アドクロ編集部が毎月お届けする「ネットで話題となった面白い広告」。東京都内を中心に、SNS上でバズったり、話題になった面白い広告をまとめました。今回は2024年9月に話題となった広告事例を紹介します。
ブラックサンダー 社長に雷を落としてください。
渋谷駅構内に掲出された「ブラックサンダー」の広告です。
両手にブラックサンダーを持った有楽製菓の河合社長の上部に「社長に⚡(雷)を落としてください」というコピーが記載されているというクリエイティブ。一見、何の変哲もない大型広告ですが、この社長の写真に向かってフラッシュを焚いて撮影すると、社長の骨が見えるという仕掛けが施されています。
広告を見た多くの人が写真を撮りたくなるというユニークな仕掛けとなっており、実際に多くの人が撮影し、その写真をSNSに投稿していました。
SNSでの拡散を狙ったと思われますが、ブラックサンダーに興味がなかった人など、幅広い層に届いた広告だったのではないでしょうか。
ahamo×BE:FIRST コラボ広告
渋谷駅構内で展開されたBE:FIRSTの大型広告です。
NTTドコモの料金サービス「ahamo」とのコラボ広告で、BE:FIRSTのメンバーたちの表情が分かるアップの写真や、全身が写る引きの写真などが並ぶクリエイティブとなっています。
「怖くても進もう」というコピーが、様々なことに挑戦し続けるBE:FIRSTとマッチしています。特に田都BIG14の広告はLED照明がまるでスポットライトのように見え、よりBE:FIRSTを魅力的に写していました。この広告はBE:FIRSTのファンを中心にSNSで拡散されており、BE:FIRSTの根強い人気の高さが伺えました。
キントーン「ホップ・ステップ きとみちゃん」
新宿駅構内にて展開されたキントーンのサイネージ広告です。
これはキントーン公式キャラクター「きとみちゃん」が活躍するWEB漫画「ホップ☆ステップきとみちゃん」の広告で、ポップでカラフルな映像とともに職場での危機にさらされるきとみちゃんの姿を描いています。
「ホップ☆ステップきとみちゃん」は職場でよくある業務の手間や不便さをキントーンが解決してくれるという漫画で、キントーンが提供している業務改善クラウドサービスを分かりやすく伝えてくれるもの。この漫画のファンは意外と多く、きとみちゃんファンによる拡散が目立っていました。
少女漫画を彷彿とさせる「きとみちゃん」はBtoB向けの広告施策としては斬新なものでしたが、多くの働く女性に刺さった広告だったと思います。
極悪女王 夜に現れるシャッター広告
渋谷の街頭にて展開されたNetflixドラマ「極悪女王」の広告です。
9月より配信が開始したドラマ「極悪女王」は伝説の悪役レスラー、ダンプ松本が成りあがっていく姿を描いた作品で、ダンプ松本役をゆりやんレトリィバァさんが演じていることでも話題となっています。
広告はゆりやんレトリィバァさんの迫力のあるアップの写真とともに、「見てんじゃねえよ!」や「帰れ!」という威圧感のあるコピーが印象的なクリエイティブとなっています。
この広告は、工事現場の仮囲いやビルラッピング、お店のシャッターなど渋谷の街の様々な場所に登場しました。特にシャッター広告は夜の閉店後に続々と現れるため、夜の渋谷の街は極悪女王でいっぱいに。SNSではこの広告を見つけた人が拡散し、注目を集めました。
瀬戸しお X投稿広告
渋谷・新宿エリアを中心に展開された「瀬戸しお」の広告です。
広告にはきつね色の美味しそうな「瀬戸しお」をバックに、「瀬戸しお」に関する様々なXの投稿を掲載。この投稿は実際にX上に投稿されたもので、「瀬戸しお、マジで悪魔の食い物」や「起きたらまず瀬戸しおを吸います」など、どれもキャッチーでユニークな投稿でした。
クチコミやレビューのようなUGCは今マーケティングにおいて注目されていますが、OOHに活用するというのは、多くのマーケティング担当者を驚かせた施策だったのではないでしょうか。
「チ。―地球の運動について―」ミラーシート広告
渋谷駅構内で展開された「チ。―地球の運動について―」の広告です。
10月のNHKでのアニメ放送開始に合わせ、実施された広告で、広告には宇宙飛行士の野口聡一さんやKing&Princeの高橋海人さんなど、7名の著名人たちがイラストレーション化されて登場。原作コミックスの表紙デザインを彷彿とさせるクリエイティブとなっており、コピーには7名それぞれの個性に合う作中のセリフが書かれています。
この広告には一部ミラーシートが使用されており、 ミラーに映った自分自身が広告の一部になれるという面白い仕掛けとなっています。
SNSでは著名人のイラストを見に行った人の投稿も目立っていましたが、ミラーシートに映る自分の姿を投稿している人も多かった印象です。SNSでの拡散を狙いつつ、ユーザーの参加を促すような広告施策でした。
株式会社BMSGの広告
渋谷駅前で展開された、SKY-HIさんが代表を務める株式会社BMSGの広告です。
BMSGはBE:FIRST(ビーファースト)やMAZZEL(マーゼル)など、若年層を中心に人気のあるグループを擁する音楽事務所・レーベル。
こちらの企画は、BMSGが2024年9月18日で4周年を迎えることに合わせて、「東京で遊ぶ」ことをコンセプトに展開したイベントの施策となっています。
上記のようなポスターが都内各地で展開され、ファンが見つけ出す内容となっており、ハッシュタグ「#BMSG_23vs120000」「#BMSG4thAnniversary」ではファンを中心とした投稿が盛り上がりを見せていました。
編集部からの一言
2024年9月に話題となった面白い広告を紹介しました。今回は、商材を知らない人にも効果的にアプローチできそうな、ユニークなものが多数登場しました。「瀬戸しお」はシンプルなデザインでしたが、UGCをOOHに活用することで「瀬戸しお」を知らない人も食べたいと思わせるような“技あり”な広告施策だったと思います。
同様に、「チ。―地球の運動について―」の広告も、作品のファンだけでなく、作品を知らない人も気になる広告だったのではないでしょうか。ミラーシートに映ることで自分が広告の一部になれるという演出はユーザーに「撮影したい!」と思わせるもので、SNSでの拡散を狙ったことが予想できます。“撮影したくなる広告”としてはブラックサンダーの広告も同様で、人の心理を上手く利用した広告でした。
「極悪女王」の街頭の広告は見た人がびっくりするようなインパクトのある広告でした。渋谷はインバウンドの旅行客も多いですが、相当びっくりしたと思います。しかし、記憶に残りやすいクリエイティブで広告効果は十分だったのではないでしょうか。夜に現れるシャッター広告というのも媒体の特徴として面白いですね。この街頭の広告展開は今後さらに増えることが予想できます。
来月以降も、どういった広告が見れるのか楽しみですね。
過去の事例はこちらからご覧いただけます:面白い広告まとめ | ネットでバズった話題の広告