Instagram広告とは
ユーザー数増加が止まらないInstagramは、ビジネスの場としても注目度が急上昇しています。
特に、視覚的に訴求できる広告フォーマットが豊富な「インスタ広告」は、商品やサービスの魅力を効果的に伝え、潜在顧客へのアプローチに最適です。
Instagramの利用者数
Instagramの日本の利用者数は、既に4000万人を超えていると推測(参照:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』)されています。
年代別に見ると10代、20代の利用率が70%を超えており、若い世代にとってはX(Twitter)に並び、日常的に利用されているSNSであるといえます。
ただの写真投稿サイト、という認識はもう古い
Instagramというと、「個人がプライベート写真を投稿するSNS」というというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけの認識だと少し古いかもしれません。個人だけではなく、お店や法人アカウントからの投稿も非常に増えています。
また、投稿される内容も写真以外に、動画や24時間で自動的に削除されるストーリーズ、リールと呼ばれる短尺の動画、ライブ配信まで可能です。
情報収集ツールとしての利用
かつてはネットで情報収集する方法としては、GoogleやYahooなどの検索エンジンで検索するのが一般的でした。「とりあえずググっとけ」という言葉が流行したように、Google先生に聞けば大抵のものが見つかると言われてきました。そんな情報収集=検索エンジンという図式が変わりつつあります。
・Instagram等のSNSにインデックスされた情報の量が一定の水準を超えてきたこと
・文字の羅列ではなく画像の一覧が表示されるので、視覚的に興味がある内容(投稿)を判断しやすい
といったことから、若い世代を中心に情報収集の場がSNSに移行しつつあります。
おしゃれなカフェや写真スポットを探す、といった行動は比較的イメージしやすいですが、例えば名古屋出張先で仕事終わりにひつまぶしが食べたい!といった場合も「#名古屋ひつまぶし」で検索し、美味しそうな写真や動画からお店を見つける、といったシーンはよく見られる光景になっています。
出典:LINEリサーチ
行動喚起されやすいメディア
また、Instagramを始めとしたSNSは、商品・サービスの購入にあたって参考にするメディアは?といったアンケートでも上位にランクインします。なにか商品・サービスを購入する際、企業が提供する情報だけで買うか買わないかと決める人はもはや少ないのではないでしょうか。
企業が自身のサービスを紹介する際、いい面しか言わない(いわゆるポジショントークになる)のに対して、レビューなどユーザー生成コンテンツ(UGC)と言われる、実際に使用したユーザーによる情報提供のほうが、より信頼できる情報として認識されています。
実際のアンケートを見ても、SNS、特にInstagramを参考にする人が多く、企業にとってはもはや無視できない存在になってきている事がよくわかります。
インスタ広告にオススメのターゲット
Instagramはユーザー数が多く、商品サービスの購入に際して重要な情報源になっていることはご理解いただけたと思いますが、以下のような疑問をお持ちの方は、まだ一定数いらっしゃるのではないでしょうか。
若い女性にしか効果がない?
Instagramのユーザーの特徴として、若い女性ユーザーが多いというイメージをお持ちの方は非常に多いと思います。実際のアンケートデータを見てみても、他のSNSと比較しても女性ユーザー比率が高く、前述の年齢分布でも10代20代の利用率が高いので、Instagramの象徴といえば若い女性、というのは間違いないと思います。
ただ、男性ユーザーが少ないのか、30代以上のユーザーはいないのか、というとそんな事は全くありません。Instagramの全利用者数は国内に4,000万人と推定されますので、1600万人の男性ユーザーが存在します。また、40代の利用率は40%、50代の利用率も30%あります。3人に一人が使っているサービスって凄くないですか?
比率的に少ないと言っても、もはやInstagramほどの巨大なSNSサービスとなると、利用している人数は多く、企業にとって無視していいレベルでは無いことがわかります。
※総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』を元に弊社作成
BtoCには有効だけど、BtoBには向かない?
また、広告出稿という観点で見る時によく言われるのが、「インスタはBtoCにはいいけど、BtoBは厳しいよね?」という意見です。これも性別によるイメージと同様ですが、BtoBのターゲットとなる決裁権者のユーザーもInstagramは多数存在します。インスタ広告の特徴の一つに、優れたターゲティング設定があります。Facebook同様に、Instagramでは実名はもちろん、勤務先の会社名や役職なども登録しているケースが多く、ビジネスのターゲットにマッチする人だけに広告配信することができます。
また、インスタ広告にはリード獲得を目的とした広告メニューがあります。これは会社名や担当者名といった、取得したいリード情報を設定し、Instagram内に入力フォームを設置することで、一旦LPに遷移させることによる離脱を防ぐことができます。セミナー申し込みやホワイトペーパーのダウンロードといった施策で活用している企業も多く、成果が上がりやすい広告フォーマットとして人気があります。
インスタ広告の種類
目的別分類
インスタ広告は、大きく分けて2つの目的で利用されます。
フォロワー獲得
一つは自身のインスタアカウントのフォロワー数を増やすための広告です。といっても、Instagramにフォロワー獲得に特化した広告メニューがあるわけではありません。
広告に表示させるボタン(CTAボタン)を設定する際に「フォローする」を選択し、リンク先をアカウントのURLに設定します。広告からの誘導先がアカウントページになるので、広告配信前までにしっかりと魅力のあるアカウントを作成しておくことが必要になります。
認知・コンバージョン獲得
