サンスターグループは、2025年1月2日から新企業CM「防災にオーラルケア 雨ニモマケズ」篇の全国放送を開始した。
サンスターは、災害時のオーラルケアの重要性について、10年以上前から啓発活動を続けている。災害による断水や避難生活では口腔衛生の悪化により全身の健康への影響が懸念されることから、同社は水が少ない状況でのオーラルケアの方法を提案してきた。近年では防災備蓄品の期限切れを防ぐ「ローリングストック」の考え方が普及しており、日常的な液体ハミガキの使用が自然な防災対策になると同社は考えている。
新CMでは、宮沢賢治の詩『雨ニモマケズ』をアレンジしたナレーションを用い、厳しい環境下で懸命に生きる人々の姿や、かけがえのない日常の歯みがきのシーンを通じて、生活に溶け込んだ防災の備えを表現した。同社は1995年の阪神・淡路大震災で多くの社員が被災した経験から、2011年より災害時のオーラルケアの啓発活動を展開している。
サンスター広告コミュニケーション部で部長をつとめる梶山浩司郎氏によれば、本企画は2024年の6月頃から検討を開始したという。2024年は災害が多発した年であったことから、非常時の備えの重要性を改めて伝えるため、普段使いの液体ハミガキによる新しい「防災にオーラルケア」の考え方を提案することにしたそうだ。
クリエイティブの特徴について梶山氏は、日常生活のシーンを丁寧に描くことで、その対極にある「非日常・防災」を間接的に感じさせる表現を目指したと説明する。CMでは、誰もが大切にしている日常の一コマを切り取り、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」をモチーフにしたナレーションを重ねることで、どんな状況でも穏やかな心で普段通りの生活を送ることの大切さを表現している。
「特別ではない、しかし誰もが失いたくない日常のシーンを厳選し、様々な人々が日々を大切に生きているリアルな姿を描きました」と梶山氏は語った。10年以上にわたる災害時のオーラルケア啓発活動の一環として、サンスターは2025年1月からの新CMを通じ、さらなる意識向上を図っていく。
加藤誠也 アドクロ編集部
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