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中世と現代の密接なつながりとは?「情緒的な価値」の探求 | 矢作 裕之
有閑階級の理論[新版] 著者 / ソースタイン・ヴェブレン 訳 / 村井章子
この本は、文明が発達し高度化された中世ヨーロッパに生まれた、「有閑階級」と呼ばれる時間と富を持て余した人々による消費活動と、その根源的欲求について分析したエッセイです。
中世における消費活動をテーマにしているものの、「金銭的な競争心」「顕示的(見せびらかし目的の)閑暇」「顕示的(見せびらかし目的の)消費」「浪費」など、現代の先進国におけるSNS主導の消費行動に密接に繋がっている価値観との強い関連性を見出すことができます。
・爵位などのトロフィーの獲得が喜ばれた理由
・直接生活に役立たない学問が発展した経緯
・スポーツが広まった理由
・著名ブランドから感じる「贅沢さ」の心理メカニズム
物や情報が満ち足りた現代社会では、課題解決とは別の"情緒的な価値"の提供が不可欠であり、それこそがマーケティングの重要な機能の一つだと考えています。
その古来から証明され続けている"情緒的な価値"の本質やケーススタディが詰まっているため、マーケティングに直接生きるインサイトが得られるのでおすすめです。
流行の衣服も娯楽も教養も「見せびらかし」にすぎない。野蛮時代に生じたこの衒示的消費の習慣はどう進化したか。ガルブレイスの解説を付す新訳決定版。
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