近年、インターネット広告の中でも動画広告における市場規模が急拡大しつつあります。
サイバーエージェントの研究機関「オンラインビデオ総研」によるデータを見ると、2021年の動画広告市場は、昨年対比142.3%となる4,205億円の見通しで、2022年には5,497億円、2025年には1兆465億円に達する見込みになるという調査結果が出ています。
このように大きな注目を集める動画広告において重要なキーワードとして「OTT」をご存知でしょうか?
本記事ではOTTの理解を深めながら、近年注目されているOTT広告について具体的に解説をしていきます。
OTTとは
まずはじめにOTTについて解説していきます。
OTTとは「オーバー・ザ・トップ(Over The Top)」の略称で、インターネット回線によってアクセスできる各種コンテンツ配信サービスの総称を指しています。
要はテレビやラジオのような電波によるケーブルや放送の方法ではなく、インターネットによる配信を使用して動画や音声コンテンツを楽しめるサービスのことです。
OTTの普及に大きく寄与したのがスマートフォンの普及で、iPhoneをはじめ高品質なスマートフォンが販売されることに比例し、新たなOTTサービスが急加速して普及しているといった背景があります。
OTTの種類
前段で申し上げた通り、OTTの特徴であるインターネットを利用することでお客様に届けることができるサービスの内容は多岐に渡り、映像や音声といった様々なジャンルのコンテンツが存在します。
・映像配信サービス
OTTサービスの根幹には、映像配信サービスが存在しています。例を挙げるとYouTubeやABEMAのような無料サービスや、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどの有料サービスがあります。
またテレビ業界におけるサービスとして、テレビの見逃し配信が可能なTVerも存在しており、映像サービスが生活の一部になっているユーザーも多いのではないでしょうか。
・音声配信サービス
音声と聞くとradikoやラジオクラウドなどのインターネットラジオを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。
その他にもSpotifyやApple Music、LINE MUSICなどの音楽ストリーミング配信を中心としたサービスをはじめ、voicyやSPOONなどの音声配信サービスがあります。
このような定額制音楽配信サービス利用者数は2020年末に2,390万人、2023年末に2,930万人へ増加する見込みであることから、非常に注目を集めています。
また新しい市場として注目を集めているサービスにオーディオブックがあります。
audiobookやAudibleといった本の音読サービスも多く存在し、音声に関わるOTTサービスも各社競合ひしめき合う、かなりの盛り上がりを見せています。
OTT広告とは
ではそんな注目を集めているOTTを活用した「OTT広告」の特徴について解説して行きます。
OTT広告は前段でお伝えした各種OTTサービス内で実施される広告枠の総称です。
具体的な例を挙げると、音声配信サービスのSpotifyにおける無料会員ユーザーの楽曲試聴中に差し込まれる広告枠などがOTT広告となります。
他にも国内最大規模のインターネットラジオサービスであるradikoのラジオ内における広告枠や、動画配信サービスのYoutubeやTVerといった映像サービスの中で展開される広告など、配信先は多岐に渡ります。
OTT広告の特徴として、静止画のバナー広告などと比較した際に動画や音声を利用することで圧倒的な情報量などが伝えられることが挙げられます。
Nielsen Media Labが2017年に公開した調査結果によると、Spotifyオーディオアドで実施した調査で、一般のディスプレイ広告に比べて、ブランド想起が24%アップ、関心・購買意欲が2倍、広告理解が28%アップしたという調査結果が出ています。
また諸説ありますが、動画は静止画の5000倍の情報量を届けることができるといった記事も見受けられることから、いかにOTT広告が視聴者への情報伝播に長けているかということがお分かりいただけると思います。
そしてこうしたOTT広告が採用される配信面は、GoogleやYahooといったリスティング広告やFacebook・LINEなどのSNS広告と比較すると、広告配信のナレッジを展開している会社がそこまで多くない点や個人で広告配信をすることが難しい事などを踏まえて、導入している会社が少ないことも確かです。
競合が少ないからこそ、今までの広告配信にプラスして実施を検討することで、新たな顧客創出や認知の拡大に寄与していくことができるのではないでしょうか。
OTT広告のおすすめ媒体
まとめ
今回はOTTの概要とOTT広告について解説しました。
インターネットの急激な普及に伴って注目を集めているOTT広告市場は、様々な配信面で展開されているだけでなく、多くの情報量が届けられるなどの特徴を踏まえて抑えておくべき配信媒体ではないでしょうか。
広告手法にお悩みの方がいらっしゃれば、ぜひご検討ください。