新聞広告や雑誌広告、DMやポスティングなど様々な広告手法が存在する紙媒体。紙媒体には、紙自体を印刷・加工した印刷物の性質を活かした特徴があります。
今回はそんな紙媒体のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
紙媒体のメリット
オフライン広告ならではの特徴・メリットが多い紙媒体。紙媒体は使用する媒体によってメリットも様々ですが、今回は多くの紙媒体に共通する、紙媒体の代表的なメリットについて解説していきます。
情報に対する信頼性が高い
紙媒体は印刷物を利用して広告宣伝を行う広告手法です。そのため、デザインされた宣伝広告が紙に印刷されて消費者の手元に渡ることになります。
印刷物として作られた広告物はオンライン上のデータで表示・閲覧される広告物に比べて、消費者に与える安心感や信頼性が高くなる傾向にあります。その要因の1つには、紙媒体として広告物が出来上がるまでに、多くの人や企業が関わり、内容が精査されているというイメージが紙媒体にはあるためと考えられます。
広告物がユーザーに表示、閲覧されるまでの過程が想像しにくいオンライン広告とは対照的な紙媒体の特徴の1つです。
手元に保存され、反復的に広告が訴求できる
広告物に紙という物質を利用する最大のメリットとして、消費者が手元で保管できる点が挙げられます。
消費者の手元に届けられた紙媒体の広告物は、保管することで消費者が好きなタイミングで何度も閲覧することができます。一度保管された紙媒体は、消費者が広告物により前向きな姿勢の時に再度閲覧されることが多い点も広告宣伝にとって良い作用を及ぼします。
この保存性、反復性の高い広告物を不特定多数に配布できる点は、紙媒体ならではの特徴の1つです。
質感で差別化が出来る
紙媒体は紙を利用した広告手法の1つです。そのため、基本的に消費者が“実際に手に取ることで”広告効果を発揮します。視覚だけでなく触覚を刺激することで、視覚のみでアピールする広告手法に比べて、消費者の記憶に残りやすいと言われています。
また、中には視覚、触覚だけでなく、広告物に香水などの匂いを付着させることで嗅覚も刺激し、より強烈な印象を消費者に与える工夫がされている紙媒体なども存在します。
動画広告が視覚と聴覚を刺激した広告手法として広く取り入れられていますが、紙媒体は視覚・触覚(嗅覚)を刺激する広告手法として古くから様々な広告宣伝に利用されています。
キリトリ式のクーポンなどユーザーが楽しめる仕掛けが組みやすい
紙媒体は様々な印刷物を利用した広告手法で、媒体によってはデザインの自由度が高い点も特徴です。
フリーペーパーなどでよく見かけるクーポン券は、クーポン券のみを切り取って使用することでその他の広告物は手元に残すことができます。
その他にも複数の新聞紙面を利用した広告宣伝や、オンライン広告では表現しづらい見開きのようなインパクトのある広告など、遊び心満点の広告物がデザインできる点も紙媒体が長年利用されている理由の1つです。
媒体特性によってターゲットをセグメントできる
新聞広告では、主にシニア世代などの読者層に強いリーチ力があり、雑誌広告では、専門的な分野に興味・関心の高い読者層に絞ったターゲティングが可能など、利用する媒体によってターゲティングできる消費者が異なる点も紙媒体の特徴です。既に一定の読者を獲得している媒体が多く、媒体毎に読者の属性が把握できていることも多いため、ターゲティングが必要な広告宣伝にも紙媒体は適しています。
DMのように既にあるリストから直接ターゲットを絞り込む手法や、エリアターゲティングを中心に消費者属性も意識した複合的なターゲティングが可能なポスティングなども古くから多くの企業に利用されています。
紙媒体のデメリット
紙媒体は前述の通り、多くのメリットが存在する魅力的な広告手法です。もちろん、利用価値の高い広告手法の1つではありますが、中には紙媒体ならではのデメリットや、注意すべき点なども存在します。
リアルタイムで情報修正が出来ない
紙媒体は広告物をデザイン、印刷、加工した後に消費者の手元に届けられます。印刷・加工という工程が存在するため、一度制作が開始した広告物は気軽に内容の修正ができない点は注意が必要です。
紙媒体においては、広告内容の軽微な修正であっても全ての工程を一からやり直すことになるケースがほとんどです。そのため、リアルタイムで情報修正が必要な広告宣伝や、即時的にアピールしたい広告宣伝などには不向きな広告手法と言えます。
広告の細かい効果検証が難しい
紙媒体は基本的には媒体自体の効果検証が難しいものがほとんどです。
オンライン広告であれば、クリック率やコンバージョン率など広告表示に対するユーザーのアクションがデータとして集計可能ですが、紙媒体はこのデータ収集が非常に難しい広告手法と言われています。
紙媒体の効果検証を行いたい場合は、広告物にクーポン券を添付しその使用率を集計する方法や、URLやQRコードを広告物に記載することで紙媒体からの流入を集計する方法などがよく利用されています。
このように、効果検証を行いたい場合は、配布する広告物を一工夫する必要があります。
情報量に限界がある
紙媒体は印刷物を利用して広告宣伝を行います。そのため、記載できる情報は利用する媒体のサイズや広告枠のサイズ内に納める必要があります。
情報を詰め込みすぎると、情報過多な広告物となり理解しにくくなることも多く、紙媒体を利用しての広告宣伝はいかに伝えたい情報を整理するかの戦いでもあります。
近年、紙媒体自体は興味・関心を想起させる広告物として、詳細はWEBサイトでアピール、そのまま購入へと簡単に進めるように消費者の動線を設計している企業などもよく見かけるようになりました。
まとめ
紙媒体はオンライン広告にも負けない、訴求力の高い広告手法の1つです。そして、広告宣伝において重要なターゲティングや信頼性の確保など、魅力的なメリットが多く存在する媒体でもあります。
デメリットや注意点などもしっかり確認し、自社のマーケティング活動に活かしていただければ幸いです。
紙媒体については、下記記事でより詳しく説明しています。併せてご覧ください。