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伝える難しさを描く不朽の名作 | 樋口徹
泣いた赤おに 著者 / 浜田広介
「泣いた赤鬼」、この不朽の名作を知らない人は少ないのではないでしょうか?何故、この絵本を広告・マーケティング情報の総合プラットフォーム「アドクロ」のプロマーケターが推すこの一冊の企画で出したのか…?
それはこの絵本には広告、マーケティングの本質が詰まっていると考えたからです。どういうことか…?
この絵本のストーリーは、とある起業家である赤鬼が自宅でカフェを開業して人間とのコミュニティビジネスを立ち上げる。自宅の前に立て札(看板広告、OOH)を立てマーケティングをスタートさせるが、赤鬼の想いはマーケットに伝わることなく、悲しみの果てに憤慨。立て札も破壊。苦境に追い込まれる。そこにストラテジックプランナーである青鬼が現れて、ストーリー仕立ての広告キャンペーンを提案。そのあまりにも身を呈した広告キャンペーンにより、クライアントの赤鬼の課題は解決されたものの、青鬼自身は旅に出ることを余儀なくされる。
このようなストーリーなのですが、赤鬼の伝えたいメッセージは伝えたいようには伝わらず、ストラテジックプランナーの青鬼の企画に乗るものの三方よしの形にはならなかったのです。つまり、何かを伝えるときには何かを犠牲にすることが時には必要であったり、理不尽なハードシングスも起こり得る。それが起業や経営であり、マーケティングのPDCAを回す際の学びでもあり、人や企業の業の営みなのである、私はそう理解しました。
伝えたいことを伝えたいように伝えることの難しさ、そこに徹底的に向き合う人種、それがマーケターであることを再確認した絵本でした。ぜひご一読ください。
教科書にも載っているあの不朽の名作が、新しい絵本に!
みんなとなかよくなりたくて、おいしいお茶とお菓子を用意して待っていた赤鬼。
だけど、やってきた村人は、赤鬼の姿を見ただけで逃げ出してしまいます。
落ちこむ赤鬼に、友だち思いの青鬼が力をかしてくれたので、
赤鬼には、人間の友だちがたくさんできました。
ところが青鬼は、あの日わかれてから一度もたずねてこなくなりました。
心配した赤鬼は、青鬼の家を訪ねることにしました。
青鬼の家はしまっていたのですが、ふと、気がつくと……。
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