株式会社ラクスは2024年9月30日から10月1日にかけて、3期以上連続で利益が向上しているBtoB企業のマーケティング担当者を対象に、マーケティング施策に関する実態調査を実施した。この調査では、現在実施している施策や今後取り組みたい施策、年間のマーケティング予算について、100名の回答者から意見を集めた。
調査概要
調査方法：IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
対象者：3期以上連続で利益が向上している企業に勤めるBtoBマーケティング担当者
有効回答数：100名
調査期間：2024年9月30日〜同年10月1日
売上高100億円未満のBtoB企業はコスト効率重視の施策展開
まず、売上高100億円未満のBtoB企業に対して「マーケティング予算で実施している施策は？」と質問したところ、「展示会」が47.6%と最も高い割合を占めた。次いで「Webサイト改善」「SNSマーケティング」「Web広告」がいずれも28.6%で並び、続いて「メールマーケティング」と「セミナー/ウェビナー開催」がともに26.2%となった。
この結果から、中小規模のBtoB企業では展示会などリアルな場でのビジネス機会の創出を重視しつつも、他のデジタルマーケティング施策にもバランスよく投資している傾向が見て取れる。
また、売上高100億円未満の企業に「今後新たに実施したい施策は？」と質問したところ、「SEO対策」が28.6%と最も高い関心を集める結果となった。次いで「SNSマーケティング」と「Webサイト改善」がともに21.4%、続いて「Web広告」「メールマーケティング」「ダイレクトメール」「セミナー/ウェビナー開催」「お役立ち資料送付」がすべて14.3%で並んだ。
注目すべきは、上記質問では現在の実施率が19.0%であったSEO対策が、今後の意向では28.6%に上昇している点だ。これは、より低コストで持続的な集客効果が期待できるSEO施策への関心が中小規模のBtoB企業で高まっていることを示しているのではないだろうか。また、現在最も実施率の高い展示会(47.6%)が今後の意向では7.1%まで大幅に下落していることからも、今後はコスト効率を重視した施策を検討する傾向が見て取れる。
売上高100億円以上のBtoB企業が今後実施したい施策は「Webサイト改善」
売上高100億円以上のBtoB企業に「年間のマーケティング予算は？」という質問をしたところ、「1億円以上」の予算を確保している企業が30.36%で最多となった。次いで「5,000万円～1億円未満」が19.64%、「3,000万円～5,000万円未満」と「100万円～300万円未満」がそれぞれ7.14%となっている。
これにより、大手企業の約3割が1億円以上のマーケティング予算を投じている実態が明らかになった。
次に、「マーケティング予算で実施している施策は？」という質問に対しては、売上高100億円以上の企業では「展示会」が76.8%と最も高い実施率を示した。次いで「セミナー/ウェビナー開催」が64.3%、3位は「Webサイト改善」が58.9%と続き、デジタル施策が並ぶ結果となっている。
大手企業では展示会やセミナーなどのリアル施策と、Webサイト改善やWeb広告などのデジタル施策を組み合わせた多角的なマーケティングアプローチを実施している傾向が見て取れる。予算の豊富さを背景に、複数の施策を効果的に活用しているようだ。
「今後新たに実施したい施策は？」という問いに対し、売上高100億円以上の企業では「Webサイト改善」と「お役立ち資料配布」がともに16.1%で最も高い関心を集めている。次いで「Web接客ツール（ポップアップ、チャットなど）」が14.3%、3位は「SNSマーケティング」と「SEO対策」がともに12.5%となっている。
大手企業においても、Webサイトの改善やお役立ち資料の提供など、オンライン上での情報提供や顧客体験の質を高める取り組みに力を入れる動きが強まっている。これは、従来の対面型の営業活動からインターネットを通じた顧客とのつながりがより重要になってきていることを表しているのではないだろうか。
今回の調査結果から、BtoB企業のマーケティング施策は企業規模によって明確な差異が存在することが明らかになった。大手企業が豊富な予算を背景に多角的な施策展開を行う一方、中小企業はコスト効率の高い施策への集中を図っている。
今後もWebサイトを中心としたデジタル顧客体験の重要性が一層増していくとともに、各企業は自社の規模や業種に適した最適なマーケティング戦略を見出すことが成功への近道となるだろう。
古田ちほ アドクロ編集部
記事ランキング
