ICT総研が2022年5月に発表した「SNS利用動向に関する調査」によると、日本のSNS利用者は8,270万人と8割以上の方がSNSを利用しています。また、世界のSNS利用者は46.2億人で、世界人口に占めるSNS普及率は58.4%ですので、日本は世界と比較してもSNS普及率が高い国といえます。
ただ、ひとくちにSNSと言っても利用動向は年代別に大きく異なっています。そこで、本記事では年代別のSNS利用動向と各SNS広告の特徴について開設していきたいと思います。
これからSNS広告の運用を検討されている方や、自社で運用しているSNS広告がターゲットに合っているか不安をお持ちの方は是非参考にしてください。
年代別SNS利用状況
総務省情報通信政策研究所が行った「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、全年代で最も利用者が多いSNSは「LINE」で利用率は92.5%でした。次いでYouTubeが87.9%、Instagramが48.5%となっており、Twitterは利用率46.2%とInstagramと僅差となっています。
しかし、全年代で利用傾向が同じかというと、そうではありません。
年代別の利用率をSNSごとに比較してみると大きく違いがあることがわかります。わかりやすい例として、以下に20代と60代で利用率が上位のものを比較してみました。
これを見るとLINEについては、20代でも60代でも利用率が非常に高いことがわかります。
ただ、60代は1位のLINEと2位のYouTubeを除き、3位以下は利用率はいずれも20%以下となっておりSNS自体の利用率が低いことがうかがえます。
一方、20代は、InstagramとTwitterの利用率がいずれも78.6%で全年代で最も多い数字となっています。全年代平均と比較して30ポイント以上高くなっていますので、もし20代をターゲットにした施策を行いたい場合は、InstagramとTwitterの利用は有効と考えられます。
年代別SNS利用状況変化
上では、どの年代でどのSNSが利用されているかを見てきましたが、今度は、どの年代でどのSNSの利用率が伸びているか、あるいは下がっているかを見ていきましょう。
以下は、総務省情報通信政策研究所が行った「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を起点に「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を比較し、年代別に主要なSNSの利用率の変化を示したものです。
※単位は全て(%)
この内容を踏まえ、特徴としては以下の点が挙げられるかと思います。
■最も利用率が増えたのは20代のTiktok
20代のTikTokの利用は2年間で+26.1%となり、令和元年度時点から2倍以上伸長しました。
10代でも14.5%伸長していることから、若年層での利用率が伸びていると言えます。
■Facebookのみ利用率が減少。60代は7.8%の増加
Facebookの利用は全年代で利用率がマイナスとなりました。ただし、60代では+7.8%となっていることから、シニア層では利用が拡がっていると考えられます。
■10代ではFacebook以外に、LINE、Twitter利用率も減少
10代ではFacebook、LINE、Twitterの利用率が減少しました。若い年代ほどテキストコミュニケーションが主となるSNSの利用率が減少し、動的コンテンツの配信に強みを持つSNSが利用されていると言えるかと思います。
今回は令和元年度と令和3年度と2年間の変化を見てみましたが、顕著な変化を見てとれました。
そして、年代別の傾向にも大きな違いがあることから、自社のターゲットがいまもそのSNSを利用しているか定期的に見直していく必要がありそうです。
SNS広告ごとの特徴
最後に、代表的なSNS広告の各特徴について見ていきたいと思います。
■LINE広告
・メッセージアプリでの広告配信
LINE広告は、LINEのメッセージアプリ内で広告を配信することができます。利用者が日常的に使うアプリであり、広告配信の効果が高いとされています。
・アクティブユーザーが多い
上の図でもある通り、利用者自体が多く、利用者の年代もまんべんなく存在しているため、幅広い年代にリーチすることが可能です。また、アクティブユーザーが多く、トーク上でコミュニケーションが取れることも特徴として挙げられます。
■Instagram広告
・ビジュアルによる訴求が得意
Instagramは、写真や動画を中心としたSNSであり、ビジュアルによる訴求が得意です。美しい画像や映像で商品やサービスを紹介することができます。
・女性ユーザーが多い
Instagramは、Facebookが提供する広告プラットフォームを利用しているため、Facebookと同様のターゲティング機能を利用することができます。また、Instagram独自のターゲティング機能もあり、興味・趣味に基づいたターゲティングが可能です。
■Twitter広告
・2次拡散による広告費はかからない
広告がリツイートされる、つまり2次拡散以上されたアクションに関しては課金されません。2次拡散以上を狙うことで、広告効果の効率を高めることが可能です。
・ターゲティングバリエーションの多さ
「キーワード」「興味関心」「フォロワー」「イベント・映画・TV番組」「会話」など、ユニークな切り口でのターゲティングが可能かつバリエーションが豊富です。
■Facebook広告
・初心者でも簡単に始めることができる
Facebook広告には「自動広告」機能があり、Facebookのアカウントさえ持っていれば、誰でも気軽に簡単に始められます。いくつかの簡単な設問に答えていくだけで、Facebookが最適な広告を提案してくれるため、初心者でも始めやすい広告になっています。
・高いターゲティング精度
Facebookは実名での登録が求められることから、年齢や居住地、勤め先などの正確なプロフィールに基づいてターゲティングができることが強みです。
■YouTube広告
・視聴回数や再生時間などのデータが取得可能
インプレッション数(広告の表示回数)、再生数、再生時間、クリック数など、動画を視聴したユーザーの行動を定量的に計測することができるため、効果検証を行いやすくなっています。
・同じユーザーへの配信を回避できる
同じユーザーに何度も広告を見せることを回避するフリークエンシーキャップの設定や、「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」といった広告の目的に合わせた配信設定が可能です。そのため費用対効果の高い配信が可能です。
まとめ
本記事では、年代別のSNS利用動向について解説してきました。
その結果、若い世代を中心にTikTokの利用が伸びていることがわかりました。
また、全年代でFacebookの利用は減っているものの、60代での利用は伸びていることもわかりました。
SNSの利用自体はまだ伸長傾向が続くものと想定されますが、どの年代で、どのSNSが利用されるかは”誰とつながるか”によって変わってきます。どのSNSが自社のターゲットにあっているか、考えるきっかけとしていただけましたら幸いです。