株式会社PRIZMAは、2025年2月4日に「セール・キャンペーンに向けた世代別EC利用調査」を発表した。この調査は、年に1回以上ECサイトで買い物をしているZ世代（15～27歳）、Y世代（28～42歳）、X世代（43～58歳）の515名を対象に、ECサイトの利用頻度や購買傾向、セール時の購買意識などについてアンケートを実施、結果をまとめたものだ。
調査概要
調査方法：PRIZMA社が提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
対象者：年に1回以上ECサイトで買い物をしているZ世代（15～27歳）、Y世代（28～42歳）、X世代（43～58歳）の方
有効回答数：515名
調査期間：2025年1月10日～14日
出典元：株式会社PRIZMA
ECサイトを“日常使い”するのはZ世代だけ？世代ごとの利用頻度比較
「ECサイトの買い物頻度について教えてください」という問いに対し、全体では「数カ月に1回」が28.4%で最も高く、次いで「月に1回」（23.3%）、「月に2～3回」（24.9%）となった。
世代別で最多となったのは、Z世代（15-27歳）は「数カ月に1回」（29.7%）、Y世代（28-42歳）は「月に2～3回」（28.1%）、X世代（43-58歳）では「数カ月に1回」（30.8%）が最も高い割合を示した。
頻繁に利用する層（「毎日」「週に2～3回」「週に1回」の合計）では、Z世代が27.3%と最も高く、X世代は13.6%と最も低い。この結果から、ECサイトを日常的な買い物の場として活用している層には若い世代が多いことが分かる。
また、「ECサイトで最もよく購入する商品カテゴリーを教えてください」という質問について、Z世代では「パーソナルケア（スキンケア/メイク/ヘアケア/ボディケア）」が34.9%と最も高く、Y世代では「ファッション/アパレル」（26.3%）、X世代では「フード/ドリンク」（26.7%）が最多だった。
全体では、「パーソナルケア」（21.9%）、「ファッション/アパレル」（22.3%）、「フード/ドリンク」（19.2%）の3カテゴリーが上位を占めたが、それぞれのカテゴリで世代間に大きな差が見られ、興味深い結果となっている。
X世代は1回の買い物総額が高い傾向に 世代間で1回の購入総額に差
「ECサイトの買い物で1回に使う金額について教えてください」という質問では、全体では「1,000円以上～3,000円未満」が39.8%で最多、次いで「3,000円以上～5,000円未満」（29.1%）、「5,000円以上～10,000円未満」（17.9%）となった。
世代別では、Z世代の46.5%が「1,000円以上～3,000円未満」であり、少額購入の傾向が強い。一方、X世代では「3,000円以上～5,000円未満」（32.6%）や「5,000円以上～10,000円未満」（21.5%）が他世代より高い割合を示した。この結果から、若年層は頻繁に少額の買い物をし、中高年層は単価の高いものの購入や月数回のまとめ買いなどにより、1回の買い物の総額が上がる傾向にあることが分かる。
ECサイト訪問のきっかけ、X世代では検索エンジンが最多
「購入する前に、その商品を知ってECサイトを訪れるきっかけは何ですか？」という質問について、全体では「検索エンジン（GoogleやYahooなど）で見つけた」（41.2%）が最も多く、次いで「ECサイト内のおすすめ商品や特集ページ」（29.5%）、「YouTubeなどの動画レビュー」（17.5%）が続いた。
Z世代では「YouTube広告や動画レビュー」（25.0）、「インフルエンサーや有名人の投稿・紹介」（23.3%）や「SNS広告」（20.4%）の影響を受けてECサイトを訪問する割合が高い。Y世代やX世代は「検索エンジン」（42.7%）や「ECサイト内のおすすめ」（30.4%）が高い傾向を示した。
この結果から、Z世代はインフルエンサーの影響を受けやすいことが示されている一方で、Y世代・X世代はインフルエンサーの投稿やPR漫画などの広告にはあまり影響を受けず、ECサイトなどを自ら見に行き、そこで見つけた商品が購入検討につながりやすい傾向にあることが見て取れる。
X世代は慎重に購入検討？「セールなら買う」は10％未満に
「ECサイトで大規模セールやキャンペーンがあるとき、購入する頻度はどのくらいですか？」という質問について、全体では「気になる商品がある場合のみ購入する」（42.9%）が最多となり、「多くの場合購入する」（17.5%）、「毎回チェックして購入する」（14.2%）が続いた。
X世代では他の世代よりもキャンペーンをチェックし、購入に繋がる割合が高い傾向にあるようだ。逆にX世代では気になる商品がある場合のみ購入することが多く、普段から気になっている商品ではない場合、キャンペーンをきっかけとする購入には繋がりにくいことが分かる。
「セール・キャンペーン前に事前告知される情報はどこで知りますか？」という質問について、全体では「ECサイトやアプリからの通知」（58.3%）が最も多く、「SNSの公式アカウントの投稿」（21.6%）、「YouTubeやTikTokの動画広告」（18.9%）が続いた。
X世代では「ECサイトやアプリからの通知」（71.7%）の割合が特に高く、Z世代では「SNSの公式アカウント投稿」（31.0%）や「YouTubeやTikTokの動画広告」（26.6%）が他の世代より高い傾向があった。この結果から、X世代は主に公式情報からキャンペーン情報を得ることが多い状況に対し、Z世代にはSNSや動画広告でのキャンペーン情報もよく見られていることが明らかになった。
今回の調査は、ECサイトの利用動向には世代間で明確な違いがあることが分かる結果となった。これを見ても分かる通り、ECサイト事業者がターゲットとなる世代に適した戦略を展開し、世代間のギャップを埋めるUI/UX設計を進めることが、現在のECサイトでのマーケティングには重要となっている。特に今後のZ世代の消費行動はEC市場のトレンドを左右する可能性が高く、彼らの嗜好や行動パターンを注視していく必要があるだろう。
古田ちほ アドクロ編集部
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