【寄稿】ChatGPTの登場でオフライン広告出稿はより身近になっていくのか?

世界中で話題になっている「ChatGPT(チャットGPT)」。最近よく耳にするなと感じている方も多いと思います。
対話型の言語モデルを搭載したAIチャットツールで様々な利用用途があることは知っているものの、実業務でどう活用したら良いかイメージがつかないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はご自身で広告運用者向け技術ブログ「PPC-LOGも執筆していらっしゃる株式会社キーワードマーケティングの川手遼一様にオフライン広告出稿にあたってChatGPTをどのように活用できるか、またどのようなことに気を付けたら良いかについて解説いただきました。


「どんな広告を実際に制作・掲載すればいいのか分からない」

「そもそも広告枠を探すのが大変...」

「問い合わせをして情報を整理するのが大変」

オフライン広告を出稿しようと思っても実際に何から手をつければ良いのか分からない、意外とそんな方は多いのではないでしょうか。


例えば、広告の検索・比較サイト「BIZPA」を使えば、自社商材と相性の良い広告枠を調べたり、気になる広告枠や媒体の掲載費などを効率的に調べることができます。


しかしそれでも依然として担当者にかかる負担は大きく、例えば下記のような点は未だにどうしても担当者の方の負担が大きくなってしまいがちです。
  • 社内稟議を通すための提案書作り
  • 掲載に最適な広告枠やオフライン広告の選定
  • キャッチコピー案の作成
  • オフライン広告を作るうえで工夫すべき点の確認
  • 効果計測方法に関する相談
  • 効果定な広告の組み合わせに関する相談

特に広告代理店などに頼めないような小規模予算で広告出稿を検討されている経営者の方、広告担当の方が頭を悩ませているケースは多いのではないでしょうか。


本記事ではこれらの悩みの一部を、最近話題の ChatGPT を用いることで、どのように解決することができるかについて解説していきます。

質問(プロンプト)について
本記事では一部 ChatGPT に実際に使用した質問(プロンプト)をテキストでテンプレートとしてご用意しています。ぜひご自身でChatGPT 使用される際にご活用ください。

オフライン広告の難しいポイント

前述した通り、オフライン広告の出稿開始準備・出稿後に関して、以下のような点はネックとなりがちです。
  • 社内稟議を通すための提案書作り
  • 掲載に最適な広告枠やオフライン広告の選定
  • キャッチコピー案の作成
  • オフライン広告を作るうえで工夫すべき点の確認
  • 効果計測方法に関する相談
  • 効果定な広告の組み合わせに関する相談

しかし、これらのネックポイントも ChatGPT を用いることでかかる負担を軽減する事が可能です。

1.社内稟議を通すための提案書作り

社内で「広告を出稿しよう」となった際、まずは社内稟議を通す必要があるケースも多いのではないでしょうか。過去に実績があればそれをテンプレートとして使うのもありですが、紛失してしまっていたり、そもそも出稿実績がない場合、一から納得感のあるものを作り出す必要があります。

そういった際は、率直に ChatGPT に頼ってみるのも良いかもしれません。


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現在社内でオフライン広告を出稿しようという動きがあり、上長に掛け合うために稟議書を作成しています。稟議書に最低限必要な項目としてどのようなものが考えられますか?教えてください

実際に ChatGPT に確認したところ、下記のような要素が必要であると提示してくれました。
  • タイトル
  • 提案者(申請者)
  • 日付
  • 目的
  • 対象媒体
  • 広告内容
  • 出稿機関
  • 出稿エリア
  • 予算
  • 効果予測
  • 進捗管理・評価方法
  • 添付資料

またChatGPTの優れている点は、その場で疑問に思ったことをそのまま質問することができるという点です。疑問に感じたことであったり、率直に思ったことを伝えてみると良い答えが得られることも多いのではないでしょうか。
例えば費用の内訳についても確認すると、次のように回答してくれます。

また現在の稟議書の項目について、追加であった方が良いものを求めるとこちらも最適な回答を提示してくれました。
このように ChatGPT は質問を投げかけることで答えを提示してくれますが、さらに深い質問にも回答してくれます。このような形で気になった点は質問を投げかけていきましょう。

