Topics①:TikTokの広告
掲出された一連の広告では、「やば!めんつゆないけど、代用できる?」「部下に尊敬される上司って、どんな人だろう。」といった、誰もが一度は考えたことがある、思わず共感してしまう日常の困りごとが取り上げられていました。
また渋谷駅では見られなかった別スタイルのデザインも掲載。「趣味をはじめる」「料理する」といった日常的なアクションに焦点を当て、それぞれのシーンを印象的なビジュアルで表現しています。趣味のシーンでは、ベージュのバケットハットにデニムシャツという爽やかなスタイリングで植物の世話をする姿を、料理のシーンでは、白いTシャツにエプロン姿でお弁当作りに取り組む様子を切り取っています。黒いバーで区切られたスマートフォンの画面には、それぞれのシーンに関連する複数の動画が表示され、プラットフォーム上で実際に展開されているコンテンツの多様性と活気を表現しているようです。
ユーザーの日常に寄り添った親しみやすい表現と、実用的な価値の提案が見事に調和した広告展開となっていました。
Topics②:ユニクロの広告
新宿駅で展開されたユニクロ新宿本店オープンの広告です。先週に引き続き、新宿駅構内の至る場所に展開されていました。
10月25日のオープンに向けて展開された広告では、一貫してブランドアイデンティティが強調されています。また、新宿が国際的な商業地であり、今回のユニクロの新宿本店が単なる店舗オープンを超え、新宿と世界をつなぐ新たなランドマークとなることを示唆する意欲的な内容となっています。
シンプルながら印象的なコピーと洗練されたビジュアルの組み合わせは、グローバルブランドとしてのユニクロの存在感をアピールすることに力を入れているように見えました。
特に、新宿メトロプロムナード内では通路沿い複数媒体をジャックした展開は圧巻でした。
Topics③:キットカットの広告
新宿駅前のクロス新宿ビジョンで展開されたキットカットの広告です。
「キットカット史上最高」の誕生から1年を記念した広告で、ビジョンでの広告放映はもちろん、ビル壁面のラッピングも同時展開されていました。
広告に起用されたピコ太郎さんが3D動画で動くビジュアルはインパクト抜群で目を引きます。キットカットカラーの真っ赤なデザインは特に夜に映えるビジュアルでした。
Topics④:ロマサガ2リベンジオブザセブンの広告
新宿駅大型看板広告
新宿駅で展開中の、ロマサガ2リベンジオブザセブンの広告です。
「かつて、ロマサガ2を途中で諦めた あなたへ」「遊びやすくなったリメイク、はじめませんか?」のコピーが印象的なビジュアルとなっています。
過去のゲーム体験を持つプレイヤーの感情に深く訴えかけながら、新規プレイヤーの興味も引く、バランスの取れた内容でした。黒を基調とした横長デザインには、ロマサガのゲーム画面が左から右へと配置され、全体に散りばめられた赤い火花のような装飾効果が、かつての冒険への情熱を呼び覚ますような印象がありました。
Topics⑤:スマホゲーム「ブルーアーカイブ」の広告
新宿駅で展開されている、スマホゲーム「ブルーアーカイブ」の広告です。
京王線とJR線をつなぐ通路沿いに展開されたこの広告は、アニメ調の鮮やかなビジュアルで人々の目を引きます。ピンク基調の優しい色使いから黒を基調とした神秘的なデザインまで、複数のキャラクターを面ごとに使い分けることで、通路全体に物語性のある賑やかな空間を創出しています。
スマートフォンアプリのダウンロードを促しつつ、各キャラクターの個性的な表情や仕草を通じてゲームの世界観を自然な形で伝えています。通勤・通学で毎日のように通過する味気ない通路に突如として現れるビジュアルは、駅利用者に対して強い印象を残しているように感じました。
Topics⑥:エンゲージの広告
新宿駅で展開されている、エン・ジャパン「エンゲージ」の広告です。
駅利用者の目を引くのは、通路に設置された縦型デジタルサイネージの鮮やかな青を基調とした画面です。「転職も」「パートも」という単純明快なコピーとともに、草彅剛さんがスーツ姿から赤い帽子のカジュアルスタイルまで、様々な表情や装いで登場します。
特筆すべきは、「も」という助詞を使用したメッセージ性です。様々な「働く」シーンで同サービスが利用可能なことをアピールしているようでした。また、働き方の多様性を自然な形で表現することに成功しています。
求職者の往来が多い駅構内という場所柄を活かし、高い視認性を持つデジタルサイネージを採用したこの広告は、ビジネスパーソンが多い駅という立地で効果的に訴求できているように見えました。
編集部から一言
今週の新宿OOHレポートで特に印象的だったのは、エンゲージとブルーアーカイブの広告でした。
エンゲージの広告では、「も」という助詞の効果的な活用が印象的でした。「転職も」「パートも」という簡潔な表現で、サービスの多様性を伝えています。また、草彅剛さんの異なる表情や装いを通じて、働き方の多様性というメッセージを自然な形で表現し、ビジネスパーソンの往来が多い新宿駅という立地特性を最大限に活かしていました。
ブルーアーカイブの広告では、通路空間を物語の舞台として効果的に活用しています。通勤・通学者が日常的に行き交う場所で、キャラクターごとに異なる世界観を連続的に展開することで、単なる広告以上の没入感のある体験を創出していました。OOHにおける空間のジャックが効果的に発揮された事例でした。