昨今、インターネット広告の台頭により、市場規模が減少傾向にある雑誌広告。雑誌を休刊しWEB版へ移行するケースも増えていますが、長期間保管されることが多い雑誌広告は反復訴求効果も期待できるため、まだまだ需要が多い媒体です。今回は雑誌広告の種類や費用相場、出稿するメリットなどについて解説します。
雑誌広告の種類について
雑誌広告には「純広告」「タイアップ広告」「連合広告」の3種類があります。それぞれ特徴や広告料金が異なるため、特徴をよく把握し、予算に合わせた雑誌広告で効率的にPRを行いましょう。
純広告
最も一般的な「純広告」は掲出したい雑誌の広告枠を購入し、広告主がその枠を自由に活用して広告掲載できます。
媒体側の審査はありますが、ある程度デザインなどが自由に設定できるため、読者に向けて伝えたいことをイメージ通りに表現することができます。さらに、読者の目に留まりやすい掲載場所での展開が可能なので、認知度やブランディングを高めるのに向いている広告枠です。
タイアップ広告(記事広告)
タイアップ広告は広告を掲出する雑誌の編集社に依頼して作成・掲載をしてもらう雑誌広告で、記事広告とも呼ばれています。商品やサービスについて、第三者の目で見た情報を掲載してもらえるので、客観的な広告内容となり、信用を得やすくなります。
タイアップ広告は媒体社に作成してもらうため、コストが一番かかりますが、雑誌広告の中で最も情報量が多いので、商品・サービスの魅力についてじっくり伝えることができます。
連合広告
基本的に純広告・タイアップ広告は1つの広告枠につき、1広告主による掲出ですが、「連合広告」は複数の広告主が一緒の広告枠で掲出します。読者には、広告というよりも、いくつかあるコンテンツの中のワンコーナーのような印象を与え、読者の関心を引きやすい利点があります。広告スペースが小さいため、少ない文字数や画像でアピールする工夫が必要ですが、その分安い広告料金で出稿できるため、初めて雑誌広告を出稿する場合や、お試しで広告を出してみたい時にはおすすめです。
雑誌広告の掲載面やサイズについて
雑誌広告は掲載面によって読者への訴求力に差があります。どのページに雑誌広告を掲載するか、それぞれの掲載面の特徴を把握して選ぶようにすると、より高い広告効果が期待できます。ここではそれぞれの掲載面についての特徴と、雑誌広告のサイズやカラーなどの表記について解説します。
掲載面
雑誌広告は表紙に近い掲載面が最も露出度が高くなります。表紙に近い掲載面としては表1・表2・表3・表4の4つの枠があります。
※上の図は一例です。
「表1」は表表紙なので、広告枠の対象となることはあまりありません。最も露出度が高く広告料金も一番高いのが、裏表紙の「表4」です。次に露出が高いのは表紙(表1)の裏面の「表2」。その次に露出度が高いのが、裏表紙(表4)の裏面となる「表3」です。これらの「表◯」といった枠を総称して、「表紙まわり」「表まわり」と言う場合もあります。表紙まわりに広告を掲載する際、サイズは基本的に1ページまるごとになることが多いです。
また、表紙まわり以外の特定の掲載面を表す名称として、「◯◯対向」といった言い回しがあります。雑誌によっては「第一目次対向」や「第二目次対向」のように目次対向が細分化されていたり、「巻頭インタビュー対向」や「コラム対向」など、その雑誌特有の広告枠もあります。
※上の図は一例です。
加えて、表紙まわりでなく、どこかの対向ページでもない冊子の中のページのことを「中面」と言います。中面は掲載ページについて指定ができないのが前提になります。
サイズ表記・カラーについて
雑誌広告のサイズは以下の図のような表記となります。
※上の図は一例です。
中面に広告を掲載する場合、1ページを分割した広告枠で掲載されることがほとんどです。雑誌ごとに表記サイズは微妙に異なりますが、ページの占める割合によって表記が分けられています。
ちなみに、広告のクリエイティブ同士に一定の余白を設けるため、1/2Pと言っても広告サイズは1Pの半分よりも若干小さくなります。雑誌広告出稿の際は各媒体のサイズ規定をよく確認しておくとイメージ通りに広告掲載できます。
雑誌広告を掲出するメリット
