古河機械金属株式会社は、2025年8月8日に創業150周年を迎えるにあたり、3月1日から東京メトロの駅看板に理系心をくすぐる広告を掲出している。同社は認知度拡大と採用強化を目的に、理系大学の近隣にある東京メトロ駅を中心に50面強の駅看板を選定した。

【飯田橋駅で展開された広告の様子 アドクロ編集部撮影】
この広告は「階乗」「行列式」「双子素数」を用いた設問式となっており、それを解けば『150』周年であることがわかる仕組みになっている。
こちらの一風変わった広告について、古河機械金属株式会社 経営企画部部長代理 広報・IR課長 芥川良平氏に話を聞いたところ、広告は理系学生をターゲットにして企画されたそうだ。昨今、採用難が深刻化しており、理系学生は企業間で奪い合いになっているという背景がある。同社はBtoB企業ということもあって認知度が低く、いかに理系学生に振り向いてもらうかを考えた結果のアイデアだそうだ。
広告で“数学テーマ”を採用した理由について、芥川氏は「理系学生にとって、この広告は文系ではなく自分たち理系をターゲットにしているとわかりやすく伝えたかった」と説明する。
例えば階乗は、中学受験をした人なら解けるかもしれないが、多くは理系学生でないと覚えていないと想定。

行列式は大学の数学で習う領域、双子素数は数学好きが食いつきやすいネタとして選定した。

「150周年」を単に訴えても一般の人には「ふーん」で終わってしまうため、関係者以外の人にも自分事化できるひねりを加えるべきだという結論に至り、今回のデザインとなったそうだ。150が答えになる問題は代理店経由で大学教授に依頼して作成してもらい、最終的に3つの案が提案されたという。基本は階乗の広告を使用し、理系難関校の最寄り駅には行列式や双子素数の広告を配置する形となった。
“採用目的”であれば、Webの求人媒体等に投資する手段もある。その中で、メトロ駅看板広告を展開した理由について芥川氏は「周年を記念した広告を出したかったこともあり、求人サイトに特化しようとは考えなかった」と話す。また同社は、社名認知を目的とした広告を10数年前から出し続けて効果を得ていたため、それとかけ離れない媒体でやりたかったという。ただし「出した駅以上には広がらないので、広告を拡散したくなるクリエイティブは必要という考えは持っていた」と芥川氏は補足した。
もともと同社は「古河気合筋肉」という社名をもじった広告を実施していたこともあり、当初はそれを継続するか検討していた。その中で、今年は「150周年」という記念の年という話題になり、周年を意識した広告にしたいという話になったそうだ。

今回の「150周年」広告をネタにしたXのポストは1,000万回閲覧され、YouTubeでは90万回再生されるショート動画も出現したという。「駅で実際見た人の全員がSNSで投稿するわけではありませんが、おおむね現状の拡散とその反応を見る限りでは、狙い以上の成果が出ていると感じています」と芥川氏は手応えを示した。