もう一つは商品の購入やイベントの予約などのコンバージョンへの誘導を目的とした広告です。一般的なWEB広告によくあるスタイルなので、こちらはイメージしやすいと思います。
予め用意しておいたLP(ランディングページ)にリンクするのが一般的ですが、会社名や担当者名といった欲しいリード情報を設定しておき、LPに遷移することなくInstagramから直接フォーム送信させることもできます。
配信面
フィード
フィードはInstagramの基本となる機能で、フォローしているアカウントの投稿が表示される場所です。通常の投稿と同じように閲覧できるため、認知度やクリック率を高めるのに効果的です。フィード広告には画像のみで構成される「画像広告」、動画のみで構成される「動画広告」、複数の画像や動画を組み合わせた「カルーセル広告」の3つのフォーマットがあり、PRしたい商品・サービスに合うものを選んで掲載することができます。
ストーリーズ
ストーリーズは投稿してから24時間以内に自動的に削除される投稿形式です。投稿者の日常(気軽な投稿)を楽しめる機能として、今やフィードを超える人気のある機能です。こちらもフィード広告同様、ユーザーが通常のストーリーズと同じように閲覧できます。ストーリーズ広告は、静止画広告と動画広告の2つのフォーマットから選択できます。
発見タブ
発見タブ広告とは、ユーザーが興味や関心に基づいて表示されるコンテンツの中に表示される広告のことです。アプリの虫眼鏡タブをクリックすると表示されます。ユーザーが積極的に新しい情報を探している状態で表示されるため、アクティブなユーザーに対して広告配信できます。
リール
リールは15秒の短い動画コンテンツで、ユーザーがクリエイティブな方法でストーリーを共有できる機能です。アプリの再生マークのタブをクリックすると表示されます。広告はリールの間に表示され、ユーザーがリールを閲覧しているときに挿入されます。リール広告はクリエイティブで注意を引くことが重要です。
ショッピング
インスタグラムのショッピング機能では、ユーザーが商品を購入できるようになっています。ショッピング機能は投稿やストーリーズなどのコンテンツ内で製品をタップして詳細を表示することができます。広告は、商品の投稿やストーリーなどで表示され、ユーザーが製品を見ているときに表示されます。製品の写真や説明が魅力的であることが重要です。
クリエイティブの参考は広告ライブラリで
いざインスタ広告のクリエイティブ作成をする際に、気になるのが他社(特に競合)がどのようなクリエイティブで出稿しているかです。これについては、運営元であるMETA社が公式に出稿事例を公開しています。
キーワード検索で競合の会社名などで検索し、フィルターでプラットフォームを「Instagram」で絞り込むことで、インスタ広告の事例を確認することができます。フォーマットも画像や動画などで絞り込めるので、他社事例の参考に非常に役立ちます。
インスタ広告の費用、課金体系
インスタ広告の課金体系は、以下の4つに分類されます。
CPM(インプレッション課金)
CPMとはCost Per Mille(コスト・パー・マイル)の略で、広告が1000回表示された場合の費用を指します(マイルはラテン語で1,000を表します)。インスタ広告のメインとなる課金体系で、クリックよりも画像や動画を閲覧してもらうことでの認知度アップを狙う場合には有効です。
平均的なCPMは500〜1,000円程度となります。
CPC(クリック課金)
CPCとはCost Per Click(コスト・パー・クリック)の略で、広告を1回クリックされた場合の費用を指します。広告が表示されるだけでは課金がされないので、認知度アップよりも会員登録や資料請求などのコンバージョンを重視する場合にオススメの課金体系です。
平均的なCPCは50〜120円程度となります。
CPV(動画再生数課金)
CPVとはCost Per View(コスト・パー・ビュー)の略で、動画広告を1回再生された場合の費用を指します。動画をクリエイティブとして利用する場合にオススメの課金体系です。
平均的なCPVは5〜8円程度となります。
CPI(アプリインストール課金)
CPIとはCost Per Install(コスト・パー・インストール)の略で、アプリが1件インストールされた場合の費用を指します。実際にアプリがインストールされなければ課金されないので、費用対効果が読みやすい課金体系ですが、その分他の課金体系よりも単価は高めになりがちです。
平均的なCPIは100〜300円程度となります。常に上記の課金方法のいずれかを選択できるのではなく、広告出稿時に選択する「広告の目的」別に選べる課金形態は異なります。
インスタ広告の成功事例
パナソニック株式会社
日本の大手家電メーカーであるパナソニックは、高級トースター「オーブントースター ビストロ」の新モデルを発売する際に、機械学習に基づいたクリエイティブ分析ツールである「ガンマシグナル」を利用し、最適なクリエイティブを用いたフルファネルのキャンペーンを実施。その結果、旧モデルと比べて売り上げが2倍に増加しました。
株式会社ツヴァイ
結婚相手紹介サービスの新規会員獲得のため、Instagramストーリーズ広告を活用し、資料請求を促すことにしたツヴァイ。ストーリーズのカルーセル広告を使用し、広告のストーリー性を高めることで、より効率的に資料請求サイトへのトラフィックを増やすことに成功しました。
まとめ
以上、Instagram広告の概要をご説明しました。
Instagramは日本国内に約4,000万人のユーザーを誇り、メッセージツールとしての利用が多いLINEを除けば、国内で最もユーザー数が多いSNSです。Instagram広告を出せばFacebookの広告も同時に出せることからも、SNS広告の中で何から始める?と迷ったら、とりあえずInstagram・Facebookからスタートするのも良いのではないでしょうか。
社内にリソースがある企業の場合、月に10万程度の予算であれば、仕組みを知るうえでまずは自社運用でからスタートしてみるのがオススメです。月の予算が10万円を超え、様々なクリエイティブをA/Bテストしていきたい、といったフェースに入ったら、Instagram広告の運用に強い広告代理店に依頼するのもいいでしょう。