冷蔵庫から小物まで数百個レベルで購入して検証
編集部:検証する商品を実際に購入するというのはサービス着想段階からですか?
太田:着想段階からあったと思います。
代表の吉川がマイベストを始めたきっかけは、商品についてインターネットで検索した際に、検索上位に表示されているが信頼できない情報が多かったり、「これって本当なの?」と感じる根拠のない情報が多く存在していてインターネットを通した選択体験に課題を感じたことです。
それであれば、実際に商品を使って自分がユーザーとしておすすめできる点はどこにあるのか、逆におすすめできない点はどこにあるのかを明示するほうが役に立ちますし、当時はそれをやっているところが無かったので着想段階から勝ち筋は見えていたのではと思います。
編集部:それでも実際に購入するのは先行投資的な意味合いでリスクもあり怖かったのでは?
太田:もちろん「これならいける」という確証があってからスタートはしていましたね。
そもそも代表の吉川が最初は1人でサービスを開始していましたが、本当の最初は1つ1つ物を実際に買うところから始めておらず、二次情報をまとめるキュレーションサイトのような形をとっていました。
キャッシュフローが回り始めて黒字化になったタイミングで、ようやく当初の構想が実現できることになりました。
そこで実際に商品を使ったサイト作りを行いましたが、キャッシュフローも問題なく回ることが確認できたため「商品を購入して使う」スタイルが定着していきました。
編集部:ちなみに1つの記事を作るにあたってどれくらいのコストをかけているのでしょうか。
太田:先ほどの冷蔵庫の場合、1記事1000万円以上はかかっています。
また、鮮度検証するにあたって3,000から5,000円ほどするマグロを購入して、1台当たり2柵使って検証をしています。それに加えて臭気判定士にお願いして、脱臭力検証をしており、以下の軸を見ていただいています。
・チルド室の鮮度維持力
・野菜室の鮮度維持力
・冷凍室の鮮度維持力
・出し入れのしやすさ
・収納率の高さ
・電気代

編集部:徹底されているんですね。他にもこれまで面白い検証は何かありましたか。
太田:防水カメラを取り扱った際は、25mプールを1日まるごと貸し切り、何度も潜って防水性能の高さや画質のよさを検証しました。
泥臭いですが、こうやって1つ1つ実際に手で確かめることでそれぞれの商品の良いところも実感できますし、ユーザー様にとっても「そこまで徹底して検証しているのか」と信頼性に繋がると思います(第2回に続く)

