Topics①：キリンビール「本麒麟」の広告
キリンビールの広告です。鮮やかな赤い背景を基調としたクリエイティブが特徴的で、複数の柱面や壁面に展開されています。ビールを手に持ったり、笑顔を見せたりする姿が描かれており、楽しい時間を過ごすという文脈で描かれているように感じました。
この空間は床が白黒で比較的白基調の強い場所ということもあり、広告に描かれた赤色が非常に映え、印象に残りやすいデザインとなっていました。
同様の広告は、同じ週の新宿駅でも展開されていました。
Topics②：「20世紀美術の巨匠たち」展の広告
中之島香雪美術館の「20世紀美術の巨匠たち」展の広告です。
白を基調としたシンプルな背景に、アンディ・ウォーホルのマリリン・モンローのポップアートが鮮やかに描かれています。マリリン・モンローのビジュアルは床面や周囲の空間との対比が強く、視覚的なインパクトを生み出しています。
「眼で触れる。心で視る。」というコピーが左上に記され、展覧会の体験を感覚的に表現しているようでした。
美術に関心のある層だけでなく、駅を利用する一般の通行人にも20世紀を代表する芸術作品への興味を喚起し、展覧会への来場を促す施策のように感じました。
Topics③：PALクローゼットの広告
PALクローゼットの春ファッション広告です。
淡いピンク色の背景にパルクロすっきゃねんずの6人が並び、春の新作アパレルコレクションを着用しています。
モデルたちはクリーム色、白、ベージュなど淡い色調の春向けアイテムを身につけ、足元には桜や春の花々が描かれています。花の演出が季節感を強調し、冬から春への切り替わりを視覚的に表現しているようでした。全体的な色使いも暖かさを感じさせる柔らかなトーンで統一されており、春のファッションへの期待感を高めています。特に若年層をターゲットにした広告展開のように感じられました。
Topics④：クリエイティブカレッジの広告
クリエイティブカレッジの広告です。クリエイティブカレッジは大阪文化服装学院とマロニエファッションデザイン専門学校の学生たちによるコラボレーション企画。今回の広告では、複数の個性的なファッションデザインを着用したモデルが連続して描かれていました。
通路の長さを活かした連続的な展開により、通行人が移動しながら次々と異なるデザイン作品を鑑賞できる仕掛けとなっています。全体を通して統一感のある写真技法とモデリングスタイルが採用されており、クリエイティブな教育内容を視覚的に伝える表現となっているようでした。
Topics⑤：台湾観光庁の広告
台湾観光庁の広告です。広告全体に明るい黄色の文字とエネルギッシュなビジュアルで、視線を引きつけるデザインとなっています。
広告は台湾観光の具体的な楽しみ方をイメージしやすい作りになっており、食や体験を前面に押し出すことで、視覚的なインパクトとともに「行ってみたい」と思わせる広告となっていました。都内でも広告展開されるなど、プロモーションを強めている印象を受けました（参考：【新宿】2025年2月3日週 OOHレポート）
Topics⑥：香川県の観光プロモーションの広告
大阪駅BIGデジタルサイネージ
香川県の観光プロモーション広告です。
JR大阪駅改札内に設置された大型ビジョンを活用し、複数のビジュアルを切り替えながら香川県の魅力を表現しています。一連の映像の中で、伝統的な花や葉のモチーフを用いた装飾的なビジュアル、青い服を着た人物の繊細な手仕事の様子、そして「うどん県、それだけじゃない香川県」というメッセージが描かれていました。
このシンプルながら印象的なコピーは、香川県が「うどん県」として広く知られている一方で、それ以外にも多くの魅力があることを直接的に訴えかけているようでした。伝統工芸や自然、文化など多面的な魅力を伝えようとする意図とともに、旅行先としての選択肢に香川県を加えてもらうことを促す効果的なアプローチとなっているようでした。
編集部から一言
今週はキリンビール「本麒麟」の広告展開が印象的でした。
白黒のチェック柄の床に広告の赤色が際立つことで、通行人の視線を自然と引き寄せる効果を生み出していました。
2月下旬という時期設定を考えると、年度末の仕事の区切りや歓送迎会シーズンを前に、「仕事帰りのビール」という消費シーンを想起させるビジュアル展開となってるように感じました。同時期に新宿駅でも同様の広告が展開されていることから、大都市の主要駅を軸にした全国規模のプロモーション戦略であることが伺えます。
ビール市場では各社の新商品や機能性訴求が激化する中、「本麒麟」は人物の表情や仕草に焦点を当て、商品そのものよりも「飲む人の満足感」を視覚化する手法で差別化を図っているように感じました。
アドクロ編集部
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