アドトラック(トラック広告)とは | 広告費用や事例など
屋外広告全般を指すOOH広告の一種であるアドトラック(トラック広告)。一般に、公道を走行するトラックの荷台スペースを広告面として活用した広告宣伝車の事を指します。その派手さや人通りの多い繁華街中心に走行することもあり、街を行き交う大勢の人やドライバーにアプローチする事が出来ます。
今回は、アドトラックの持つ特徴やメリットや特徴、掲出時の注意についてまとめてみました。
アドトラック(トラック広告)とは?
ビズ男(初心者)
アドトラック、知っていますよ!
渋谷や新宿などの繁華街でよく見かけます。
結構な音量と派手なデザインを施されたトラックですよね。
ビズパ先生
その通り。実は、あれ広告媒体なんですよ!
英語では「advertising truck」といい、「アドトラック」はこの略称になります。
どのような企業に向いている広告手法かは知っていますか?
ビズ男(初心者)
派手ですもんね。
よく見るのは夜の街関係の広告やアプリ告知ですね。
あとは、最近だとステイホームを呼びかけるアドトラックもよく見ます。
ビズ菜 (ベテラン)
とにかく多くの人に告知したいと考えている企業と相性が良いかもしれませんね。
あとは、自由に走行ルートを指定できたり、広告掲載期間が細かく調整できたりするから、ピンポイントで広告を打ち出したい方に向いている広告手法じゃないですかね。
ビズパ先生
さすがビズ菜さん、その通りですね。
「休日・昼間・渋谷」のように対象を限定することで、属性やエリアの特徴に合わせて、高い精度でターゲティングを行うことができ、高い費用対効果を期待できる手法といえます。
アドトラック(トラック広告)は、トラックの荷台スペースに大きな広告を掲示し、その状態で公道を走行するOOH広告。別名、広告宣伝車や宣伝カー、ラッピングトラックなどとも呼ばれています。
例えば、人通りの多い繁華街を走行することで、周辺住民をはじめとした、街を行き交う不特定多数の方へ広告を目にしてもらうことができます。歩行者だけでなく、公道ですれ違うドライバーへのアプローチも可能です。車両に掲載した広告によるアプローチに加え、昼間は音声による拡散、夜間はライトアップによる視認性の向上が可能となっており、効率的により多くの人の注目を集めることができます。
大きさや種類が豊富
アドトラックで使われるトラックの種類にはさまざまなものがあります。
ビズ男(初心者)
アドトラックを広告として使う場合、
大きければ大きいほど注目を集められて良い気がしますね。
渋谷駅前とか人が密集している場所では、とにかく大きいほどが目立ちます!
ビズ菜(ベテラン)
確かに大きいほど目立つとは思いますが、
その分費用も高額になるので、
予算や求める規模感をよく考えた上で決める必要がある気がします。
ビズパ先生
さすがビズ菜さん、その通り。
大きさだけでなく、小さいトラックでも「目を引く画像」や「LED電球」を活用する等、目立たせる工夫を施すといった手段や演出もあります。
主なアドトラックの種類は下記の通りです。
・2トン内照式 : 全長5m程度と小型。大型では走行不可な小道も走行可能。
・4トン内照式 : 全長9m程度。トラック広告で最も一般的であり、大きな広告、音響効果で目を引くことが可能。
・40トンフィートトレーラー : 全長40フィート(=約12m)と大型。4トンタイプよりも広告面が広く、目を引きやすい。
※「内照式」とは、内部にLEDや蛍光灯などの照明を設置して、中から照らすことでコンテンツ全体をムラなく照らすこと。
その他にも、トラックの荷台をビジョンに加工して動画広告等を放映するトラックサイネージなど、一目引くようなユニークな演出も可能です。
また、アドトラック(トラック広告)に似たものとして、仮装したドライバーが複数台の車両で街を走行するアドカートや「デコレンタ」というラッピング宣伝カーもあります。ユニークで可愛いデザインの電気自動車を複数台運行することで注目を集めることが可能です。
ビズ男(初心者)
これは確かに小さくて可愛いですけど、
先ほどのトラックに比べて小さい分、広告の役割としては不十分なんじゃないですか?
