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TOP 記事一覧 成功事例・ノウハウ SHARPアカウントの“人間”らしさ 80万人が支持する親近感の裏側

更新日:2024年10月03日

SHARPアカウントの“人間”らしさ 80万人が支持する親近感の裏側

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企業のSNS活用が飛躍的に進む中、X(旧:Twitter)上で80万人を超える驚異的なフォロワー数で異彩を放つ企業アカウントとして注目されているのが「SHARP(@SHARP_JP)」です。着飾らない直球な発信や親しみやすい雰囲気、そして愚直なまでに1対1の対話を重視するアプローチで、企業アカウントの新たな可能性を切り開いています。
アカウントを運営する山本隆博氏は、テレビCMなどのマス広告担当からXの運用担当に転身。広告制作側の時に抱いていた「しんどさ」をバネに挑戦を決意したといいます。時に「ゆるい」と評される独自のツイートスタイルで幾度となくニュースを賑わせ、企業と消費者のコミュニケーションに新風を吹き込んできました。
【SHARPアカウントの投稿例】
アドクロ編集部では、この公式アカウントで舵取りをしてきた山本氏に取材を実施。2回に分けて、SHARP「中の人」を紐解きます。第2回の今回はSNS時代における企業コミュニケーションの在り方について掘り下げていきます。

“人間”がやっていると感じてもらえることが重要

編集部:普段ボソッとつぶやく投稿もあれば、製品の紹介投稿もありますが、投稿の内訳は考えていますか。
SHARP:特に考えてないですね。ユーザーから見て一方的な企業の発信に見えないようにやろうってイメージです。
投稿の割合とかは特に意識していなくて、“人間がやっている証明”になればいいと思っているんですよ。生身の人間がやってるっていうことを証明しておきたいっていう気持ちが大きいです。
編集部:人間“味”を出すって事ですね。
SHARP:いえ、人間“味”ではなく、“人間”がやっている証明です。だから、本当に個人アカウントでボソッとつぶやくような投稿が入ってても、全然いいって僕は思うんです。
編集部:「“人間”がやっている証明」はなぜ必要なのでしょうか。
SHARP:信用を得るためですね。「こいつの言ってることは聞いてやってもいいかも」って思われるためには、少なくとも「会社が言っている」のではなく「人間が言っている」って思われないと信用が積み上がらない気がします。
消費者から見たときに、会社の名前がついていたり、アイコンが社名である時点でそのアカウントは“広告”で、その時点でポストを見る義理はないわけです。その義理のなさをお金で解決してきたのは、たぶん今までは“広告”であって。「人の注意」を札束で買ってきたわけです。
編集部:ただ…企業アカウントってどうしても、“企業感”って出ちゃいますよね。
SHARP:人間がやっていると判断するのって、映像だと思うんです。人が喋っている映像であれば、当然人間が喋っていると認識できます。だけど、テキストのみだとコミュニケーションの主体が分かりにくい。
【アカウントを運用する、シャープマーケティングジャパン株式会社 山本隆博 氏】
そう考えた時、テキスト上で人間がやっている事を表すには、「私」が主語になる必要があると思うんですよね。主語が「シャープ」とか「我が社の商品は」とか、主語が大きいと「あれは会社」という風に思われるわけです。
【SHARPアカウントの投稿は、主語が「私」となっている】
コツコツと「私が」っていう主語で発信をし続ければ、少なくともそのアカウントを毎日見ている人にとって、人間がやっているんだなって信頼が担保されていくわけです。
編集部:確かに、「弊社」とか「自社商品」って言いがちかも。
SHARP:たぶん、言葉の力はあまり舐めない方がよくて。前向きに続けていけば、その信頼を勝ち得ていけるわけですよ。
「私が」っていう主語で毎日毎日言葉を積み重ねていったら、「こういうやつがやってるんだな」っていう、文脈が生まれます。だから、絶対に毎日じゃなきゃいけないし言葉も注意して、「主語がでかくなっていないか」を丁寧にやっていかないと。もちろん、一朝一夕にはできないわけです。
編集部:消費者と同じ目線に立てるかが重要ってことですね。
SHARP:よく会議とかで「お客さん目線で」と言われますよね。お客さん目線でって言うからには、自分自身がお客さんの方に歩み寄っていかなきゃいけないはず。だけど、ここ(=企業視点)のまま意見を言っている人が多い。
仮に会社があって、お客さんがいたとしたら、僕は少なくとも会社側からはみ出てお客さん側の方に踏み出さないと距離は近づかないと思っている。会社から半分はみ出すことで、お客さんとの距離が縮まる。そこで、ようやくスタートラインに立てるのではないかと思っています。
この姿勢が、企業アカウントに対する「どうせ広告でしょ」っていう疑心暗鬼みたいなのを半分和らげることができると思っています。ある意味、自分の会社を半分冷静に描写しながら投稿が出来れば「こいつは冷静に語る人なんだな」と客観性みたいなのが担保できる。
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加藤誠也 アドクロ編集部

著者加藤誠也 アドクロ編集部

食品メーカーで営業職を経験後、2019年に入社。アドクロ編集部の編集担当として広告の情報メディア「アドクロ」のコンテンツ制作を統括。「広告巡礼」を日課としており、見つけた広告の事例をXで発信中。テレビ出演やセミナー登壇も多数。

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