電車の中や車両の外に掲載し、通勤・通学などで電車を利用をする人や沿線生活者へアプローチできる「電車広告」。この電車広告の1つである「ドア横ポスター広告」は、視認性が高く効果が期待できることから人気の広告枠です。
ドア横ポスター広告は電車内の立っている乗客だけでなく、座っている乗客からも読みやすい場所に設置されるため、本の宣伝や大学、テレビ番組の紹介といったさまざまなジャンルで利用されています。また、鉄道会社によっては1車両に3~4枚セットで広告展開が可能。複数ビジュアルのドア横ポスター広告を設置するなど、工夫したアプローチでより電車利用者の興味関心を誘うこともできます。
今回はそんなドア横ポスター広告について、特徴や料金体系、事例を紹介します。
ドア横ポスター広告とは?
ドア横ポスター広告は、電車内のドア横に設置されるポスター型の電車広告を指します。ドア横ポスター広告が設置される場所は、電車利用客が出入りするドア横付近で、かつ電車内で立っている乗客から座っている乗客まで目に入りやすい位置。そのため、電車利用者の目に留まる可能性が高く、ドア横ポスター広告は交通広告の中でも非常に人気の高い広告メディアです。
ドア横ポスター広告は不特定多数の電車利用者に向けて訴求が可能です。特に、通勤中のビジネスパーソンや通学中の学生などは、基本的に毎日同じ車両を利用するため自然に反復訴求できる点が特徴です。その他、移動中の観光客や買い物目的の主婦層など、ドア横ポスター広告はターゲットを絞らず幅広くアプローチが可能です。そのため、ジャンルを問わずさまざまな企業がドア横ポスター広告を利用し、ブランディングやイベント案内など、幅広い目的で広告展開をおこなっています。
ドア横ポスター広告の特徴
ドア付近に設置されるため、視認性が高い
ドア横ポスター広告の特徴として、1つめに高い視認性があげられます。ドア横ポスター広告が設置されるドア周辺のスペースは、電車内でも特に人が集まりやすい場所。また、車内で立っている乗客からすれば目線の高さの位置に掲載されているため、自然と広告が読まれやすいメリットもあります。
出典:ジェイアール東日本企画『MEDIA DATA2021』交通広告の広告効果
ジェイアール東日本企画が発表した資料によれば、JR東日本におけるドア横ポスター広告の広告到達率は49.5%となっています。荷物置き場がある網棚近くに貼られる「まど上広告(シングルサイズ)」でも45.3%、ドアガラスやドア横に貼られる「ステッカー広告」については43.3%、「ツインステッカー広告」が47.2%で、ドア横ポスター広告の広告到達率には及ばない数字となっています。この結果から、同じ電車内に掲出されている電車広告の中でも、ドア横ポスター広告は特に視認性の高い電車広告といえます。
内容を最後まで読んでもらいやすい
2つめに、ドア横ポスター広告は内容を細部まで読んでもらいやすい特徴があります。
電車を利用する人は、車内に入ると基本的には降車するまで同じ場所に留まります。そのため、乗車してから電車を降りるまでに十分な時間が確保でき、乗った場所に広告があれば自然と細部まで読まれやすくなります。一瞬の接触で利用者にインパクトを与える必要のある駅広告と違い、内容を細かく読んでもらえる可能性が高いのが、ドア横ポスター広告をはじめとする車内広告の魅力でしょう。
細部まで読んでもらいやすい特徴を活かして、例えば競合サービスとの違いをアピールした文章を入れるなど、より多くのメッセージを乗せたビジュアルでの掲載も、ドア横ポスター広告では可能になります。
複数デザインをあわせたストーリー性のある広告展開も可能
3つめに、ドア横ポスター広告はいくつかの異なるデザインを並べることで、電車利用者に印象づけられる特徴があります。例えばJRのドア横ポスター広告では、1車両につき3~4面で広告展開できるセットプランが用意されています。そのため、複数デザインのドア横ポスター広告を設置でき、広告によって違ったメッセージを伝えることやストーリー性のある広告展開も可能になります。複数枚の広告設置により電車利用者にインパクトを与えられるだけでなく、より電車利用者へ商品・サービスの刷り込みができ、記憶に残りやすい広告となるでしょう。
広範囲のプロモーションも可能
ドア横ポスター広告の最後の特徴として、広範囲のキャンペーンにも向いているという点があげられます。駅広告はその駅を利用する人にのみアプローチが可能ですが、ドア横ポスター広告を含む電車広告は、電車の可動範囲にあわせて電車利用者に訴求できます。都内を走る電車に広告を設置すれば都内全体をカバーできるなど、幅広いエリアに向けたプロモーションも可能でしょう。
電車広告にはドア横ポスター広告の他に、中吊り広告やつり革広告などの種類があります。電車広告については以下の記事にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
