Topics①：CRAFT BOSSの広告
サントリーの「CRAFT BOSS」の広告が、東西自由通路を使ったジャック展開をしていました。
駅構内の通路全体を使用したジャック広告で、鮮やかな緑色の芝生を背景に製品ボトルを中心的に配置したデザインが特徴的です。東西自由通路の複数面で展開しており、通行者の視線を自然と広告へと導く構成となっています。広告には3種類のボトルが並び、「CRAFT BOSS」の黄色いロゴが緑の背景に映えるデザインとなっていました。
2月下旬という時期は年度末の忙しさが増す頃であり、忙しい日常に疲れたビジネスパーソンやサラリーマンに対して「一息つく時間」を訴求する狙いが感じられます。
単一の広告を点として設置するのではなく、通路全体を使った面的な展開により、歩行しながら連続して製品イメージに触れる機会を創出。緑と製品のシルエットを一貫して表示することで、通行者の記憶に残りやすいリズムを生み出した広告になっていました。
Topics②：ヒプノシスマイク の広告
「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」の広告です。
各ディビジョンごとに異なる背景色を使い分け、イエロー、ブルー、グレー、ピンクなど、チームのアイデンティティを色で表現。それぞれのパネルにはディビジョン名と所属キャラクターが大きく描かれ、キャラクターごとの個性や世界観が一目で伝わる構成となっています。
中央部分には「観客によるリアルタイム投票でストーリーが変わる！未体験のインタラクティブ映画がついに誕生！」というキャッチコピーと共に、2025年2月21日より全国公開という告知が黄色と黒のコントラストで強調。若年層のファンに向けて映画公開を告知するタイミングとしての狙いが感じられます。
各キャラクターの衣装や立ち姿にまで細部へのこだわりが感じられ、既存ファンの期待感を高めるとともに、通行する一般層にもインパクトを与える広告のように感じました。同様の広告は渋谷・池袋でも展開されており、人気の高さが伺える展開となっていました。
渋谷駅
池袋駅
Topics③：AOKIの広告
AOKIのフレッシャーズ向けスーツ広告です。ピンク系のグラデーション背景になにわ男子のメンバーがネイビースーツを着用した姿が中央に配置された構成となっています。
2月下旬という時期は、3月の卒業シーズンと4月の入社シーズンを控えた期間であり、就職活動や新生活準備のタイミングを捉えた展開となっています。就活生や新社会人がビジネススーツ姿をイメージしやすい視覚的訴求を図っているようでした。
Topics④：エアーサロンパスジェットの広告
久光製薬株式会社のエアーサロンパスジェットの広告です。
爽やかな青空を背景に、ランニングをする赤いシャツの男性ランナーを大きく配置した構成になっています。「瞬時に冷やし痛みを鎮める」という製品の主要ベネフィットが白字で明確に表示され、右側には実物大に近いサイズで青色のエアーサロンパスジェットのボトルが配置されています。
広告下部には「TOKYO MARATHON 2025」のロゴと「エアーサロンパスは、東京マラソン2025を応援しています。」というスポンサーシップメッセージが記載されています。東京マラソンの開催時期が近づいており、スポーツイベントと連動したタイミングでの展開となっているようです。昨年度も、同時期に広告展開を行っていました。
スポーティなイメージと即効性という製品特性を視覚的に訴求したビジュアルの広告でした。
新宿駅駅ばりポスター
Topics⑤：ビューカードの広告
ビューカードの広告です。広告では、青色のビューカードを中心に様々な利用シーンを映像で紹介しています。複数の異なるシチュエーションを描いており、通勤風景やカフェでの利用、コンビニでの買い物など、日常生活の様々な場面でビューカードとSuicaの連携による利便性を表現していました。
特に印象的なのは「そこは、ビューカードでしょ。」というキャッチコピーを一貫して使用している点です。「毎日のお買いものでも貯まる」というポイント還元の訴求や、「ビューカードゴールド」の上位カードも紹介されており、段階的なカード利用を促進する設計になっています。
2月下旬という時期は年度末を控えた時期であり、新生活や新年度に向けて交通系ICカードの新規利用や切り替えを検討するユーザーに向けた展開と考えられます。
Topics⑥：リコリス・リコイルの広告
アニメ「リコリス・リコイル」のコミカライズ広告です。メインキャラクターの千束（赤い制服の金髪キャラクター）とたきな（紺色の制服の黒髪キャラクター）を大きく配置した構成となっています。背景にはアニメのシーンをマンガ調に再構成したコマが淡いピンクと水色のトーンでコラージュされ、「TVアニメ『リコリス・リコイル』のコミカライズ！」という見出しが上部に配置されています。
逆パターンはよく見ますが、アニメからコミカライズ版への誘導を図る珍しいパターンのプロモーションのように感じました。アニメファンやマンガ読者だけでなく、キャラクターデザインの可愛らしさから若年層女性も取り込む狙いが感じられる広告展開です。
Topics⑦：スタジオアルタ閉館の告知
新宿アルタが2025年2月28日に閉店するに伴って、関連したコンテンツが屋外ビジョンで放映されていました。
閉館と聞くとどこか寂しさや名残惜しさを伴うものですが、放映されていたコンテンツからは逆に、長年にわたり多くの人に親しまれた新宿アルタの歴史を“笑顔”や“感謝”という形で伝え、最後まで明るく送り出そうという意図が感じられました。
特に大きな筆文字や色彩豊かな写真、そしてにぎやかな表情の人々が、通行人の目を引き、話題性を高めると同時に、「ここに集まってみんなで思い出を共有しよう」というメッセージを強く訴えかけているようです。
編集部から一言
今週は、AOKIのフレッシャーズ向けスーツ広告が特に印象的でした。
2月下旬という時期は、3月の卒業シーズンと4月の新社会人デビューを控えた重要な移行期であり、スーツ需要が増えるタイミングと見込まれます。「AOKIと共に一生爽やか宣言」というコピーと「なんだってできる。なんにだってなれる。可能性を信じて突き進もう！」という励ましのメッセージは、就職活動の緊張感や新社会人としての不安を抱える若年層の心理に寄り添った内容となっているように感じました。
ピンク系の背景色は駅構内の無機質な環境の中で視認性を高め、なにわ男子の起用は同世代の若者がスーツ姿を自分事として想像しやすくする工夫といえます。就活・入社準備という季節性の高いニーズと、若年層の行動特性を的確に捉えた時期とメディア選定は、新生活需要を確実に取り込むための計画的なアプローチといえるのではないでしょうか。
アドクロ編集部
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