経済産業省により毎月速報値が公開されている、特定サービス産業動態統計調査。2022年12月分の広告業売上高について解説します。
広告費全体では前年同月比102.1%とほぼ横ばい
全体の売上高としては5,808億円と、前年同月比で102.1%とほぼ横ばいで推移しています。
12月も前月同様、新型コロナウイルス感染症の発生状況については前年とあまり差がなく、コロナ流行前の広告費と比較しても回復しつつあります。
4マス全体は前年同月比97.0%。新聞がやや減少。
新聞、雑誌、テレビ、ラジオの4大マスメディアの広告費は合計約1,582億円。前年対比では97.0%となっています。
新聞広告が前年対比89.7%とやや減少しましたが、一方で、同じ紙媒体である雑誌は108.1%とプラスに。近年のデジタルシフトによる影響を受け減少が続いていた紙媒体ですが減少傾向は止まりつつあり、今後はこの水準を維持していくかもしれません。
テレビ97.9%、ラジオ95.1%と、こちらはほぼ横ばいという結果となりました。
インターネット広告は100.6%と引き続きプラスを維持。
2020年10月から前年同月比でプラスが続いているインターネット広告。2022年12月は前年比100.6%となっており、ほぼ横ばいとなりました。
デジタルシフトと新型コロナウイルス感染症流行の影響によりプラスが続いていたインターネット広告費ですが、以前ほどの大幅な増加は見られなくなりました。しかしまだまだ可能性の多いインターネット広告費なので引き続き成長が見られると思われます。
屋外広告は124.5%と大幅増加。SP・PR・催事企画はマイナスに。
4マス、インターネット広告以外のカテゴリーに目を向けると屋外広告が124.5%と大幅に増加となりました。交通広告は97.6%、折込・DMは93.4%とほぼ横ばいのカテゴリーもある中、海外広告は149.6%と大きくプラスに。SP・PR・催事企画は82.5%と苦戦しました。
コロナの影響が少なくなりつつも、コロナ流行前までの水準には回復しきれていない結果となりました。