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みんな「ない」ものを求める | 大谷昭徳
「ない仕事」の作り方 著者 / みうらじゅん
9年前、41才の時に私はこの本に出会い、悟りを開いた。
2001年、私は26才で今までに「ない」アンビエント専門の広告会社をつくり、クライアントからは見たことの「ない」アイデアを求められ、メディアになって「ない」ベニューを開発しては、前例に「ない」ことを理由に行政と戦い、仕事を切り開いて来た。そして悩んだ。
「ない」とは何か?「ある」ことは悪なのか?どうしてみんな「ない」ものを求めるのか?
みうらじゅんは、この本で「ない」とは般若心経の「空(くう)」であると教えてくれた。
色即是空。空即是色。あると思うとない。ないと思えばある。
般若心経は278文字で宇宙を語っているとも言われ、その般若心経の上位概念が「空」である。
「空」とは万物には実態が無いことを意味する。フェラーリもバーキンも欲が見せた幻想なのだ。
「空」を知り私は全てに納得ができた。「空」ほど魅力的なものはない。上位概念だから。
だからみんな「ない」ものを求めるのだと。
この本でみうらじゅんは終始ふざけている。街を歩いている時に「空あり」という看板を見つけて「ない」が「ある」とは!と衝撃を受け、どういうことか?とよく見たら駐車場の看板だったと。
でも私にはわかる。ちゃんと伝えたいことこそ、チャーミングに。
正解の「ない」難問に正解を求めることが、愚かなことに気がつくだろう。
そう、全ては思い込みなのだ。
「仏像ブーム」を牽引してきた第一人者であり、「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親としても知られるみうらじゅん。とはいえ、「テレビや雑誌で、そのサングラス&長髪姿を見かけるけれど、何が本業なのかわからない」「どうやって食っているんだろう?」と不思議に思っている人も多いのでは?
本書では、それまで世の中に「なかった仕事」を、企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作ってきた「みうらじゅんの仕事術」を、アイデアのひらめき方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、過去の作品を例にあげながら丁寧に解説していきます。
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