アルティウスリンク株式会社は、「自分で選定・購入・利用している商品・サービス」がある20~79歳の男女3,714人を対象に「消費者のペイン(困りごと)発生時の行動と購買行動における嗜好」をテーマにした消費者調査『企業とお客様とのコミュニケーション実態2024年版』を2024年11月18日に発表した。
調査概要
調査時期:2024年
疑問や不安があっても最終的に「あきらめる」層が3割を超える
まず、利用する商品やサービスについて「利用に大きな支障はないが疑問点や不安点があったとき」の行動を調査したところ、「自分で調べ、わからなければ問い合わせる」が44.8%を占める回答となった。
このレポートで注目すべきは、この調査結果で何らかの行動をしたのち「あきらめる」と回答した層に焦点が当てられていることだ。「自分でできる限り調べ、わからなければあきらめる」という回答が20.1%、「自分でざっと調べ、わからなければあきらめる」という回答が10.3%となり、合わせて全体の3割を超える層が「あきらめる」を選択することが分かった。
この「あきらめる層」が「もっとも使いたい」と考える解決手段としては、FAQ(よくあるご質問)のページが実に41.3%を占めており、次いで「取扱説明書」が28.1%、「公式サイトなどの商品ページ」が21.5%となった。
また、「あきらめる層」がもっとも抵抗なく利用できる手段は「問い合わせフォーム」との回答が圧倒的に多く、全体の半数近い44%を占めた。
この回答結果から現代の消費者は、特に若い層を中心に、商品やサービスの疑問点などに対しては自己解決できる手段を求めていることが分かる。また、「問い合わせる」ことへの煩わしさや、対人での問い合わせでのトラブルを避けるため、チャットなどの文字でのやり取りを選びたい層が多く存在することが見て取れる。
半数以上がネットと店舗を行き来する購買行動を取っている
続いて、商品・サービスを購入するときに取る行動を聞いたところ、62.5%が「ネットやSNSで興味を持った商品・サービスを店舗に見に行く」と答えた。また、「店舗で見かけて興味を持った商品・サービスをネットで通販購入する」と答えたのは52%であった。このことから、半数以上がネットで新商品の情報や口コミなどを参考に実物を見に行ったり、店舗で目を付けた商品をネット検索し、価格やレビューを見比べたのち購入に至るというように、ネットと店舗の両方を使った購買行動を取っていることが分かる。
この調査からは、現代の消費者は疑問や不安に直面した際、自力で解決を試みる傾向が強い一方で、十分な情報が得られない場合に「あきらめる」層が一定数いることが分かる。また、問い合わせに対しては非対面でのシンプルな方法を求め、購買行動ではネットと実店舗を組み合わせて情報収集や購入を行っている。企業はこのような動線を把握したうえで、消費者がスムーズに自己解決できる情報環境を整備しつつ、ネットと店舗を連携させた購買動線を提供することが今後さらに重要なカギとなりそうだ。