株式会社ビーウェルが全国の大学生603名を対象に、「2024年の流行語」に関する調査を実施した。その結果、「界隈」が156票を獲得し1位となった。続いて「Bling-Bang-Bang-Born」が147票で2位、「もうええでしょう」が114票で3位となっている。
調査概要
調査方法:オンラインアンケート
対象者:全国の大学生
有効回答数:603名
調査期間:2024年10月~11月
「ふてほど」は圏外、若者と一般層で認識の差
調査結果によると、1位の「界隈」は、SNSでの使用だけでなく、実際の会話でも頻繁に使用されていることが支持を集めた要因となっている。2位の「Bling-Bang-Bang-Born」は特にTikTokやYouTubeでの exposure が高く、3位の「もうええでしょう」は友人との日常会話での使用頻度が高いことが特徴だ。
注目すべきは、ユーキャン新語・流行語大賞で年間大賞を受賞した「ふてほど」が、Z世代のトップ10にもランクインしていない点だ。若者層と一般層での言葉の浸透度に大きな差があることが推察される。
デジタルネイティブならではの言語感覚
Z世代の言語使用傾向からは、デジタルネイティブならではの独特な特徴が浮かび上がってきた。特に「界隈」という言葉の使われ方は、その典型例といえる。本来は「周辺地域」を意味する言葉が、オンライン上では「特定の関心や趣味を共有するコミュニティ」を表す言葉として再定義され、それが実際の会話にも自然に溶け込んでいく過程は、まさにZ世代特有の言語伝播の形であるように思えた。
オンライン空間での自己表現や、特定のコミュニティへの帰属意識を示すバッジのような機能を果たし、時にはミームとしてコミュニケーションに新しい価値を付加する存在となっている。「Bling-Bang-Bang-Born」の広がり方は、デジタル上で、音楽や動画コンテンツと結びついた言葉が、いかに急速に共有されうるかを示す好例だ。
企業のマーケティング活動において、従来の一方向的な情報発信ではなく、Z世代の持つ言語感覚や文化的文脈を理解した上で双方向的なアプローチがより一層求められるのかもしれない。