【状況別】キーワードプランナーの使い方ガイド

Googleの提供する便利なツールの1つであるキーワードプランナー。
広告運用者やSEO担当者であれば一度は聞いたことのある名前だと思います。

調べたいキーワードのボリュームやリスティング広告を出稿する際にどれくらいのライバルがいるのかを把握することができるため多くのマーケティング担当者に重宝されているツールです。

そんなキーワードプランナーですが、今回はどういう状況で使用するとより便利になるのか、について初心者の方向けに解説をしたいと思います。

キーワードプランナーの基本の使い方

どういう状況でどのような使い方をすればいいのか、その前にキーワードプランナーの基本的な使い方から簡単にご紹介します。

広告出稿の際のキーワード候補の選定

キーワードプランナーを使う上でおそらく1番使い方としてメジャーなのがこのキーワード候補の選定に使う場合です。

リスティング広告を出稿するうえで1番重要になるのがキーワードの選定です。
気になるキーワードの月間平均検索ボリュームや競合性、広告を出す際の入札単価の目安を知ることができます。


例えば、今回はシンプルに「マーケティング」という単語のみで登録をしてみました。
「マーケティング」単体で見たときの月間平均検索ボリュームや3か月の推移、競合性や入札単価まで表示されています。

それ以外にも「マーケティング」に関連するキーワードがおすすめとして表示されているため、これまで予想していなかったキーワードに出会えることもあります。

上記画面の右上あたりにある「表示項目」より確認したい指標を自由に選択することができるため、状況に応じてカスタマイズすることをおすすめします。




予測データの確認

キーワードプランナーでは設定したいキーワードの予測データも確認することができます。
通常のキーワード候補の確認では出なかった「費用」「CPA」「クリック数」「表示回数」などの予測数値が見れるため、よりキーワードの詳細について知ることが可能です。

予測データの確認方法ですが、左のメニューよりキーワードプランナーを選択いただき、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリック。
その後リサーチしたいキーワードを入力し、上部タブの「予測」をクリックすることで確認が可能です。




実際の予測データ画面は上部のようになります。

赤線で引いている「コンバージョン率」の部分は、基本的には過去の運用実績を見て自動で設定をしてくれます。
もし、より高いコンバージョン率を計測できそうな場合や低くなりそうな場合は手動で設定を変えることも可能です。
コンバージョン率を起点にどれくらいのコンバージョン数やCPAになるのかテスト的に見ることができるため、検討しているキーワードを改めて調べてみるのもいいでしょう。

状況別での使い方


新製品やサービスのリリース

新しいサービスや製品をリリースする際、ターゲット市場の関心や需要を理解し、関連するキーワードを把握するためにキーワードプランナーを活用します。
例えば、SNSの運用代行事業を新しくスタートさせたいとき、
「SNS 運用代行」
「SNS 運用 代理店」
などのキーワードが思い浮かぶと思います。

しかし、SNS系のキーワードがこれまで広告を出したことのない領域の場合、おおよそのクリック単価やCPAなどは把握できていないことが多いため、予算を組む際に必ず焦点が当たる箇所になります。

実際に調べたところ、「SNS 運用代行」の場合の入札単価は94円〜490円となっています。
そのため、1クリックあたりの単価は高くても500円と計算ができるため、これをもとに予算組みや実際にキャンペーンを作る際の入札戦略に役立てることが可能です。




季節イベントやセールスプロモーション

季節的なイベントやセールスプロモーションの際には、需要が高まる可能性があります。キーワードプランナーを使用して、その時期に最も効果的なキーワードを特定し、競争の激しい状況でも広告の最適化を行うことが可能です。
例えば、1〜3月に入学や入社に関する商品を取り扱っている場合は競合も同じキーワードで広告を出稿していることが予想されます。
しかし、その商品にとっての繁忙期にもなるため普段は広告を出稿していない企業も出稿す
る可能性が高まり、クリック単価の上昇もあり得ます。

「お花見」というキーワードを調べた時の月別のボリュームの数



キーワードプランナーではそういった時期による単価の上下も予測で出すことが可能なので、競合がまだ取れていないキーワードの発掘や競合の動き方を見てマーケティング戦略そのものを見直すきっかけにもなるでしょう。

地域や言語のターゲット設定: 

