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TOP 記事一覧 ナレッジ 革新的サイネージが変える都市風景:2024年4月の注目トピックス

更新日:2024年04月17日

革新的サイネージが変える都市風景:2024年4月の注目トピックス

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アドクロ編集部がお届けする注目トピックスの解説。4月にあった、オフラインマーケティングで抑えておくべき話題をピックアップし、解説します。
今月は「サイネージ」や「ビジョン」に関して、抑えておきたいトピックスが複数ありました。

Topics①:新宿駅に大型サイネージ「新宿BBB」開業 今までにない没入体験 

2024年4月15日、JR新宿駅構内で3種類の大型サイネージを軸にした新媒体「新宿BBB(スリービー)」が開業しました。
「新宿BBB」は、BOX、BLOCK、BELTの3種類の特徴的なデジタルサイネージの総称になります。総面積約250㎡と駅構内では類を見ない規模の媒体で、新宿駅南改札内の空間全体でサイネージが設置されている点が特徴です。迫力のある映像や空間演出によって今までに無いような没入感が体感できる媒体となっています。
引用:JR東日本ニュース2024年4月8日
「BOX」は縦約3.2m×横約5.7mの3面で構成された箱型のサイネージです。駅構内では珍しく、音声出力が可能となっています。
「BLOCK」は、コンコース内にある12本の柱4面に設置。柱型のサイネージについては、J・ADビジョン(JR東日本)やMCV(東京メトロ)など、今までも存在していましたが、今回のBLOCKはフレームレスのサイネージになっている点が大きな特徴です。
「BELT」は壁面上部に設置された、全長59.5mの横長サイネージとなります。
【2024年4月3日撮影 BOX・BLOCKの実際の様子】
開業前、実際にBOXとBLOCKが放映している様子が確認できました。BOXを中心に、BLOCKがそれぞれ周辺で展開されており、南改札内の空間全体でジャックしているような印象を受けます。
特にBOXは、駅前などにある大型ビジョンが真正面に設置されているような印象で、映像の躍動感や勢いをダイレクトに感じることができます。
【2024年4月3日撮影 BLOCKの実際の様子】
駅メディアにおける、デジタルサイネージ化や新設が加速している印象があります。
JR東日本管轄の駅では、直近2021年に国内最大規模となる長さ45.6mの大型ビジョン「新宿ウォール456」(新宿駅)、2024年1月に大型曲面サイネージ「上野広小路口ビジョン」(上野駅)、2024年春に幅30mの巨大な湾曲ビジョン「AKIBA“CAP”」(秋葉原駅)設置と、大型のサイネージ媒体が続々と設置されています。
今回の新宿BBBのように、「フレームレス」であったり「湾曲」していたりと、今まで見たことが無かった形のビジョンが新設されている点も見逃せません。動画コンテンツの製作ハードルはありつつも、これらの新しいタイプのビジョンは今までにないユーザー体験を与えられる可能性があるように感じています。

Topics②:新宿駅前に3D対応のビジョンが新設

株式会社小田急エージェンシーと小田急電鉄株式会社は、新宿駅南口に裸眼3Dに対応した大型サイネージ「新宿サザンテラスビジョン」を新設しました。2024年4月1日から試験放映を実施し、5日に営業放映を開始しています。
【2024年4月13日撮影 新宿サザンテラスビジョンの実際の様子】
“新宿駅近くで3Dのビジョン”というと「新宿東口の猫」でも有名な「クロス新宿ビジョン」を想像される方も多いと思います。クロス新宿ビジョン前の広場では、観光客の方を中心に、ビジョンに向けてカメラを向けている様子はお馴染みの光景になりつつあります。
【2024年4月13日撮影 クロス新宿ビジョンの実際の様子】
今回新設された「新宿サザンテラスビジョン」は、クロス新宿ビジョンのある新宿駅東口駅前広場とは異なる場所にあります。
大きさは高さ3.6m、幅19mの裸眼3D対応のサイネージで、まるで飛び出してくるような迫力ある映像の配信が可能。音声を出すこともできるため、近隣通行人にもアプローチが可能となっています。
【周辺には多くの駅利用者。信号待ちのタイミングでつい見てしまう】
また、周辺には高速バスターミナル「バスタ新宿」等の施設もあるため、新宿駅を普段使いする方から、東京を訪れた観光客まで幅広い層に向けたリーチが期待できると想定されます。
都内では2023年11月に運用を開始した「池袋ヒットビジョン」以来の新しい大型ビジョンです。
ここ最近新設されるビジョンの傾向として、マスコットキャラクターが設定されることが定番になっています(「池袋ヒットビジョン」はフクロウ)。今回の「新宿サザンテラスビジョン」は、ビジョンの形が水槽のような長方形型となっているからか、ウーパールーパーの動画が間で放映されていました。
マスコットキャラクター自体にファンがついて、観光地化している「新宿東口の猫」に続き、新たな名所として定着していくかもしれませんね。今後の展開にも注目していきます。

