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広告・マーケティングを変える生成AI | 現場に浸透するAIの今に迫る
「AIが広告業界を変える」この言葉を耳にしない日はないほど、生成AIは広告・マーケティング業界の大きな話題となっています。ChatGPTやMidjourney、Stable Diffusionなどの生成AIツールの登場により、文章のライティングからクリエイティブ制作、ターゲティング、効果測定まで、広告に関わるあらゆる業務が大きな転換期を迎えています。
本記事では、生成AIに関する最新ニュースやレポートを見ながら、AIの傾向や進化の過程をお届けしていきます。
クラウド型 CTI /コールセンターシステム「 BIZTEL(ビズテル) 」などを提供する株式会社リンクは、全国20~60代の男女を対象とした『AI時代における顧客コミュニケーションおよび窓口対応に関する意識調査』を実施した。
「コールセンターやお問合せ窓口などに電話で問い合わせをした際、無人音声に対応された経験がありますか」という質問に対して、全体の9割が「ある」と答えた。その9割の回答者に対し、「直近1年間のうちに受けた無人音声サービスの対応について、利用時の満足度を4段階の中から選択してください」という質問をしたところ、「満足」が9.1%、「やや満足」が35.1%となり、合わせると44.2%が肯定的な印象を持った回答となった。一方で、「不満」は18.9%、「やや不満」は25.8%となり、合わせて44.7%が否定的な印象を持ったと回答し、二分する結果となった。
JetB株式会社が実施した全国の企業経営者・役員・会社員100人を対象とした生成AI導入に関する調査によると、業務への導入率は22%に留まり、57%が未導入、21%が検討中という結果が明らかになった。
業種別では、「医療・福祉」と「ソフトウエア」での導入が特に遅れており、両業界とも8.8%という低い数字となっている。導入における課題としては、「情報の正確性」への不安が29.4%で最も高く、次いで「コスト」と「セキュリティ」が同率で11.8%となった。
この調査は、MicrosoftとLinkedInが2024年5月に発表した、世界全体の職場でのAI利用率75%に対し、日本は32%と大きく下回っているというデータを受けて実施されたものである。
株式会社ecloreが、AIライティングツール利用者144名を対象に実施した調査によると、AIの活用場面では「新規コンテンツのライティング」が64.8%で最も多く、「構成案の作成」が46.5%で続いた。
SEO効果については、「非常に効果がある」が31.7%、「ある程度効果がある」が53.5%で、8割以上が効果を実感している。
一方で、改善してほしい点として「専門的な内容の精度」が55.6%、「自然な表現力の向上」が50.7%という結果となり、AIライティングツールの利便性は評価しつつも、まだ課題が残されていることが明らかになった。
ランサーズ株式会社が、同社のプラットフォームに登録している563名を対象に実施した「生成AI業務活用実態調査」によると、40.1%が業務で生成AIを「使用している」、22.2%が「使用を検討している」という結果となった。
活用による業務時間の短縮効果については約8割が実感しており、最も多かったのは「30分~1時間未満」の短縮で25.2%だった。活用されている生成AIの種類では「言語生成」が91.6%で最多となり、業務カテゴリでは「ライティング・翻訳」が48.9%で最も多い結果となった。
株式会社ICT総研の2024年度調査によると、国内の生成AIサービス利用者は2024年末には1,924万人に達し、2027年末には3,760万人まで増加すると予測されている。
4,290人を対象としたWEBアンケート調査では、「最近1年以内に生成AIサービスを利用したことがある」と回答した人は1,243人で、約7割が未経験という結果となった。
利用サービスでは「ChatGPT」が18.3%で最多だったが、顧客満足度では「Adobe Firefly」が75.8ポイントで最高となり、「ChatGPT」は68.1ポイントで8位という結果となった。
関連記事:生成AI、認知度の高さに対し低い利用率
株式会社ipeは、オールインワンのAIライティングツール「DeepEditor」を新たにリリースした。
このツールは、キーワード調査から記事作成、効果測定までをワンストップで対応可能にし、これまでコンテンツ制作にかかっていた工数を約1/10に削減ができる。AI技術とSEOコンサルティングの経験を融合し、短時間で高品質なコンテンツを生成し、見出し構成や文章スタイルのカスタマイズも可能で、コンテンツマーケティングを効率的に進めるサポートを行うツールとなっている。
ここまでさまざまな生成AI関連のニュースやレポートを見てきましたが、全体を通して浮かび上がってくる傾向がいくつかあります。
1つは、生成AIの認知度は高いものの、実際の導入・活用はまだこれからという現状です。しかし、検討中の層が一定数存在することから、今後の普及拡大が期待されます。2つ目は、導入している企業や個人の多くが効果を実感しているという点です。特にライティングやコンテンツ制作の分野では、業務効率化やSEO効果を感じており、具体的な成果が出始めています。
一方で、情報の正確性や専門的な内容の精度、自然な表現力など、まだ改善の余地がある部分も明確になってきました。これらの課題を克服しながら、業務効率化とクオリティの両立を図っていくことが、今後の生成AI活用の鍵となりそうです。
技術の進化とともに新しいツールやサービスも続々と登場しており、広告・マーケティング業界における生成AIの活用は、まさに発展途上の段階にあると言えるでしょう。
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