これが1台だけ走っていてもあまり目立たなそう…。
ビズ菜(ベテラン)
ビズパ先生
そうですね。その特徴的な形ゆえSNSに掲載されるほか、停車時にはお客様に声を掛けていただくことが多いのが特徴です。そのタイミングを利用して、販促物をお渡しすることでより深くお客様へアプローチすることもできますね。
1日からのピンポイントで利用が可能
種類にもよりますが、アドトラック(トラック広告)は1日からの利用が可能です。そのため、ピンポイントでOOH広告の展開をお考えのお客様にオススメの広告手法となります。そのほか、1週間、2週間のように、週単位での利用も可能。
初回の制作費がかかる場合があるので、長期で実施した方が結果的にはお得な場合もあります。ただ、例えばCDのリリースなど、即時性を求められる広告の場合、1日単位のスポットで実施するケースも多くあります。
日本武道館でのライブ告知で渋谷駅近くを走るアドトラック
時間帯や場所の自由度が高いアドトラックは、エリアや時期などの要望に合わせて広告を打ち出すことが可能。トラックの走行ルートを把握できるので、他のプロモーションとミックスして展開したり、事前告知などが行いやすい点がポイントです。
ビズ男(初心者)
時期やエリアを絞れるのは良いですね。
広告を出したいと思う時期って結構バラバラだったりしますし。
お祭りやイベントなどの人が盛んに出入りする時を狙ったら効率良くPRできそうです。
ビズパ先生
そうですね。
ただし、お祭りやイベントの内容によっては車両の通行止めをしている場合や、そもそもトラック広告が出来ないケースもあるので、そこは事前に確認して実施する必要があります。
注目を集めやすく、SNSでの拡散も期待できる 目の引くような、拡散したくなるようなデザインで広告を出すことで、「バズ」(=SNSを介して口コミで話題になることを指します)を引き起こすことも可能。狙ってできるものではありませんが、SNS上で取り上げられて話題となれば、爆発的に拡散されることもあります。
また、アドトラック(トラック広告)の場合、常に人が集まる繁華街エリアを走行するため、より多くの方にリーチする事が可能なOOHといえます。
アドトラック(トラック広告)の費用
アドトラックの料金を決めるポイントには以下のようなものがあります。
・広告掲載期間
・運行時間
・運行エリア
・トラック、広告のサイズ
・ラッピング費、デザイン費
・音源製作費 ・ドライバーの人件費
・駐車場の料金
・車両の燃料費
・道路使用許可申請費
・デザイン審査済証発行手数料
ビズ男(初心者)
けっこういろいろな費用が掛かってくるんですね…。
言われてみれば、確かに燃料代も必要ですよね。
自分たちでイチから手を付けるととんでもない作業量になりそうですね。
ビズパ先生
そうですね。
ただし、これらは全て自分で行うって訳ではありません。実際は殆ど丸投げで実施可能です。
次に、アドトラック(トラック広告)のサイズ別の相場について見てみましょう。
これらに加えて、以下の費用が加わるイメージとなります。
・デザイン費 : 100,000 円 ~ 200,000 円
・音源製作費 : 30,000 円 ~ 100,000 円
・道路使用許可申請費 : 2,000 円 ~ 2,500 円
・デザイン審査済証発行手数料 : 10,000 円
※令和2年10月1日より※トラックの大きさや期間、エリアによって上記費用は変動します。
ビズ男(初心者)
アドトラックって意外と費用高いですね。
道路使用許可でお金がかかるのは知りませんでした。
まぁお金はかかりますが、派手さもあるし、多くの人にリーチは出来そうですけど…。
ビズ菜(ベテラン)
広告の代表格である「テレビCM」は流すだけでも1本数百万なんてケースも多いし、プラスで製作費が加わることもあるので、
それに比べると多くの人にリーチできる分、意外と費用対効果良かったりするんじゃないかな。
ビズパ先生
そうかもしれないですね。
「必要な場所に、必要な時間・エリアにだけピンポイントで広告を打ち出せる」というトラック広告の特徴を活かせば、ほかの広告媒体以上の広告効果が期待できるのは間違いありません。
アドトラック(トラック広告)の事例
繁華街などを走行しながら、多くのユーザーにリーチが出来るアドトラック。ここでは、その実例をいくつか見ていきましょう。
こちらは、デビュー告知のアドトラックのようです。基本的にアドトラックは看板やサイネージと違って、その場にとどまらず走行し続けます。 広告が掲載されたトラックを見つけたファンがSNSで拡散、結果的にトラックが走行していないエリアにも幅広くリーチする事が出来ます。
アドトラック(トラック広告)の規制・注意点
ビズ男(初心者)
トラック広告、とにかく目立った者勝ちだろうから、
大音量、大迫力のスクリーンで自社の広告でも流してみようかな。
とにかく派手さで勝負!