Topics③:渋谷駅前の風景に変化 屋外ビジョンのネーミングライツ

スターツコーポレーション株式会社は、渋谷スクランブル交差点の目線位置ビジョンであるシブヤテレビジョン2のネーミングライツを獲得し、2024年4月1日から「スターツビジョンSHIBUYA」として運用を開始しました。
長らく赤いフレームが印象的なビジョンでしたが、4月から水色が特徴的なビジョンになっています。
【2024年4月1日撮影 スターツビジョンSHIBUYAの実際の様子】
【2023年5月撮影 同じ場所の様子】
また、同じ4月のタイミングで、渋谷駅側から渋谷センター街入口に向かって正面に見えるビジョンにも変化が見られ、青色が印象的だったビジョンが「Rakuten」と描かれた赤フレームのビジョンに変更になっていました。
【2024年4月3日撮影 Rakuten Visionの実際の様子】
【2024年2月撮影 同じ場所の様子】
両ビジョンとも、ネーミングライツ(命名権)を取得した事例になります。ネーミングライツは自治体や企業が、施設や設備、イベントなどの“権利”を付ける権利を売却し、それを法人や個人が購入することで、オリジナル名称がつけられる権利です。
ネーミングライツを獲得することで、愛称として定着させることができたり、その施設があるエリアの認知を高めることが出来るなどメリットがあります。
例えばネーミングライツで有名な「味の素スタジアム」は、味の素株式会社が「東京スタジアム」のネーミングライツを獲得し、現在5期目となります。5期目の5年契約(2024年3月1日~2029年2月末日)は10億5,000万円で、同社は5期総額で60億近いコストを掛けていることがわかります(出所:味の素スタジアムHP)
今回の事例では、渋谷という日本の中でも屈指の繁華街で実施することで、
・渋谷を訪れる多くの若年層に対する訴求、認知形成
・渋谷に訪れる多くの訪日外国人に向けて認知形成
を狙っているのではないかと推察しています。国内・国外ともに認知度が高い“渋谷スクランブル交差点”近くの一等地は企業ブランディングにも適したエリアだと考えています。

Topics④:TRAIN TV開業

株式会社ジェイアール東日本企画は2024年4月1日より、首都圏JR主要10路線とゆりかもめの車両サイネージにて、新たな番組配信プラットフォーム「TRAIN TV(トレインティーヴィー)」の放映を開始しました。
引用:“電車の中のテレビ局”「TRAIN TV」 4/1開局 ~人気タレントも出演!TikTokや@cosmeとのコラボ番組まで、一挙放映開始~
元々、電車内に設置されたサイネージでは広告中心の編成でコンテンツが配信されていましたが、「TRAIN TV」のスタートに伴い、広告中心から番組中心の新編成へと変更されています。
【2024年4月13日撮影 「TRAIN TV」コンテンツ配信の様子】
1~2分程度で完結するコンテンツが複数放映されており、電車乗車中に見るにはちょうど良い内容となっていました。また、有名タレントも多く番組に出演していることもあり、以前に比べても幅広い年代層がモニターに注目している姿がありました。
引用:“電車の中のテレビ局”「TRAIN TV」 4/1開局 ~人気タレントも出演!TikTokや@cosmeとのコラボ番組まで、一挙放映開始~
今後、番組内容やコンテンツの充実化で更に注目度が高まり、広告枠としての価値も上がっていくのではないかと推察されます。また、TRAIN TV内の番組とタイアップする形で企業が広告を出す動きも考えられそうです。
TRAIN TVの動向に注目しつつ、同様の車内ビジョンを持つ鉄道各社の動きも気になるところですね。

編集部から一言

4月は「サイネージ」や「ビジョン」に関する話題が続きました。特に、JR新宿駅構内で新設された「新宿BBB(スリービー)は今までにないような“空間全体のジャック”をテーマにした媒体であったように感じます。
媒体で広告を配信することによる認知拡大効果も期待できそうですが、それ以上に“写真映え”によるSNSでの話題化が期待できるのではないかと考えています。
今、若年層を中心に“映える”写真撮影が出来ることは、OOH展開において重要なトピックスだと感じていますが、その意味でも“映える”媒体として新宿BBBは存在感を出していくのではないかと思います。
ショート動画の台頭により、画面越しで動画を見ることに抵抗が少ない若年層に対してアプローチしていく意味でも、この手の媒体は活きてくるかもしれません。
今週から本格稼働している同媒体、今後の展開にも注目していきたいですね。
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アドクロ編集部

著者アドクロ編集部

広告・マーケティング情報の総合プラットフォーム「アドクロ」の編集部です。広告やWEBマーケティングの第一線で活躍するキーパーソンへの取材をはじめ、トレンド情報やお役立ち情報を発信しています。

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