電車広告について徹底解説! | 「電車内」という限られた空間で展開できる広告媒体
ドア横ポスター広告のサイズと費用
ドア横ポスター広告のサイズは、基本的にB3サイズ(H364mm×W515mm)となります。1週間または1ヵ月単位での掲載が可能で、料金体系は鉄道会社によって異なります。
掲載料金は設置枚数の他、広告掲載時期にも左右されます。例えば就職や進学などで新しく電車を利用する人が多くなる4月は掲載料金が高くなり、反対にお盆など会社や学校が休みになる8月は掲載料金が低くなります。そのため、ターゲットが電車を利用する時期や広告予算も踏まえて検討するといいでしょう。
JR東日本のドア横ポスター広告料金は、掲出開始日やシーズン、広告の規模によって異なってきますが、30,000枚のポスター掲出の場合、1週間の掲出期間で13,000,000~20,000,000円、200,000枚のポスター掲出が可能なフルジャックの場合は、1週間の掲出期間で66,000,000~100,000,000円となります。どちらのプランも、山手線や中央線、総武線、武蔵野線などの都内主要路線で掲出可能です。
また、東京メトロのドア横ポスター広告では、「ツインスター」という銀座線・丸ノ内線・日比谷線のみに2,100枚ほど掲載できるプランや、銀座線のみに400枚設置できる「銀座カルテット」といったプランが用意されています。料金についてはこちらも掲出期間などによって異なりますが、「ツインスター」7日間掲出の場合は7,000,000円、「銀座カルテット」7日間掲出の場合は1,200,000~2,000,000円となっています。
ドア横ポスター広告の事例
株式会社ネットマーケティング 恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」のブランディング
出典:恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」ブランドリニューアル発表女優、創作あーちすと。「のん」さんをアンバサダーに起用
恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」を運営する株式会社ネットマーケティングが、ブランドアンバサダーに女優の「のん」を迎えた広告展開を実施。関東や関西エリアの屋外ビジョンをはじめ、駅構内のデジタルサイネージや電車内のドア横ポスターを利用してブランド認知を図りました。
電車を利用する不特定多数に向けて、幅広い範囲のサービス認知向上を狙った広告展開となっています。
株式会社 スターフライヤー 空港利用客に向けた広告展開
株式会社スターフライヤーがブランドイメージの強化を目的とし、カラフルなライティングが印象的なビジュアルの広告展開を実施。京急羽田空港国内線ターミナル駅内の他、羽田空港に直結する東京モノレールのドア横ポスターを利用して広告キャンペーンを行いました。
東京モノレールで羽田空港へアクセスする人や、周辺駅の利用客に向けてアプローチを図った電車広告となっています。
株式会社エウレカ 恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs(ペアーズ)」の広告展開
出典:業界初!⻄⽇本鉄道でPairsカップル出演の広告施策を展開!
恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs(ペアーズ)」を運営する株式会社エウレカが行った交通広告キャンペーン。Pairsの福岡県の会員増加率が過去2年間で2倍以上を記録したことから、福岡県を起点とする⻄⽇本鉄道でドア横ポスターや車内ビジョンなどの電車広告でのPRを実施しました。
ドア横ポスターでは実際にPairsでマッチングを成功させたカップルが登場し、西日本鉄道の利用者に向けてサービスの利便性を訴求。サービス利用率の高い地域に住む人々をターゲットとした広告展開になっています。
まとめ
電車広告の中でも特に人気の高いメディアである「ドア横ポスター広告」。電車内の人が集中する場所に設置できる広告で、高い視認性という特徴があります。
ドア横ポスター広告は電車内という広告が読まれやすい特性を活かし、長文を入れるなどより多くのメッセージを込めた広告展開も可能な電車広告です。また、その路線が通るエリア性なども考えたうえで広告展開を実施すれば、より効果が期待できるでしょう。ドア横ポスター広告を採用する際は、展開路線や設置枚数などを考慮し、広告効果を高めることが重要です。
ドア横ポスター広告を含め、つり革広告や中づり広告など電車内で実施できる広告を幅広くお探しの方は、下記ページからチェックしていただけます。
首都圏の駅、電車広告をほぼ全て網羅した交通広告料金表もございます。併せてご覧ください。>2021年度版 交通広告料金表