電車広告の代表格とも言える中吊り広告。車内に宙ぶらりんに吊り下がったポスタータイプの広告で、車内のどこにいても目に入る、視認性に優れた広告です。スマートフォンを見るのも難しいような満員電車では、もう中吊りを見るしか無い状況になることも。
また、通常は2~3日の短期掲出となりますので、雑誌の最新号やイベントの告知など、タイムリーな情報発信に適しています。
中吊り広告のサイズ
中吊り広告のサイズは、どの鉄道会社も共通してB3サイズ(縦364mm×横515mm)となります。横並びに2つ掲載可能で、一つだけの場合はシングル、2つ分のスペースを使う場合はワイドと呼ばれ、ワイドはB3の2倍のサイズになります(縦364mm×横1030mm)。
ポスターの上部は、中吊り広告を設置する際の取り付け部分(「くわえ」と呼ばれることもあります)で隠れますので、30mm~40mm分はスペースを確保してデザインする必要があります。また、基本的に下から見上げるメディアになりますので、商品・サービス名称はクリエイティブの下側に配置するに持ってくる傾向が強いです。また、印刷面は片面のみとなります。裏面は別の枠になっているため、表裏で掲載したい場合には、2枠分購入の上、片面刷りのポスターをそれぞれ納品する必要があります。
中吊り広告の掲載期間
中吊り広告の掲載期間は2~3日間というのが基本です。1週間や2週間のメニューもありますが、基本的には短期利用が前提になります。
掲載開始日は曜日で指定できる場合が多く、月曜から木曜までのスタートなら2日掲載、金曜スタートの場合は3日掲載などの違いがあります。細かなルールは電鉄によって異なりますので、実施の際は事前確認が必要です。
中吊り広告の効果
では、実際中吊り広告にはどれくらいの効果が見込めるのでしょうか。JR東日本企画がまとめた広告到達率データによると、中吊り広告の到達率はシングルサイズで47.1%。ワイドサイズだと50.1%の人が、掲載期間内に対象広告を「見た」「見たような気がする」と回答しています。
また、広告到達者のうち、対象広告の商品・サービスを「とても買ってみたい(利用したい)」「やや買ってみたい「利用したい」と回答した割合は、シングルサイズで42.9%、ワイドサイズだと47.5%となっています。訴求される商品・サービスがタイムリーなものである事も大きいとは思いますが、他の電車内広告と比べても高い数字になっています。
メディアのイメージに関するアンケートでも、中吊り広告は「話題やネタになる」と回答した方多く、13.2%となっています。まど上が4.4%、ドア横が5.0%何に比べても高い数字で、「中吊り広告には旬のネタが載っている」というイメージが強いことが数字でも証明されています。
参考:https://www.jeki.co.jp/transit/mediaguide/data/pdf/MD_000-073.pdf
中吊り広告の価格
中吊り広告の価格は、掲載期間やサイズ(シングル・ワイド)、路線によって大きく異なります。JR東日本の首都圏全線に2~3日シングルサイズを掲載する場合は約400万円程度かかりますが、電鉄・路線によっては数万円程度から実施できるメニューもあります。
京浜東北線・根岸線を例に取りますと、1週間の延べ乗車人数が約1500万人。シングルサイズで47.1%の人に認識されるとすると、延べ700万人程度にリーチ出来ることになります。京浜東北線・根岸線の1週間の中吊りシングルサイズの価格は約100万円なので、リーチ単価は約0.14円。延べ人数であることを考慮しても、悪くない数字ではないでしょうか。
中吊り広告に多い商品・サービス
冒頭でも触れましたが、週刊誌や月刊誌といった雑誌との相性は抜群です。女性週刊誌の過激な見出しについつい目が行ってしまうという方も多いのではないでしょうか。掲載された雑誌は駅構内の売店で販売されているケースも多く、購買への直接的な動線としても有効です。
路線を限定して掲載が出来ますので、エリアに特化した不動産の案内や、地域のイベント告知もよく見られます。また、交通広告の持つ信頼性の高さから、ブランディングを目的として利用されるケースも増えてきています。
中吊り広告の事例
スマホゲームのイベント案内です。スマホゲームと車内広告の相性は元々良いですし、短期集中でPRしたい場合には中吊り広告がぴったりです。
ワイドサイズのインパクトを最大限に活かした中吊り広告。ブランドイメージの浸透や、信頼感の向上にうまく利用されています。
まとめ
電車広告で最も知名度のある中吊り広告。2、3日の短期実施が可能な分、速報性の高い情報やニュース、週刊誌等の雑誌広告はもちろん、知名度アップを狙った企業広告までそのニーズは様々。
デザイン次第で車内のどこにいても目に入る、視認性に優れた広告とも言えるでしょう。特に朝・夜の通勤ラッシュによる満員電車内では、もう中吊りを見るしか無い状況になることもあります。
認知性も高く、注目度の高い中吊り広告を電車広告の第一歩として検討してみてはいかがでしょうか。
つり革広告やドア横ポスター広告など、中吊り広告以外にも幅広く電車広告をお探しの方は、下記ページからチェックしていただけます。
首都圏の駅、電車広告をほぼ全て網羅した交通広告料金表もございます。併せてご覧ください。>2021年度版 交通広告料金表