Instagramは企業のマーケティング活動において欠かせないツールとなりました。しかし、フォロワー数が増えない、エンゲージメント率が低いなど、悩みを抱えている企業も多いはずです。
そこで、企業のSNS運用の支援をしているテテマーチ株式会社の十文字氏に取材を実施。Instagramで成功する為の具体的な戦略や、プロならではの視点から見たInstagram運用のポイントについて教えていただきました。
Instagramを使う人の多くは「人の行動を覗きに行きたい」
―――テテマーチ株式会社について教えてください。
弊社は2015年に創業しました。当時まだInstagramがビジネス活用されていない中で、まずはキャンペーンツールの開発というところからスタートしました。現在では、分析ツールの開発や、分析ツールで解析したビッグデータをもとにしたアカウント運用の支援など、SNSを起点にいろいろな事業を展開しています。
―――専門家から見て、Instagramと他のSNSとの違いは何でしょうか?
他の媒体と異なる特徴としては、大きく以下の3つに分けられると思っています。
- ユーザー熱量の高さ:Instagramはユーザー自身が情報を求めて能動的に情報収集をしている為、熱量が高い。
- コミュニケーション機能:DMやストーリーズのコメントなど、気軽にコミュニケーションが取れる機能が充実している。
- 投稿スタイル:Instagramはクリエイティブ中心の投稿スタイル。写真・イラストの他に動画も投稿できる。
Instagramは、自分以外の人がどういう行動をしてるのかが気になった時に、“人の行動を覗きに行く”という目的で使われるケースが多いです。例えば子育て中の方なら、今の子育てが合っているのか不安な時、他の人の子育て関連の投稿を参考にしたりします。
Instagramで今、人気上昇しているジャンルは子育てと住宅です。どちらも「失敗したくない」という気持ちが起こりやすい為、他の人の体験談などを参考にする為にInstagramで調べる人が多いのだと思います。
フェーズに合わせた指標をKPIとして設定すべき
―――運用を行う上で、フォロワー数やいいね数など様々な指標がありますが、どの指標を重要視すべきでしょうか?
指標の見方としては、ブランドのフェーズに合わせた指標の見方と、目的に基づいた指標の見方の2つがあります。
まず、「ブランドのフェーズに合わせた指標の見方」というのは、アカウントを立ち上げ、育成し、自走するという時間軸の中で見る指標を変えていく方法です。
例えば、最初のアカウント立ち上げ期には、まずは自社のアカウントを知ってもらうことが最優先となる為、どれだけ接触機会を増やすかというところがポイントとなります。その為、少しずつフォロワーさんからリアクションを得ながら、エンゲージメント数(いいね数・コメント数・保存数などの総数)を伸ばしていきます。
ある程度フォロワーさんが増えてきて安定したら、定期的に投稿を行う体制づくりをしながら、投稿がきちんとユーザーに届いているのかを確認する為に、リーチ率やエンゲージメント率を見ていきます。
KPI(重要業績評価指標)は1~2つに絞るべきだと思っています。基本的に私たちもマーケティング支援を行う際には、いろいろなKPIの数字がどうなっているか、変化を追うのですが、その時に重要視する指標はフェーズによって変わってきます。
次に、もう一つの指標の見方である「目的に基づいた指標の見方」についてです。この場合に多くの企業が目的として設定するのが「認知度向上」になります。認知度向上を目的とした場合の各指標の見方は以下の通りです。
- リーチ数:今まで自社について知らなかった人にどれだけ知ってもらえたか
- プロフィールアクセス数:自社のアカウントをどれだけ知ってもらえたか
- エンゲージメント数:ブランドの好意度をどれだけ向上させられたか
また、ECサイトへの流入を目的とした場合、ショップタブからの流入なのか、プロフィールにあるリンクからの流入なのか、といったようにどこからの流入なのかを追っていきます。
次のページ
高単価商材とInstagramの相性は◎
高単価商材とInstagramの相性は◎