2.掲載に最適な広告枠やオフライン広告の選定

次に、最適な広告枠や広告媒体の選定も ChatGPT に尋ねてみます。ChatGPT 側で最適な回答を提示できるように、ビジネスに関する情報を最低限提示します。


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今回はオフライン広告の出稿だけ話が進んでいて、具体的にどの媒体が良いのか、どのような広告枠が良いのかという点について話が詰めきれていません。下記にてビジネスの情報をお伝えしますので、代わりに最適なオフライン広告の種類、広告枠を提示してもらえませんでしょうか。

  • 予算:年間○○万円
  • 期間:○○ヶ月
  • 期日:○○○より広告掲載開始
  • 商材:○○○
  • 最寄駅:○○○駅(徒歩3分)
  • 実際に複数候補と、それらの候補を選定した理由について提示してくれました。今回は例として「駅やバス停周辺の看板広告」の中から「駅貼りポスター(広告)」に絞り、話を進めてみましょう。

    3.キャッチコピー案の作成

    ChatGPT はクリエイティブな作業の得意で、こちら側が求める条件さえ提示すればある程度のものは即時生成してもらうことが可能です。


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    "○○○広告内に表記するキャッチコピーの案を複数考えてみてほしいです。短めの文章でサービスの特性とマッチするものの作成をお願いしたいです。

    また生成されたものに対してリクエストをすると、即時にそれらも反映した上でキャッチコピーを生成するなども可能です。


    そしてこれは ChatGPT を用いてキャッチコピーを生成する最大のメリットでもあるのですが、とにかく数を出すことができます。ものの1-2分程度で10個程度のキャッチコピーを生成することが可能です。

    実際にキャッチコピーを決めていく作業は制作会社の方と擦り合わせながら行なっていくような形になるとは思いますが、ChatGPT を使えば十分話し合う際に役立ちそうな素材となるようなものを事前に用意しておくことは可能になるのではないでしょうか。


    4.オフライン広告を作るうえで工夫すべき点の確認

    また広告を作る上での要点や工夫すべき点についても、ChatGPT に質問することで事前に明確化しておくことが可能です。
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    今回は○○○広告を出稿予定なのですが、広告上でメッセージを伝える上で工夫しなければならない点、訴求することで有効性が増す点について箇条書きで挙げてください。

    こういったポイントも、実際に制作会社とやりとりを進めていく中で方向性にブレが出来てきたり、そもそも何が広告において重要なのかといった点につまずいたりした際に確認することで後々救われることも多いようなところとなってきます。


    5.効果計測方法に関する相談

    広告を掲載する以上、広告の効果は完全とは言えないまでも計測したいというケースが多いはずです。手法についても、ChatGPT に質問することで最適な方法を複数提示してくれます。


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    広告の効果計測方法についても教えてほしいです。例えば実際に広告を見た人から予約があった場合、どのようにすれば広告効果があったと判断することができるようになるでしょうか。教えてください。一部 ChatGPT に実際に使用した質問(プロンプト)をテキストでテンプレートとしてご用意しています。ぜひご自身でChatGPT 使用される際にご活用ください。

    例えば、「オンライン予約フォームの広告経由フィールド」がよくわからない場合は、下記のように深掘りした質問を投げかけてみることで、より理解を深めることができます。



    6.効果的な広告の組み合わせに関する相談

    最後に、今回は駅ポスター広告(駅貼りポスター)を展開することに決めましたが、他の広告も並行して展開することで良い効果を生み出せないかについても確認をとりましょう。実際に投げかけてみたところ、かなりしっかりとした回答が得られています。


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    今回であれば○○○広告を一定期間掲載するのですが、どのような広告と組み合わせると広告効果はさらに増しそうでしょうか。オンラインオフライン問わず、最適な広告の候補を3つ、優先順位が高い順に教えてください。

  • 広告掲載の目的:新規顧客の獲得、駅貼りポスター広告との相乗効果最大化
  • 予算:別途月○万円以内

  • 回答の中でも抽象的な点や、気になった点は深掘りして質問してみましょう。例えば「地域密着型のSNS広告」について詳細を求めたところ、的確な回答を得る事が出来ました。