特定の地域や言語に広告をターゲット設定する場合、その地域や言語に関連するキーワードのリサーチが必要です。キーワードプランナーを使用して、地域や言語に適したキーワードを見つけ、地域特有のニーズに対応します。
クリニックやエステ店などを運営している場合は是非重宝したいですね。
こういったエリアが非常に重要になる業種の場合、Google広告自体でエリアを絞って出稿することもできますが、前もって出したいエリアに検索ニーズがあるのかを調べておくと無駄な広告費を出すことなく効率的にエリア集客を行うことができます。

検索ニーズを調べる際は以下の手順を参考にしてください。
・単一のビッグワードを調べる
(対策キーワードが「東京 美容院 おすすめ」であれば「美容院」のみで調べる)
・単語を増やして調べる
(「美容院 おすすめ」で調べる)
・最後に対策したいキーワードで調べる
それぞれ検索ボリュームや直近3カ月の様子をみることでどれくらい競合が多いのかなど確認することができます。

また、キーワードプランナーは広告だけでなく普段のSEO対策にも役立てることができるため、クリニックなどでコラム記事を書いてそこからの流入を狙っている場合は、エリアとクリニック領域を掛け合わせたキーワードをくまなく調べ、ライバルの少ないキーワードを見つけ出すなどの活用が可能です。

実はこのエリアでの絞り込み機能については意外と使っていない人も多く、そのエリアにどれくらい需要があるのかを知ることができるため必ず使っておきたい機能の1つです。



競合他社の広告活動の分析: 

キーワードプランナーを使用して、競合他社がどのようなキーワードをターゲットにしているかを分析します。これにより、競合状況を把握し、自社の広告戦略を調整することができます。
競合の分析とはいえ、特定の企業やサービスを絞ってキーワードの調査を行うことはキーワードプランナーでは不可能です。
しかし、先ほどご紹介したエリアで絞りつつ競合性の確認をすることでサービス展開前の事前準備は十分に行うことはできます。


「大阪 脱毛」を全国で絞った時


「大阪 脱毛」を大阪府で絞った時


クリニックなどはもちろん、地方への展開を考えている場合は一度競合がどれくらいの広告費をかけているのかの指標の確認のために一度見ておいたほうがいいですね。


検索ニーズの調べ方について

実際にキーワードプランナーを使えるようになったところで、検索ニーズはどれくらいの数値を記録すればいいのかについて解説します。

検索ニーズを調べる際は以下の手順を参考にしてください。
・単一のビッグワードを調べる
(「東京 美容院 おすすめ」であれば「美容院」のみで調べる)
・単語を増やして調べる
・最後に対策したいキーワードで調べる

キーワードプランナーを使う上での注意点

ここまでで基本的なキーワードプランナーの使い方についてお読みいただいたと思いますが、実際に使用していくうえでとても重要な注意点があります。
それはキーワードを起点に戦略を組み立てないということです。

よく陥りがちなのが、キーワードを通して顧客理解を行った結果全ての施策の効果が薄まってしまう事象です。
基本的に顧客理解ができた後にその顧客に適切にアプローチをするためにキーワードを見つける作業が発生します。
「競合と同じにしよう」
「競合が出してるなら大丈夫」
「これなら安く取れそう」
という考えが起点になるとクリックは稼げてもその後のCPO(1つの注文を獲得するためにかかる平均的な費用)が著しく悪くなります。

顧客がサービスを認知してから実際に購入するまでのステップをしっかりと見直してその顧客が解決したがっている課題は何か、という考えからキーワードを特定する癖を付けるのが 良いと思います。

実は私も過去の運用で同じミスをしてしまったことがあります。
顧客理解が進まない中でリスティング広告で新しいキーワードの追加をどんどん行い、結果的に全体CPAを悪化させてしまいました。
思い付きや感情に振り回されることなく、ツールはあくまでツールのため普段のマーケティング業務のサブ的な立ち位置であることは如何なる時でも認識しておきたいですね。

まとめ

いかがでしたか?

今回は初心者の方向けに状況別でキーワードプランナーの使い方をご紹介しました。
広告や検索に関わらずキーワードについて調べるときは、自社の担当者でも代理店で顧客の担当をしているときも真っ先にキーワードプランナーを使うことが多いと思います。

今後もキーワードプランナーを用いて適切に、なおかつ最大の成果を出せるように顧客にアプローチをしていきましょう。