が増えています。
電車を待つ乗降客やホームを通行する乗降客に訴求できます。
電車を待つ乗降客は線路側を向いて立つことが多いので、自然に広告が目に入りやすく、接触時間も長いのが特徴です。情報量の多い広告でも伝えることが可能です。また近年ではサイネージ型のホームドア駅広告も増えております。
駅広告の事例
スシロー×渋谷ビッグサイネージプレミアム
渋谷ビッグサイネージプレミアムは、横幅約25mの大型サイネージで2019年登場以来人気の駅広告です。横長で大きなサイズのビジョンの特性を活かしたクリエイティブが目を引きます。スシローは流れる回転ずしをサイネージで表現し、Twitterを中心に数多く拡散されました。
原神×駅広告
オープンワールドRPGの「原神」が都内にある17の駅に広告掲出を実施。駅それぞれにクリエイティブを変更しています。数多くの人がコレクター心理を掻き立てられ、広告の前で撮影したり、すべての駅をコンプリートしていました。
まとめ
駅広告の特徴や種類、出稿事例などについて解説しました。多くの人が利用する駅での広告掲出は目に留まりやすく、反復訴求も可能です。さらにインパクトのあるものだとユーザーがSNSで拡散してくれることもあるので、より高い広告効果が期待できます。数多くある駅広告のそれぞれの特徴をしっかり把握し、上手に利用していきましょう。