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予測不可能な世界を生き抜くための一冊 | 中川祥一
反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 著者 / ナシーム・ニコラス・タレブ
本書は『ブラックスワン』で著名なナシーム・ニコラス・タレブが、予測不可能な世界を生き抜くための思考法を提示する一冊です。
具体的な鍵となるのは、小さな出来事や偶然が連鎖し圧倒的影響力を生む“べき乗”の仕組みを理解し、真に不確実性を味方につけることです。大きな変化は予測の網をすり抜け、ブラックスワンとして不意に姿を現しますが、その衝撃をただ耐えるだけではレジリエンス止まりとタレブは指摘します。タレブが提唱する“反脆弱性”とは、混沌や危機を糧に実力を上乗せする姿勢を指し、そのためには行動の幅を広く持ち、失敗を許容しながら学び続けることが不可欠です。キャリア設計にも応用が効き、安定路線だけを守らず、複数の可能性やスキルを組み合わせることで、意外な分野と化学反応を起こすチャンスが得られます。(キャリアのバーベル戦略)
さらにタレブが強調するオプショナリティ――リスクを負いすぎず最大限のアップサイドを狙う柔軟性――は、想定外の出来事を強みに変える鍵となります。時に自分を不安定な環境へ飛び込ませる勇気が、かえって予測不能なリターンをもたらすのです。タレブの視点は、リスク管理を根底から問い直し、自分らしい未来を築くヒントを惜しみなく提供してくれており、何度も読み返す一冊です。
「万にひとつ」が明日来る――。『まぐれ』『ブラック・スワン』のタレブが、経済、金融から、テクノロジー、人生、健康、そして愛まで、この不確実な世界で不確実性を飼いならし、したたかに生き延びるための唯一の考え方「反脆弱性」について語り尽くす。
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