市場規模が減少している中でもまだ需要のある雑誌広告ですが、雑誌広告出稿にはどのようなメリットがあるのでしょうか。雑誌広告出稿のメリットは以下の3つが挙げられます。
信頼度が高い
無料で閲覧できるインターネットと違い、有料の雑誌を選ぶユーザーはお金を出して質の高い情報を得たいと考える人が多いです。その分、雑誌への信頼は厚くなり、雑誌広告への信頼度も高まります。また、雑誌広告は掲載するまでに厳しい審査があり、雑誌のイメージにそぐわない広告は掲載できません。編集社に読者の信頼を損なわないと判断された広告だけが掲載されるため、高い信頼度を維持しています。
反復効果で購買に繋がりやすい
一度読んだ後も保管する読者が多いという点も、雑誌広告の大きなメリットとなります。読者の手元に長期間保管されるので、雑誌広告は長期的に何度も読者の目に留まりやすくなります。最近ではWeb上で様々な雑誌が読める雑誌のサブスクリプションサービスなどもあるため、Web上でも長い期間、アプローチが可能です。雑誌広告を出稿する際は、長期間の掲載を意識した広告デザイン制作を行うと、高い反復訴求効果が期待できます。
ターゲットに確実にアプローチできる
雑誌広告はターゲットが明確なため、PRしたいターゲットへ向けて確実にアプローチできます。例えばファッション誌という一つのジャンルでも、ターゲットとしている読者は男性か女性か、どんな年齢層かなど、雑誌ごとに異なっています。そのため、商品・サービスをPRしたいユーザー層と、雑誌の読者層が一致することで、ターゲットに確実にアプローチできます。さらに、雑誌広告は性別・年齢だけでなく、趣味趣向にターゲットすることも可能なので、ターゲットをより細かく絞り込むことができます。
雑誌広告の費用相場
雑誌広告と一言に言っても、様々なジャンルがあり、広告料金も大きく異なります。また、同じ媒体でも広告の掲載場所やサイズ、色数(カラーか白黒か)などによっても料金が変わってきます。以下は雑誌広告相場についてまとめたものですので、ぜひ媒体選びの参考にしてください。
※表の金額は全てカラーの場合になります。
※ビジネス誌・ファッション誌の表2は見開き2Pの広告枠が多いため、相場表も見開き2Pの料金となっています。
おすすめの雑誌広告
ここからはアドクロに掲載している雑誌を各ジャンルごとにご紹介します。それぞれ特徴や読者層が異なっているため、ぜひPRしたい商材・サービスのターゲットに合うものを見つけてくださいね。
ビジネス誌
ビジネス誌は会社員や経営者などに読まれている雑誌で、男性・富裕層・BtoBなどをターゲットとしたプロモーションで効果が期待できます。同じビジネス誌でも読者の年齢層が異なったり、新入社員向けのものや、経営層向けのものがあるなど様々です。その雑誌の読者層をより細かく把握することで、ターゲットを絞り込み、効率的にアプローチできます。
ファッション誌
ファッション誌も女性向けのものや男性向けのものなど様々な雑誌があります。ファッション誌は年齢層でも分けることができるので、ターゲットの年齢層に合うファッション誌に広告を掲載することで高い広告効果を発揮します。
趣味の雑誌
漫画雑誌やパズル誌、ゴルフ誌など、多彩なジャンルの雑誌があります。そのため、年齢・性別よりもさらに細かくターゲットを絞り込んでアプローチできます。
エリア情報誌
ターゲットのエリアが限定されているのであればエリア情報誌でターゲットを絞り込むという方法もあります。ただし、雑誌広告は申込から広告掲載まで時間がかかるため、イベントやセミナーなどのPRの場合は余裕をもったスケジュールで実施することが大切です。
業界誌・技術専門誌
BtoB向けの商材・サービスの宣伝を行う場合、業界誌や技術専門紙でターゲットにピンポイントにアプローチすることも可能です。業界誌・技術専門誌は雑誌ごとに広告料金がバラバラで先ほどの相場表でも大きな幅があります。また、カラーではなく白黒のみという業界誌も多いため、媒体を選ぶ際はよくご確認ください。
まとめ
雑誌広告の特徴や相場などをご紹介しました。市場規模は減少傾向にありますが、ターゲットを絞り込み、長期にわたってじっくりアプローチできる雑誌広告は高い広告効果が見込めます。ぜひ、それぞれの雑誌の読者層を把握して、PRしたい商材・サービスのターゲット層に即した広告展開を実現させてください。