アドクロ編集部がお届けする2025年1月13日週のなんば心斎橋OOHレポート。なんば駅・心斎橋駅周辺で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOHレポートはこちら。
Topics①：森永ラムネの広告
なんば駅で展開された、森永製菓の「ラムネ」の広告です。
青を基調とした壁面に、白い点（ラムネの粒）で構成されたモザイクアートのような表現手法を用いて、受験における様々なシーンを描いたビジュアルが印象的です。「よび覚ませ、集中力。」をテーマに、様々な受験におけるワンシーンを切り出したデザインとなっていました。
また、爽やかな青を基調とした色使いは、ラムネ菓子の清涼感と、勉強に取り組む際の頭の冴えを連想させる効果的な演出となっていたように感じます。
同広告は、渋谷でも展開されており、受験生に向けた応援広告として存在感を放っていました。
Topics②：グランドセイコー「ALIVE IN TIME」の広告
心斎橋駅で展開された、グランドセイコー「ALIVE IN TIME」広告です。
駅構内の壁面広告とデジタルサイネージを組み合わせた展開で、グランドセイコーのクロノグラフウォッチを印象的に演出していました。メインビジュアルでは、シルバーのメタリックな質感を際立たせた商品写真と、「ALIVE IN TIME」という力強いメッセージが上質なイメージを醸成しています。心斎橋駅特有の雰囲気も相まって、ブランドの存在感を感じさせる広告展開となっていました。
デジタルサイネージでは、文字盤の精緻な仕上げや、ブルーの美しい輝きなど、様々な角度から時計の細部まで表現。特に「Our first 10-beat automatic chronograph」という説明文は、グランドセイコーの技術力の高さを伝えつつ、商品の特徴を端的に表現していました。
壁面広告の無機質な銀色のトーンと、デジタルサイネージのダイナミックな商品表現が相互に補完し合い、グランドセイコーの持つ精密性と芸術性を伝えるクリエイティブとなっていました。
Topics③：SUUMOの広告
なんば駅で展開された、不動産情報サイト「SUUMO」の広告です。
「スマホで内見！？」という大きな見出しと、スマートフォンを手に持つ女優の新木優子さんの笑顔が印象的な広告です。SUUMOのキャラクターを差し込みで配置し、親しみやすさを演出していました。
画面下部には、実際のアプリ画面を3つ並べて表示し、オンラインでの内見機能を分かりやすく紹介。「写真で」「動画で」「パノラマで」という表示から、様々な方法で物件を確認できることが一目で理解できる構成となっていました。
これから春（3〜4月）にかけて新生活を迎える方を意識した展開であるように感じました。
Topics④：怪獣8号展の広告
南海なんば駅で展開された、怪獣8号展のプロモーション広告です。
階段に沿って配置された円柱広告が特徴的で、複数の柱面を活用することで視認性を高めています。メインビジュアルには、メインキャラクターと炎をモチーフにした赤色の背景を組み合わせ、怪獣8号特有の迫力ある世界観を表現していました。
近くにあるツインビジョンでもイベントの告知が放映されており、南海なんば駅の改札までの空間をジャック。統一感のある広告展開となっていました。
Topics⑤：ボートレース住之江の広告
なんば駅で展開中のボートレース住之江の開催告知広告です。
1月21日から26日までの開催日程を告知するサイネージ広告で、選手の表情を映し出した迫力のある映像表現が特徴です。青を基調とした画面構成で、選手の真剣な表情と競技への熱意が伝わってきます。
施設のロゴマークと開催情報を配置し、ボートレースの臨場感とエンターテインメント性を印象づける広告となっています。駅構内の通路に設置された複数のサイネージが、通行人の視線を自然と誘導する展開となっていました。
Topics⑥：Zoho DXソリューション広告
なんば駅で展開中のクラウドサービス「Zoho」のDXソリューション広告です。
「DXを叶えるAll-in-Oneクラウド」というメインコピーと、カスタマーサポートの業務シーンをシンプルなイラストで表現したサイネージ広告です。赤と白を基調とした画面構成で、Zohoのブランドカラーを使用しています。
イラストでは、ヘッドセットを着用したサポート担当者とクライアントをシンプルな線画で描き、クラウドサービスによる業務のデジタル化をわかりやすく表現しています。画面上部のZohoロゴと下部のZoho DXロゴが、ブランドの一貫性を保ちながら製品の特徴を伝えています。
BtoB商材が同サイネージで展開されていることが比較的少ない印象もあり、珍しい広告展開であるように感じていました。
編集部から一言
1月13日週は、受験シーズンの真っ只中に展開された森永製菓「ラムネ」の広告が特に印象的でした。
なんば駅で展開された本広告は、青を基調とした壁面に白い点（ラムネの粒）でモザイクアートのように構成された受験生の様々なシーンを描いています。単なる受験応援メッセージではなく、商品特性である「清涼感」と受験生の「頭の冴え」を視覚的に結びつける表現手法を採用している点が興味深いポイントです。
特に、1月という受験シーズンのピーク時期に、製菓カテゴリーでありながら「集中力」という受験生特有の課題に焦点を当てた訴求は、時期と消費者インサイトを的確に捉えたものと言えます。また、なんばと渋谷という受験生の往来が多い主要駅での展開は、ターゲット層との接点を最大化する媒体選定となっています。
広告・マーケティング視点では、「受験生応援」という普遍的なメッセージを、商品特性と結びつけながら独自の表現手法で展開している点に、カテゴリーの中での差別化戦略を見出していたように感じました。
アドクロ編集部
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