    下記図のように、質問することでさらに詳細情報を提示してもらうことも可能です。



    ChatGPT を利用する上で注意したい3つのこと


    ここまでで説明した通り、大変便利な ChatGPT ですが扱う上で注意すべき点が3つあります。

    1.広告上のルールに抵触しないようにする

    広告にはさまざまなルールや法的な制約があり、広告掲載をする以上それらを守った上で掲載する必要があります。代表的なものは下記の通りですが、特に広告を実際に掲載する際は自社の商材固有の該当するルールなどもないか、念の為一度調べるようにしておくと良いでしょう。
    • 屋外広告物条例
    • 不当景品類及び不当表示防止法(景表法)
    • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)

    2.ChatGPT は自然と嘘をつくことがある

    hatGPT は質問に対しても、極めて淡々と回答しますがその一方、実は回答が正しくないといったことも珍しくありません。下記記事でも説明している通り、少しでも違和感があれば回答の根拠の提示を求めましょう。


    例えば「6.効果的な広告の組み合わせに関する相談」にて取り上げた ChatGPT とのやり取りの中には誤った情報が含まれていました。その点を指摘すると、ChatGPT は訂正を申し出ました。


    このように、ChatGPT は非常に自然と嘘をつきます。そのため、ChatGPT とやり取りをする上でも最低限の知識は必要となってきます。

    また ChatGPT が嘘の回答をしたとしても、それを人間がそれを鵜呑みにして話を進め、実際に損害が発生した場合は基本的には人間の責任となります。そのため必ず ChatGPT に任せ切るのではなく、人間が責任をもってアウトプットされたものの真偽を確認するなど、管理を徹底しましょう。


    3.ChatGPT は常に安定して使用できるわけではない

    ChatGPTは常に快適にアクセスできるわけではなく、時間帯によってはアクセス制限の対象になってしまうほか、質問を生成し続けると利用制限の対象となってしまうことも珍しくありません。

    どうしても常に快適に利用したい場合は、有料ユーザーになることも視野に入れると良いかもしれません。月額20ドルの有料ユーザーになることで、より高精度な ChatGPT を常に使いたい時に使用できるようになりますし、最新のモデルを利用することができるようになります。



    最後に

    本記事では ChatGPT についてこれまで解説してきましたが、実際にオフライン広告を掲載する場合も ChatGPT を使用することで、出稿までの負担を軽減することが可能です。

    1.ChatGPT をうまく使いこなして、より良い広告を掲載を

    今回は新規広告出稿される方向けの内容となっていますが、実際にすでに広告を掲載されている場合においても、ChatGPT を使うことで効率的に掲載中の広告の文言をブラッシュアップしたり、ゼロベースで考え直すといったことも可能となるはずです。


    2.実際に広告掲載する場合は注意が必要

    実際に駅貼りポスター広告を出稿する場合、掲載前にデザインの審査があったり、制作したポスターを印刷して納品するという工程も発生します。

    またChatGPT が示している項目以外にも対応が必要な項目が生じるケースも想定されるほか、審査がなかなか通らないなどのイレギュラーも発生する可能性も高いため、余裕を持ったスケジューリングが必要となってきます。


    3.ChatGPT の登場でオフライン広告出稿はより身近になっていくのか?

    本記事を最後まで読んでくださった方ならお分かりの通りかもしれませんが、オフライン広告の出稿までに発生しうる様々な障害、そしてそれらによって生じる様々な負担は ChatGPT を用いることで一部ではあるものの実際に軽減する事が可能です。

    実際に負担が減れば、これまでオフライン広告に興味を持ったり、実際に広告掲載してみたりと広告に触れ合う機会が増える方も多いのではないでしょうか。そういった意味でもより身近なものに感じられるようになる方は増えていくはずです。


    4.それでも困ったら「ビズパ メディアプランサポート」へ

    ChatGPTを用いることで負担は減るものの、しかしそれでも広告掲載までに不安事項があったり、広告枠や広告媒体について1人で悩み込んでしまうといったケースもあるのではないでしょうか。

    もしそういった状況に陥ってしまうようであれば、ぜひ「ビズパ メディアプランサポート」をご利用ください。


    「ビズパ メディアプランサポート」を利用する事で、目的や予算、エリアなどの情報を伝えると2万以上の広告データから厳選し最適な広告プランを、オフライン広告のプロから提案してもらうことできます。
    料金は一切発生せず、あくまで提案されるだけで売り込まれるといった心配もないため、ぜひ気軽にご利用ください。