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2024年8月5日週 渋谷OOHレポート
アドクロ編集部がお届けする今週の渋谷OOH Report。今週渋谷で展開された広告で、抑えておきたい広告事例をピックアップしていきます。
渋谷駅前で展開された宅配サービス「UberEats」の広告です。
「見逃せないなら、UberEatsで、いーんじゃない?」とコピーが大きく描かれ、プロモコードには「BASEBALL」の文字が。時期を考慮しても、恐らく夏の甲子園を意識した広告だと考えられます。
JR渋谷駅の大型枠中心に展開された広告では、「実家風のクリエイティブ」もあれば、「夏祭り風のクリエイティブ」があったりと、夏(お盆)を全面で感じる内容となっていました。
甲子園シーズンに合わせてUber Eatsの利用を促進するための戦略的なキャンペーンの一環であり、スポーツファンと食事デリバリーサービスを効果的に結びつける試みと言えます。視覚的な“夏”の魅力で注目を集め、サービスの利用を促す効果的な広告となっていました。
渋谷駅前で展開された、ネットフリックスで配信中の「地面師たち」の広告。
鮮やかな黄色と黒のコントラストを使用し、「STOP!」という大きな文字で注目を集めています。「地面師詐欺」という特殊な用語を使用し、視聴者の好奇心を刺激。作品について具体的な内容を明かさず、謎めいた雰囲気を醸成しています。
渋谷駅前で複数面展開された今回の広告では、上記のように5・7・5のリズムで描かれたパターンも。視覚的なインパクトと謎めいたメッセージを組み合わせることで、人々の興味を引き、話題を生み出すことを目的としていると推測されます。黄色という、目を見張るカラー展開で注目を集めていた事例でした。
渋谷駅工事現場仮囲い広告
キリンビール「晴れ風」の広告です。
ビル壁面に大きく描かれた、商品パッケージと商品名「晴れ風」の文字。テキストの説明はなく、「晴れ風」という名称の認知獲得を意識している様子でした。夏季の需要喚起を狙っていると想定されます。
2024年度は様々な箇所で、同商品の広告を見ますが、総じて同じ青色を使用し、一貫したブランドイメージを構築している様子が伺えます。
同時タイミングでフラッグ広告も展開。以前、フラッグ広告を展開した時と似たデザインを用いながらも、起用しているタレントが夏仕様の服装になっているなど、変化も見られました(参考:2024年6月3日週 渋谷OOHレポート)
渋谷駅前をジャックしたアディダス(adidas)のキャンペーン「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」を表現した広告です。
「YOU GOT THIS」というフレーズは、挑戦や自信を表現し、ブランドの前向きな姿勢を示しているよう。日本語で「大丈夫、いける。」と補足することで、親しみやすいメッセージとなっています。
現在行われているパリオリンピックを意識しての広告だと想定されます。直近でも、ナイキの広告やニューバランスの広告など、スポーツ商材を扱う各社の広告が積極的に展開していましたが、そこに続く形での展開となっていました。
渋谷駅前に展開された「SnowMan」の広告です。2024年7月31日にリリースされた、5カ月ぶり11枚目のシングル「BREAKOUT/君は僕のもの」にちなんで展開されています。
グループメンバーの顔写真をグリッド状に配置し、視覚的な統一感と多様性を表現しつつ、2枚の画像で異なる色味を用いつつも(赤と青)レイアウトは同一で、ブランドの一貫性を保っているようでした。
渋谷駅で展開されたiPhoneの広告です。今回の広告では、iPhoneの機能、特にカメラ性能をアピールした内容となっています。
恐らく、現在実施されているパリオリンピックにちなんだ展開となっており、「未来のスーパースター」「iPhoneで撮影」といったシンプルな文言で、製品の機能と価値を直接的に伝えています。
また、スケートボード、バスケットボール、空手など、動きのあるシーンを選択し、iPhoneのカメラの性能(特に動体撮影能力)を表現しているようでした。
渋谷駅各所で展開されており、駅構内のデジタルサイネージから大型屋外広告まで、多様な媒体を活用し、メッセージの到達範囲を最大化しているようでした。
飲食・ホテル業界向けの転職サービス「Foodslabo(フーズラボ)」の広告です。
飲食・ホテル業界に特化した転職サービスであることをクリエイティブ内では表現し、オレンジ色を基調とした背景や統一されたレイアウトを用いて、ブランドの一貫性を表しているようでした。
クリエイティブ内では、各職種の専門的な姿(調理中のシェフ、ワインを持つソムリエなど)を描きつつ具体的な店舗名を掲載することで、幅広い選択肢がサービス内にある事を表現しているようでした。
サービス的にも飲食・ホテル業界という特定のニッチ市場に焦点を当てた内容ですが、そのターゲット層の具体的なニーズを捉えつつ、視覚的な一貫性と感情的訴求を組み合わせることで、ブランドの認知度向上と信頼性の構築を同時に狙った施策であったように感じます。
今週の渋谷の広告は、季節性とイベント連動性が強く反映されていました。現在の関心事や環境に寄り添おうとするアプローチを感じています。
例えば、UberEatsの甲子園を意識した展開は、日本の夏の風物詩である高校野球に焦点を当てることで、スポーツファンや若い世代の注目を集めようとしています。クリエイティブをみても、試合観戦中の食事ニーズを狙った展開となっているようでした。
また、キリンビール「晴れ風」の夏季バージョンでの展開は、季節感を全面に押し出していました。青を基調としたデザインや、夏らしい衣装を着たタレントの起用など、視覚的に「涼しさ」や「爽快感」を演出し、暑い季節にぴったりの飲料としてのポジショニングを意識しているようにも見られました。
パリオリンピックを意識したと想定されるアディダスやiPhoneの広告は、世界的スポーツイベントの盛り上がりに便乗する形で展開されています。アディダスの「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」というメッセージは、アスリートだけでなく、一般の人々にも勇気や自信を与える普遍的な訴求となっています。一方、iPhoneの広告は、オリンピック競技を模した動きのあるシーンを用いることで、製品のカメラ性能の高さを暗示的にアピールしています。
これらの広告展開は、単に製品やサービスを宣伝するだけでなく、その時々の社会の雰囲気や消費者の心理状態を捉え、ブランドと消費者との感情的な繋がりを強化しようとする戦略を感じました。季節やイベントと連動したアプローチは、広告の関連性と注目度を高め、印象に残しやすいといえるでしょう。
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