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TOP 記事一覧 成功事例・ノウハウ 炎上広告から考える 消費者の多様な価値観との向き合い方

更新日:2024年10月03日

炎上広告から考える 消費者の多様な価値観との向き合い方

  • 成功事例・ノウハウ
  • ブランド戦略

誇大広告のような見せ方で炎上

中村:炎上した広告を分析するとともに、どうしたらよかったのかを消費者と一緒に考えて、具体的な代案を作る活動をしています。実際の事例と、私たちが作った代案を照らし合わせながら見てください。
編集部:1つ目の事例は…これは何の広告ですか?
中村:イギリスで2015年に出されたプロテインの広告は掲示後に市民から苦情が集まって、撤去された事例です。
炎上ポイントが幾つかあるのですが、「プロテインを飲むだけで、このパーフェクトなくびれボディになる」と訴求した“誇大広告”であるとして苦情が寄せられました。
編集部:「ARE YOU BEACH BODY READY?」は直訳すると「ビーチボディの準備はできていますか?」ですかね。
中村:そうです、外見に特化して「ビーチ向けの体」と決めつけてしまっている。自分の体を愛しましょうというボディポジティブ(体のサイズや形、肌の色、ジェンダー、身体能力などに関係なく、すべての身体に対して前向きな見方をする考え方)の考えじゃなくって、“この体が正解である”と受け取られる表現であったことが炎上ポイントになりました。
プロテインという商材柄、ターゲットは男女だと思うんですけれど「痩せる」効果を起点に訴求する際に、広告に写っているのが女性だけなので、ターゲットから男性を排除してしまうことになります。また、「女性は美しくなりたがっている」という固定観念に基づいていて、広告が男性目線で作られているといえます。
そもそも体を見せるモチベーションでビーチに行く人はそんなにいないはず。これも男性的な考えに感じられます。また、綺麗になるべきと女性を煽る思想自体が駄目だよねという指摘もありました。さらに、「プロテインを飲んだ結果だけを見せる単純化した訴求方法も批判されました。プロテインが影響を及ぼせない骨格などの体形まで変わるように錯覚させたことが、誇大表現として受け取られたんです。
※下記画像でポスターに書かれた「FUCK OFF」の文字や張り紙にお気づき頂けるでしょうか。イギリスでは、消費者が広告に抗議するシーンが日常的にあるといいます。
出典:MarketingWeek - Controversial ‘Beach Body’ ad banned after hundreds of complaints
出典:PRWeek - Protein World's controversial "beach body ready" ad not offensive,ASA rules
こういったポイントや指摘を元に、話し合って作った代案がこちらです。
「ARE YOU ENERGY READY?」は直訳すると「エネルギーの準備できている?」って問いかけです。様々な人種、いろんな体形の方がいる点がポイントです。あとは、元の広告が、プロテインを飲んで痩せて綺麗になった“結果”を見せていたのに対し、こちらは楽しんで飲んでいる“使用モーメント”に焦点を当てています。それによって、やせるという結果重視でなく、やせる過程を応援する企業態度が伝わりやすくなります。
また、ワークショップで出た意見を実際のイギリスの広告代理店に指示として共有し、広告デザイン案にしていただきました。出稿はしていないですが、プロが作った広告になります。
編集部:だいぶイメージ変わりましたね。
中村:真ん中のビジュアルは「ARE YOU BEACH BODY READY?」のコピーを変えないで制作した案です。コピーがそのままでも画像次第で、良い広告になるということを広告代理店が示してくれました。
編集部:ビーチで洗濯物を持っていますね。
中村:ビーチに“体を見せに行く”思想が原因で炎上した広告ですが代案ではビキニを着ていない人がビーチで楽しく過ごしているユニークで健康的な広告になっています。人種にも配慮した案になりました。
編集部:右のデザインはビーチバレーしていますね。
中村:コピーを日本語訳すると「レベッカはバキバキの腹筋は持ってないけど、子供をビーチで打ち負かすことができる」です。これはプロテインを健康のために飲んで、元気になったというストーリーを見せています。ただ、これには賛否がありまして。
レベッカは「腹筋バキバキじゃないけど」というジョークは外見を起点にしたネタなんですね。炎上しない広告を市民で作り直すプロジェクトだったのに、代理店がジョーク表現に走ってしまい、炎上しやすいルッキズム(外見至上主義の思想)をはらんだ表現になってしまいました。こういう「面白くしよう」という意識が働いて本来の配慮すべきことが二の次になってしまうことは、広告を作る現場でもよくあることなのだと思います。
編集部:レベッカさんの事例とか、私も多分無意識のうちに写真の体形を見て、腹筋バキバキじゃないところに納得してしまった自分もいて。
中村:イギリスでも意見が二手にわかれるんですよ。3つの代案の中でレベッカの広告が面白いという方も周りに沢山いましたし、ジェンダー系とか社会系の学問を学んでいる方だと、ルッキズムとかジェンダー観点で良くない広告に見える、という意見もありました。
いろんな価値観の消費者がいるので、最終的には広告主が何を選び取るかですね。従来通りのジョークを笑ってくれる消費者向けにアピールしていくのか、それともジェンダーや社会派観点を重視して、社会意識の高い企業であることを見せるかによると思います。
次はアパレルブランドの事例を紹介します。
第2回:"当事者の声"を活かす広告づくり 炎上事例から考える傾向と対策

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加藤誠也 アドクロ編集部

著者加藤誠也 アドクロ編集部

食品メーカーで営業職を経験後、2019年に入社。アドクロ編集部の編集担当として広告の情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を統括。「広告巡礼」を日課としており、見つけた広告の事例をXで発信中。テレビ出演やセミナー登壇も多数。

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