2024年5月、WEB業界に衝撃的なニュースが流れました。
長く多くの担当者が苦労を費やしながら行っているSEO対策におけるGoogleのランキングシステムの内部文書が流出したのです。
既に中身を確認された方もいるかと思いますが、量が多く聞いてもイマイチわからない要素も正直あるかと思います。
本日は流出した内容の中でも重要と思われるものをピックアップし、それを元に今後どのようにSEO対策をしていくことが効果的なのかについて解説いたします。
流出により明らかになったこと
ドメインパワー
Googleは以前にドメインの権威はランキングに関与しないことを発表していましたが、どうやらリークされた文書ではGoogleが「siteAuthority」というスコアを使用していることが明らかになりました。
siteAuthority:このスコアは、サイト全体の品質や信頼性を評価するために使用され、サイト全体のランキングに影響を与えるとされています。
また、ドメインパワーはバックリンク(他のWEBページからのリンク)の質と関連性とも関係しています。PageRankアルゴリズム(WEBページの検索結果における順位を決めるアルゴリズム)は依然として使用されており、高品質なバックリンクが多いサイトは高いPageRankを持ち、これがランキングに寄与することもわかりました。
ユーザー行動(Click Metrics)
クリックメトリクスと呼ばれる、ユーザーのクリック行動に基づいてウェブページのランキングを評価するための指標です。これらのメトリクスは、ユーザーが検索結果ページから特定のウェブページにどのようにアクセスし、どのようにそのページを利用するかを測定します。リークされた情報によれば、Googleのランキングアルゴリズムにおいてクリックメトリクスは非常に重要な役割を果たしているようです。
このユーザー行動周りに関してはリーク前から噂されており、昨年から頻発されたコアアップデートでユーザー行動次第でサイトの質の高さを決めているのではないかと言われていました。
以下はクリックメトリクスに関する主要なポイントです。
Good Clicks
有益なコンテンツが含まれるページへのクリック。これらは通常、ユーザーが長時間滞在するか、詳細にページを閲覧するクリックのことです。
Bad Clicks
短時間で離脱するクリック。これは、ユーザーがすぐに戻るか、期待した情報が得られなかった場合に発生します。この1年でファーストビューにどんな情報を入れるべきかの議論が行われていますが、このBad Clicksに大きく跳ね返る要素ですね。
Long Clicks
ユーザーが長時間ページに留まるクリック。これらはページが高品質であることを示します。
Last Clicks
検索セッションの最終クリック。これが長時間の滞在を伴う場合、そのページがユーザーの問題を解決したことを示します。
これらのクリックを元に、サイト運営者側でも見れる以下の指標でGoogleは評価を行っているようです。
・ページの閲覧時間
・直帰率
・クリック率
以前から言われているような質の高いコンテンツ作りはこの指標にダイレクトに返ってくるため、方向性としては間違っていないようですね。
chromeデータの利用
Googlechromeのデータがランキングシステムに反映されていることも明らかになっています。
ページビューとユーザーインタラクション:
Googleは、ユーザーがChromeブラウザでどのようにウェブサイトとインタラクトしているかを追跡しており、ページビュー数、滞在時間、先ほどのクリックメトリクスなどが含まれます。
ChromeInTotal モジュール:
リークされた文書には「ChromeInTotal」というモジュールが含まれており、これはGoogleがページの品質スコアの一部としてChromeビューの数を評価するためのものです。特定のページがどれだけ多くのPVを獲得しているかを測定し、それに基づいてランキングに影響を与えるものです。
コンテンツの質と長さについて
今回のリークの中にはコンテンツそのものに関する興味深いものが含まれていました。
長いコンテンツの扱い:
長いドキュメントは一部が切り捨てられる可能性があるとされています。この処理は、検索エンジンが長いコンテンツの最も関連性の高い部分を抽出しやすくするためと考えられます。コンテンツ量を担保しようと他のページに書いてある内容と似ている文章を追加してもあまり意味をなさないということですね。
短いコンテンツの評価:
短いコンテンツに対しては、オリジナリティに基づくスコアが与えられます。このスコアは0から512の範囲で評価され、短いが高品質であるコンテンツが適切に評価される仕組みになっています。オリジナリティへの評価は既にE-E-A-Tで明らかになっていますが、必ずしもコンテンツの量を確保しなければならないということはありません。たとえ短くてもそのサイトでしか書けないようなオリジナリティがあると自然と評価される仕組みです。
コンテンツの新鮮さ
コンテンツの新鮮さも重要な要素として挙げられています。Googleは、bylineDate(明示されている日付)、syntacticDate(URLもしくはタイトルから読み取れる日付)、semanticDate(ページ内のコンテンツから読み取れる日付)などを使用して、コンテンツがどれだけ新しいかを評価しています。
今後の対応として考えられるもの
それでは上記のようなリークが確認できたところで、改めて今後はどのように対策を行っていくべきなのでしょうか。
ドメインパワーにおける改善
- 質の高いバックリンクの獲得
こちらは既に実践されている方も多いかと思いますが、今一度自社の業界における権威的存在の団体などからリンクを貰うことは大きな影響をもたらすと考えられます。
こういったリークがされた後のため、闇雲にリンクを探す人が続出することが予想できるため、もしかすると以前よりリンクを貰う動きは難しくなるかもしれませんね。
質の高いコンテンツによるクリック改善
ユーザー行動ではとにかくクリックメトリクスが大切ということが分かったと思います。
そのため以下に対策をまとめました。
- 検索一覧でのクリック率向上のためのタイトル、ディスクリプションの質向上
- クエリから想像できる、ユーザーにとって最も必要な情報をページ上部で提供する
ページタイトルを餌にしてとにかくページに呼び込み、中身がユーザーの欲している内容と異なる場合はマイナス評価となります。
- 滞在時間を伸ばすためのオリジナルコンテンツ追加
他社にはないユニークで思わず見てしまうような漫画形式の動画を埋め込むなどの手段は有効的かもしれないですね。
- モバイルフレンドリーを目指す
モバイルはPCと比べて前のページに操作的に戻りやすいため、モバイルでの表示に問題がある場合はマイナス評価へと直結してしまいます。
- コンテンツの定期的な更新
内部対策にもなり、ユーザーとしても常に新たな情報が手に入るサイトと認識されれば1回のセッション当たりの滞在時間も伸び、結果的に大幅なプラス評価になることが見込まれます。
これ以外にも以前から指摘されているページスピードや内部リンク構造もユーザー行動に関係するため、問題のある場合はすぐに改善するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回のニュースは非常に衝撃的なものだったと思いますが、Googleの目指している方向性が改めて明確になったことで対策がかなりしやすくなったと思います。
ややテクニカルな手法を用いての対策が今後増えそうではありますが、あくまで目指すべきはユーザーにとって長く滞在し、また次も来たいと思ってもらえるようなサイトにすることです。
是非今回の記事を今後の自社のSEO対策に活かしていただければと思います。