アドクロ編集部がお届けする2024年10月28日週の大阪梅田OOHレポート。今週、大阪駅・梅田駅周辺で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOHレポートはこちら。
Topics①:特別展「浄土宗と極楽浄土」の広告
阪急大阪梅田駅で展開された、京都国立博物館で開催される「浄土宗と極楽浄土」という特別展の広告です。
広告全体は白を基調とし、中央に配置された円形の金色の仏画が視覚的な焦点となっており、その周りに配置された複数の仏像のシルエットが展示内容を視覚的に表現。クリエイティブ内には日本語と英語(PURE LANDなど)が表記されており、訪日外国人の方など国際的な来場者も意識した構成となっていました。
Topics②:大江戸温泉物語×湯快リゾートの広告
JR大阪駅で展開された大江戸温泉物語と湯快リゾートの広告です。
広告のメインビジュアルは、和風建築の温泉施設の内観写真で、木の柱や障子などの伝統的な和の要素が印象的です。大きな窓からは自然光が差し込み、くつろぎの空間を演出しています。
デザイン全体としては、落ち着いた色調と余白を効果的に使用しており、温泉旅行のリラックスした雰囲気を視覚的に表現していました。
Topics③:TUMIの広告
JR大阪駅で展開されたTUMI(トゥミ)のポップアップストアを告知する広告です。
"19 DEGREE POP-UP AN EVOLUTION IN TRAVEL"というタイトルで、新しいコレクションを紹介しています。
広告は駅構内の複数のサイネージに掲載されており、通路を歩く人々の視線の流れに沿って展開されています。シンプルなグレーを基調とした背景に、黒と白のスーツケースが配置され、洗練された高級感のあるデザインとなっています。大理石調の壁面と広告のモノクロ調の色使いが調和し、駅構内の空間デザインとも美しく融合しているようでした。最小限の要素で最大限の印象を与える、スマートなデザインでした。
Topics④:アークナイツの広告
JR大阪駅で展開されたモバイルゲーム「アークナイツ」の広告です。
駅の柱を活用した大型の広告展開で、複数のキャラクターが連続して展示されています。広告デザインは、各キャラクターを柱の面に合わせて大きく配置し、暗めの色調をベースにしたイラストが特徴的です。
各キャラクターは独立して魅力的でありながら、全体として統一感のあるデザインとなっています。全体的に洗練された雰囲気を保ちながら、ゲームの魅力を空間全体で表現している広告でした。
Topics⑤:UBE株式会社の広告
JR大阪駅で展開されたUBE株式会社の企業広告です。白いシンプルな服装の女性を中心に、周囲にカラフルなグラフィック要素を散りばめた明るい印象のデザインとなっています。
企業広告でありながら硬くなりすぎていない親しみやすい表現です。白を基調とした清潔感のある画面構成の中に、化学企業であることを表現する分子構造のようなモチーフや、花や植物のイラストなどをポップな色使いで配置することで、企業の先進性と親しみやすさを両立させています。
色使いや構図のバランスが良く、駅構内という公共空間においても違和感なく、むしろ空間を明るく演出する効果も持ち合わせています。
Topics⑥:iPhoneの広告
大阪駅地下の東西通路で展開されたiPhoneの広告です。先週に引き続き東西自由通路をジャックする形で展開されていました。
デザインの特徴として、暗めの背景に青や白のネオンのような発光表現を用いて、製品の先進性や高級感を演出しています。
全体を通して、暗い背景と光の対比を効果的に使用することで、製品の先進性やプレミアム感を強調しています。また、auのブランドロゴも控えめに配置されており、キャリアとメーカーの協調した広告展開となっていました。
編集部から一言
今週注目すべき事例として、UBE株式会社の企業広告が挙げられます。
従来の無機質になりがちな企業広告の概念を覆し、白を基調とした清潔感のある画面構成に、カラフルなグラフィック要素を効果的に配置することで、化学企業としての専門性と親しみやすさを両立させていました。
特に、分子構造のモチーフと花や植物のイラストを組み合わせた表現は、企業の事業内容などのメッセージを視覚的に表現しており、企業広告として興味深い展開でした。
また、TUMIの広告もサイネージで展開された広告が、サイネージ柱の大理石調の壁面と上手く調和し、空間全体をブランドの世界観で包み込んでいたように感じます。高級ブランドとしての洗練された印象を強化していました。