DMとして送付したすごろくはSNSで話題に
―――先にゴールしたのではなくポイントで勝者が決まるのですね。
このすごろくには「〇マス戻る」や「一回休み」と書いてあるマスが多いのですが、これはIPO準備に入るには会社の成長が欠かせないため、時間や手間がかかるものであるということを表しています。ゴールした順位ではなく、得たポイントの数で競うという点も、早く上場できれば良いというものではないということを伝えたいという想いからです。
―――クイズカードの内容は専門性が高いですが、社内で考えられたのでしょうか?
はい。「IPO準備すごろく」に記載されている内容の整合性はIPOコンサルティング会社の公認会計士の方々にもご確認いただきながら、基本的に「IPO準備すごろく」の素案は社内で制作しました。これは結構大変な作業でした。
【ゲーム内で利用する「クイズカード」】
IPOに関する業務内容ってバックオフィス以外の人たちにはあまり知られていないところもあると思うんです。バックオフィス以外の人にもIPO準備について知ってもらうことで、社内に一体感が生まれると考えました。
―――SNSでも反響が見られた「IPO準備すごろく」ですが、マーケティングにはどのように活用されたのでしょうか?
IPO準備企業様にダイレクトメールとして送付させていただきました。送付した企業の方からは「飲み会で実際に遊んでみたら盛り上がった」といった感想など頂いています。
Xで拡散してくださる企業も多く、「一緒にすごろくやりませんか?」とSNS上で呼びかける企業の方もいたり、予想を超える反響に私たちも驚いています。
また、ダイレクトメール実施とは別に、すごろく制作を記念したプレゼントキャンペーンも実施しました。キャンペーン発表から2週間ほど経ちますがすでに数十件のご応募をいただいています。
遊び心を取り入れて"普通"を避ける
―――過去にもfreeeでは個性的で話題性のあるダイレクトメールを多数実施されていますが、毎回どのように戦略を立てられているのでしょうか?
どんな施策を行うかについては、各部門のマーケターによって異なります。各領域において、どういうものがインパクトがあるか、短期・中長期それぞれで費用対効果が良いものはどういうものかなどを考えながら、ウェビナーやダイレクトメールなどを実施しています。
IPO領域としては今回のようなダイレクトメールは初めてでしたが、他の部門では様々なダイレクトメールを実施しています。例えば、毎日忙しい皆様に一息ついてもらいたいという想いからfreeeのオリジナルコーヒーのドリップパックをダイレクトメールとして送付したりしました。
―――テンキーチョコも話題になりましたよね。
そうですね。弊社には「Hack Everything」という「遊び心を取り入れていこう」という行動指針があります。"普通”のダイレクトメールだと目を通したらすぐに捨てられてしまいます。そのため、遊び心を取り入れて”普通”を避けたダイレクトメール施策を心がけています。「freeeのサービスの認知してもらい、良いイメージを持っていただき、ファンになってもらいたい」という想いが、私たちのマーケティングを動かしています。