アドクロ編集部がお届けするニュース解説。マーケティング関連で気になるニュースをピックアップし、担当者が詳しく解説します。
BtoB企業に特化したデジタルマーケティング支援サービスを提供する株式会社リーディング・ソリューションは、BtoB企業に勤務する経営者・役員、会社員の中でも、デジタルマーケティングに関与している538名を対象に、「BtoBデジタルマーケティング実態調査」を実施しました。
その調査結果のうち、デジタルマーケティングの「予算」に関する項目を中心に、分析した結果の一部をご紹介します。
まず、デジタルマーケティングの成果状況について、年間予算が上がっていくほど「大きく成果が出ている」と実感している回答者の割合が高い結果となりました。
年間予算を1億円以上かけている回答者の「大きく成果が出ている」の割合は16.18%と、年間予算1,000万円~1億円未満の予算帯と比較すると割合は低くなっているものの、「成果が出ている」まで含めると、最も成果について実感している結果となりました。
成果が出ている施策について、「SEO対策」に対する成果実感については、年間予算が5,000万円以上と5,000万円未満で二極化する結果となりました。
現状、Googleはコンテンツ数の多いサイトのコンテンツを評価する傾向にあるため、SEOで成果を出すためには継続的にコンテンツ作成を行える予算を確保する必要があると言えそうです。
デジタルマーケティングに関する課題について、予算が1億円未満の企業は、社内に専門知識を持った人材がいないことや、人員リソースが足りていない、最適なパートナーが見つかっていない、という「人材」の課題に当たっている様子が見受けられました。
対して、予算1億円以上の企業は、「戦略が無い」、「費用対効果が合っているか分からない」と言ったPDCA体制に課題を感じている結果となりました。人材の採用と育成は時間がかかるため、戦略策定やPDCAサイクルを回せる外部パートナーの発掘が各社の課題解決において重要なポイントと言えそうです。
(2024年6月4日プレスリリースより)
考察
予算が多ければ良いわけではない
デジタルマーケティングに予算をかけている企業の方が成果を感じている一方で、戦略や費用対効果についての課題を抱えており、デジタルマーケティングの各施策に満遍なく人員や予算を割けたとしても、ただ施策をおこなっているだけになってしまっているような懸念を抱きました。
外部の専門家やノウハウのある企業に委託しながら、並行して自社の社員の人材育成にも取り組むといったような、短期的な視点と長期的な視点を組み合わせることで成果までのスピード感が生まれるように思います。いずれにしても企業がデジタルマーケティング施策をどの程度重視しているかにも左右されてしまうかもしれません。
どこに注力するか
一方、予算が少ない企業は担当者が他の業務と兼務したり、専任としてない場合もあります。また、社内に専門的な知識を持つ人材がいないことも多く、リソースは限られています。コストパフォーマンスなどを考慮し、分野を絞って施策を打つことでバランスを取りながら進めていくことが良いでしょう。