「アドクロ」では、広告・マーケティング業界の最前線で活躍する企業や個人にスポットを当て、その取り組みを独自の視点で取材し、記事として紹介しています。今回、直近で取材を実施した企業について、それぞれの現場で得た貴重な洞察や印象的なエピソードをお届けします。
各取材を通じて見えてきた広告戦略の最新トレンドや、業界の未来を占う鍵となる要素とは? 編集部が肌で感じた、広告の世界の躍動感あふれる現在地をレポートします。
オトナル 八木様
ポッドキャストやSpotifyなどのプラットフォームを通じて、より個人化された体験を提供し、驚くべき効果を発揮する音声広告。音声広告のエキスパートである株式会社オトナルの八木氏に音声メディアの特徴や強み、そして広告としての可能性について取材しました。
デジタル音声メディアで注目すべきは、視聴者の87.1%(国内調査)、94%(BBC調査)が"ながら聴き"をしているという点です。ランニングや料理など、別の行動をしながら接触できるメディアという特性が、音声広告ならではの強みになっています。
また、ご紹介いただいたキング牧師のプレゼンを用いた研究では、「映像+音声」よりも「音声のみ」の方が脳波の反応が大きく、メッセージの伝達効率が高いことも判明。著者自身も私生活で体感している事も多く、改めて音声媒体の強みを感じました。
本編では、実際の音声広告の事例を交えながら、特性やクリエイティブ作りで注意すべきポイントなどを教えて頂きました。興味深い音声広告の世界、ぜひ覗いてみてください。
FinT 有末様
インフルエンサーマーケティングにおいて、数々の成功事例を持つ企業「FinT」。インフルエンサー事業部のリーダーである有末氏に、同社で手掛けた事例をもとに、インフルエンサーマーケティングの成功の秘訣などを聞きました。
インフルエンサーマーケティングにおける主な強みは、「特定のコミュニティへ効果的なアプローチが可能」な点。消費者に近い存在で、“実体験に基づくレビュー”が信頼感と共感を生み出しやすい点は大きな特徴になっています。
記事内では、具体的な事例を交えつつ、インフルエンサーマーケティングにおける評価指標の考え方や、特性を生かしたコンテンツ作りのポイントなどにも言及。インフルエンサーマーケティングのコツがギュッと詰まった記事となっています。
レバレッジ 大森様・古賀様
近年、健康志向の高まりやフィットネスブームにより急速に拡大しているプロテイン市場。数多くの商品が販売されるレッドオーシャン市場の中で、注目を集めているのが「VALX」です。ブランドの成長理由や今後の展開について、VALXを開発する株式会社レバレッジの取締役CBO兼ブランド戦略部長の大森氏とマーケティング担当の古賀氏を取材しました。
「ファンが熱狂する」ことを軸に施策を検討する同社では、例えば商品配送時にレシピを同梱したり、バースデークーポンの配布方法をデジタル(メール・LINE)からハガキに変更するなど、ファンを意識した施策を数多く展開しています。その中には、コンバージョン率が5倍に上昇した施策も。
取材をする中でお二人の熱量に溢れた姿が印象に残っており、“熱狂”という言葉がしっくりくる、まさにそんな取材でした。記事内では、そんな同社のマーケティングの裏側に迫ります。
プログリット 廣井様・石原様
継続的な英語学習をサポートする英語コーチングサービス「プログリット」。本田圭佑さんの広告でお馴染みの同社の広告戦略について、クリエイティブ制作の裏側や、オフライン広告・広告運用の考え方について事業部長を務める廣井氏と、マーケティングマネージャーを務める石原氏に取材しました。
同社が特徴的なのは、電車広告をフル活用している点。短期的なバズりよりも持続的な認知度向上を重視しており、特に、「プログリット」という社名を前面に出しつつも「本田圭佑氏の英語スクール」というイメージを活用し、自然な形での検索流入を促す工夫をしていました。指名検索数のベースアップに加え、担当者も「予想外だった」と語る意外な効果にも記事内では言及。
同社の広告は都内で電車に乗っていると目撃する機会も多く、強く印象に残っていましたが、そのクリエイティブはこうやって作られていたんだ…と驚きや学びがありました。
テテマーチ 十文字様
企業のSNS運用の支援をしているテテマーチ株式会社の十文字氏に取材を実施。「Instagram」をテーマに成功する為の具体的な戦略や、プロならではの視点から見たInstagram運用のポイントについて教えていただきました。
Instagramは他のSNSと比べて、ユーザーの能動的な情報収集、豊富なコミュニケーション機能、クリエイティブ中心の投稿スタイルという3つの特徴を持っています。
特に注目すべき点は、多くのユーザーが「人の行動を覗きに行く」という目的で利用している点。例えば、子育てや住宅といった「失敗したくない」分野での情報収集に活用されています。
また、記事内では効果的な運用のためには「フェーズや目的に応じてKPIを1〜2つに絞り込むこと」が推奨されています。「いいね数」や「閲覧数」など“見た方が良さそうな”指標がたくさんある中で、なぜ指標を絞り込むべきなのか、専門家ならではの視点に発見がありました。
フリー 松井様
個人事業主や中小企業を中心に、バックオフィスのクラウドサービスを幅広く提供するフリー株式会社。今年9月、IPO準備企業向けのマーケティング施策の一環として「IPO準備すごろく」を制作し、ダイレクトメールで送付する施策を実施しました。今回は「IPOすごろく」の内容や制作の裏側について、IPOセグメントマーケティングチームの松井氏に取材を実施しました。
このすごろくは、IPOの複雑な準備プロセスを遊びながら学べるよう設計されており、フリーが提供する21種類のプロダクトの認知度向上も同時に図っています。2〜4人用のボードゲームとして設計され、単純にゴールを目指すのではなく、獲得ポイントで勝敗を決める仕組みを採用。また、「一回休み」などの要素を意図的に組み込むことで、IPO準備に必要な現実的な時間や労力を表現しています。
記事内では企画背景や、こだわりポイントについて言及。施策の裏側に迫りました。