花王株式会社は、2024年8月5日から夫婦間のコミュニケーション促進を支援する取り組みの一環として、WEB動画の公開などのプロモーションを開始しました。
同社が提供する柔軟剤「ハミング」が実施した共働き夫婦の家事に関する意識調査で、約半数が結婚後に"ありがとう"の発言が減ったと回答。特に結婚3年以内での減少が顕著で、「3年目の壁」の存在が明らかになりました。これを受け、同社では『共働き夫婦のおもいやり気づけてない問題』プロジェクトを立ち上げ、夫婦間の“ありがとう”に関するあるあるを描いたWEB動画広告を展開しています。
同社の調査によると、共働き夫婦の間では結婚期間が長くなるにつれて「ありがとう」という言葉が減る傾向があることがわかりました。約半数の夫婦がこの現象を感じており、特に結婚後3年以内の夫婦で顕著です。
この時期に「ありがとう」が減ったと感じる夫婦が最も多く、いわゆる「3年目の壁」の存在を示しています。つまり、結婚生活が進むにつれ、特に初期の数年間で、夫婦間の感謝の表現が少なくなる傾向があるのです。
また、普段の家事の中で、“ありがとう”の発言がある家事を聞いたところ、洗濯26.3%、料理53.7%、掃除51.0%となり、代表的な家事では「洗濯」が特に“ありがとう”が言えていないという実態がわかりました。
これらの結果を踏まえた今回の動画プロモーションに関して、花王株式会社のハイジーン&リビングケア事業部門ファブリックケア事業部 阿部太郎氏に話を聞いたところ、今回の企画・制作は2024年2月中旬ごろから検討をはじめたそう。
「お盆の時期は、お休みを挟むため共働き夫婦の日常的なライフスタイルに変化が訪れたり、帰省がきっかけになったりと、夫婦間の家事の分担を改めて見直すタイミングだと考えておりました。そのため、お盆に入る前のこのタイミングで施策を実施しました」と阿部氏は話す。
「花王の『ハミング』では、お洗濯や衣生活を通じて、日々の暮らしのなかで、つい“ハミング♪”がでるような‘’ささやかなごきげん‘’を実現することを目指しています。日々の家事への“ありがとう“はパートナーへの理解や愛情の表れです。そうした思いやりに触れることもまた、日々の暮らしのごきげんな気持ちにつながると思います。普段から“ありがとう“を伝えることは、夫婦間においても大事なことなのではないかと考え、ハミングとして“ありがとう“を伝え合うきっかけを少しでも作れたらと思い、今回の調査の切り口を考えました」
動画クリエイティブの意図や伝えたいメッセージについて、
「今回、ハミングが全国の共働き夫婦間で“ありがとう”を伝える習慣をサポートするべく、『共働き夫婦のおもいやり気づけてない問題』というテーマに切り込むことにしました。動画クリエイティブでは、最初はパートナーの家事に対して「あれ?」という感情を抱いていますが、管理人のおばあさんとの会話をきっかけに、日々のお互いの思いやりに気づき“ありがとう”を伝え合います。
【動画のストーリーボード】
調査で監修に入ってもらった公認心理士の方にも指摘いただきましたが、毎日家事をするパートナーの姿だからこそ、“あたりまえ”となってしまいがちで、“ありがとう”の一言がお互いに出にくくなってしまうと考えられます。ハミングが、そんな日々の家事への”ありがとう”を伝え合うきっかけを少しでも作れたらという思いで、動画クリエイティブで残せる読後感を意識してつくっていきました」と阿部氏は教えてくれた。
今回の企画で特筆すべきは、単なる製品プロモーションにとどまらず、夫婦間のコミュニケーション改善という社会的な課題解決にブランドが寄与しようとする姿勢です。「ハミング」というブランドの持つ「ささやかなごきげん」という価値観と、夫婦間の「ありがとう」の重要性を上手く結びつけたキャンペーン設計となっており、反響が気になります。
長期的には、「ハミング」ブランドと「夫婦間のコミュニケーション改善」というポジティブな価値観の結びつきが、消費者の心に深く刻まれることが期待されます。今後の展開にも注目していきたいところです。