ビズ菜(ベテラン)
それ、もしかしたらトラック広告のルールに反するかも…!
トラック広告を実施する前に、法律・条例については必ず確認したほうがよいですね。
ビズパ先生
基本的に、自分が通行者の立場で「迷惑だなぁ」と感じる行為はできないと思った方が良いです。
ここでは、トラック広告の具体的な規制内容について確認していきましょう。
屋外広告物条例施行規則
ビズ男(初心者)
屋外広告物条例、何やら難しい言葉ですね…。アドトラック実施の上で何か関係してくるんですか?
もしくは、屋外で広告を出すときは、色々規則があるってことですか?
ビズ菜(ベテラン)
街の景観を損ねるデザインや、公序良俗の面で不適切な広告を使用した場合、
道路を走行する許可が下りない仕組みのことですよね。
ビズパ先生
はい、その通りです。
例えば、東京でトラック広告を行う場合は、公益社団法人「東京屋外広告協会」によるトラック広告のデザイン審査を行い、許可をもらうことで初めて道路を走行することができるようになります。
審査のポイントは下記の通りとなります。
(1) 交通安全に配慮したデザインとすること。 (2) 公共空間に相応しいデザインとすること。(3) 街区の景観に配慮したデザインとすること。 (4) 街区の賑わいに資する洗練されたデザインとすること。 (5) 年齢、性別に係らず人々に不快感を与えないデザインとすること。 (6) 社会的弱者に配慮したデザイン及び広告方法とすること。
出典 : 広告宣伝車 自主審査基準 | 公益社団法人 東京屋外広告協会
繫華街エリア等を走行するアドトラックは、大勢の人の目に止まる分、表現の成約があるケースが多くなっています。他の媒体でOKでも、屋外を走るアドトラックではNGの場合もあります。
審査期間はおよそ7日~10日間になり、合格したデザインには、「審査済証」が交付されます。この「審査済証」を持たずにアドトラック(トラック広告)を実施することは出来ません。
ビズ男(初心者)
なるほど。
しっかり審査されるんですね。
何でもかんでも掲載できるわけではないのですね。
ビズパ先生
「知らなかった」では許されないですからね。
判断に迷う場合は、まずは専門業者に相談するのが一番です。
拡声器暴走音規制条例
拡声器暴走音規制条例は、拡声機による暴騒音によって、近隣住民などに迷惑をかけることを防止する目的で制定された条例です。
「暴騒音」については、都道府県公安委員会規則で、当該音を生じさせる装置から10メートル以上離れた地点において測定したものとした場合における音量が一定のデシベル数(概ね85デシベル)を超えた場合と定義されています。
ビズ男(初心者)
なるほど。音量に関する規制があるのですね。
確かに、目立つとはいえ、ライブ会場で流れるような爆音で音楽がずっと流れていたら不快ですもんね…。
近所でやっていたら僕はクレーム出しそう(笑)
ビズパ先生
そうそう。この条例では、過剰な音量の広告で住民に迷惑をかけないことを目的にしています。
各地域によって基準が異なる場合があるので、詳しくは各自治体の情報を事前に確認して見てくださいね。
ビズ菜(ベテラン)
広告の目的は、顕在的または潜在的なお客様に知ってもらうことですが、迷惑行為をしてまで認知を広げても、不快な思いをされて終わることになりそうですからね。
アドトラック(トラック広告)の媒体例
アドトラック(トラック広告)まとめ
今回紹介した通り、トラック広告はオフライン広告の中でも比較的自由度の高いOOH広告となっています。代表的な広告メディアであるテレビや新聞などと比べると、リーチできるお客様の数は限られますが、地域や時間帯などの自由度から客層を絞ることが可能といったメリットがあります。
トラック広告を成功させるためには、各車種の特徴を把握するとともに、ターゲットとなる客層を明確にした上で出稿を決定することが重要です。本記事を参考に、トラック広告を検討されてみてはいかがでしょうか?