多くの市民に日常的に利用されているタクシー。このタクシーを広告スペースとして利用したタクシー広告についてご存じでしょうか。
タクシー広告は、ウィンドウの内側に貼られている小さなステッカーや、後部座席の前方に設置されているリーフレット、前方のデジタルサイネージなどその種類も様々です。また、タクシーの乗客に向けた広告だけではなく、タクシーの車体を利用した歩行者やドライバーに向けた広告なども多くの企業に利用されています。
今回はそんなタクシー広告の種類やそれぞれの特徴について解説していきます。
タクシー広告の種類と特徴
タクシー広告は全国で約20万台が走行している交通期間、タクシーを利用した交通広告の一種です。古くはリーフレットやサンプリング、ステッカーなど比較的小型の紙媒体が主流でした。
最近では、車内に設置されたデジタルサイネージを利用したタクシーサイネージ広告が注目されるなど、タクシー広告の種類も多岐に渡ります。
デジタルサイネージ(タクシーサイネージ)
デジタルサイネージとはLEDビジョンや液晶ディスプレイを利用した電子看板全般のことを指します。従来のオフライン広告とは違い、動画広告の掲出が可能な点や、リアルタイムでの広告掲出が可能な点などが特徴の広告手法です。
タクシーサイネージは主に運転席や助手席の背面、もしくは座席間のスペースを利用したデジタルサイネージ広告の一種です。広告宣伝のターゲットはタクシーの乗客に限られるため、BtoBに特化した広告宣伝が多い傾向にあります。タクシーは、ビジネスマン、中でも経営層によく利用される交通手段であるため、購入に経営判断が必要な商品・サービスの広告宣伝に適していると、今注目の広告手法の1つです。
タクシー窓サイネージ
タクシー窓サイネージは、国内では初のサービスとして、株式会社ニューステクノロジー、S.RIDE株式会社の両社から合同で2021年6月に発表された新しいタクシー広告です。このタクシー広告では、タクシーの車窓をデジタルサイネージ広告のスペースとして利用し、空車時のみ外に向けた広告が出稿されます。タクシーの性質上、様々な場所で宣伝広告が可能な手段となりますが、ゆくゆくは時間や場所などに合わせた広告出稿が可能となるようです。現在は100台のみの運用ですが、すでにBtoB企業や、VOD・映画配信サービスなどを展開する企業からの問い合わせで6月の広告枠は埋まっているそうです。
リーフレット設置
タクシーの運転席や助手席の背面でよく見かけるリーフレット広告、これもタクシー広告の一種です。リーフレット配布を目的とした専用のケースが設置されていることも多く、アドケースなどと呼ばれる場合もあります。タクシーの乗車中は受動的な外部の情報から一時的に遮断されるため、乗客のリーフレットに対する注目度は街頭配布のチラシなどに比べると高くなる傾向にあります。また一度目を通して必要な情報と判断されれば、自宅やオフィスまで持ち帰ることもできるため、保存性や反復性も兼ね備えた広告手法と言えます。リーフレット設置は、配布数によってコストの調整も容易な点や、費用対効果が把握しやすい点といったメリットがあります。
窓ステッカー、リアステッカー
ステッカー広告はタクシーのウィンドウ部分を利用したタクシー広告です。サイドウィンドウの内側に掲示であればタクシーの乗客に、サイドウィンドウ外側やリアウィンドウに掲示であれば歩行者や走行中のドライバーなどに訴求が可能です。比較的小さな広告スペースを利用しているため、商品・サービスの認知度向上やブランディングに利用されるケースがほとんどです。広告スペースが小さい分、安価で広告出稿が可能なタクシー広告の1つです。
行灯
行灯とはタクシー上部に設置されている表示灯のことを指し、通常社名が表示されているこの行灯もタクシー会社によっては広告スペースとして利用することができます。行灯を利用したタクシー広告では、車体ラッピングとセットで広告出稿し、より訴求力を高めるようデザインされたものが多く見られます。通常は前後から識別できるよう設置されている行灯ですが、広告スペースとして利用する場合、車体上部を縦断する形で横側への訴求力を高めたデザインで作られるケースがほとんどです。
サンプリング
サンプリングはその他のタクシー広告とは違い、試供品(場合によってはチラシを含む)をドライバーが直接手渡しで配布します。多くは精算時に直接手渡されるため、受け取ってもらえる確率が高く、そのままサイフと合わせて鞄に入れ、自宅やオフィスまで持って帰られるケースがほとんどです。
配布する試供品はマスクやティッシュ、栄養ドリンクなど様々ですが、その性質上サイズには制限があり、また一日に配布できる量も街頭サンプリングなどと比較すると少なくなります。
ドライバーの目視である程度ターゲティングができる点、効果検証がしやすい点など街頭サンプリングにはないメリットも多く、様々な業界・業種に幅広く利用されているタクシー広告です。
レシート裏
精算時に必ず渡すレシートを利用した広告宣伝もタクシー広告の一種です。タクシーにはコンビニのように不要レシートを回収するボックスもなく、財布を手に取り落ち着いて金銭授受ができることから、多くの乗客がお釣りと合わせてレシートも受け取ります。タクシーのレシートは専用のロール紙を利用しており、カラーの広告物もきれいに出力することが可能です。レシートはどの乗客にも必ず発行されるため、ステッカーやリーフレットのように乗客の目に留まらないという機会損失が比較的少ないというメリットもあります。
車体ラッピング
車体ラッピングは主に前後4つのドア部分にラッピングを施すタクシー広告です。タクシー広告の中でも車外への訴求力が高い広告手法です。
似た広告手法のバスラッピングと比較すると広告スペース自体は小さいものの、エリアや移動距離が制限されていないタクシーを利用したラッピング広告は、不特定多数の人にリーチできる点が最大のメリットです。
まとめ
タクシー広告は多くの企業に利用されている交通広告の一種です。様々な種類が存在するタクシー広告ですが、車内の広告スペースを利用する広告手法と、タクシーの車体を利用する広告手法の2つに大きく分けられます。
車内の広告スペースを利用する広告手法では、タクシーの乗客にターゲットを絞った広告宣伝において高い効果が期待できます。具体的には、サラリーマン、とりわけ経営層の利用者が多いため、BtoBの購入に経営判断が必要な商品・サービスなどの広告宣伝に向いています。
車内の広告スペースを利用したタクシー広告
明確なターゲティングが可能な車内を利用したタクシー広告に対して、車外の広告スペースを利用したタクシー広告は不特定多数の人にリーチできる点が強みとなります。
タクシーはバスや電車などの公共交通機関と違い、不特定多数の地域に利用者を運ぶ交通機関です。そのため、広告を掲出したタクシーが、どのエリアの、どういった属性を持っている人に見られるかはわかりません。ある程度のエリアターゲティングは可能な場合もありますが、基本的にはリーチ数というメリットを活かせるブランディングや認知度向上などの目的で利用されるケースが多い広告手法となります。
車外の広告スペースを利用したタクシー広告
タクシーは様々な広告手法での利用ができる魅力的な広告媒体の1つです。車内・車外や、それぞれの広告手法によってリーチできるターゲットの属性や、リーチ数に大きな違いが生まれます。
上記の特徴・メリットを参考に、魅力的な交通広告の1つ、タクシー広告について検討してみてはいかがでしょうか。タクシー広告の種類と効果については以下の記事でも詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。タクシー広告の種類や効果を徹底解説 | BtoBが得意な交通広告