アドクロ編集部がお届けする2025年1月13日週の渋谷OOHレポート。渋谷で展開された広告で、押さえておきたい広告事例をピックアップしていきます。過去のOOH事例は、下記を併せてご確認ください。
Topics①:森永ラムネの広告
渋谷駅で展開された、森永製菓の「ラムネ」の広告です。
青を基調とした壁面に、白い点(ラムネの粒)で構成されたモザイクアートのような表現手法を用いて、受験における様々なシーンを描いたビジュアルが印象的です。「よび覚ませ、集中力。」をテーマに、様々な受験におけるワンシーンを切り出したデザインとなっていました。
広告の下部には「根性論は古い。だけど、ここまで来たのは君の、根性だ。」「ライバルだけど、敵じゃない。」「何時間勉強したかではなく、何時間集中できたか、だ。」といったメッセージが添えられ、受験シーズンに寄り添う姿勢が伝わってきました。
Topics②:にじさんじのユニット「VOLTACTION」の広告
渋谷駅で展開された、にじさんじのユニット「VOLTACTION」の広告です。「VOLTACTION」は、にじさんじに所属するVTuber風楽奏斗さん、渡会雲雀さん、四季凪アキラさん、セラフ・ダズルガーデンさんで構成されたグループ。今回、Minil Album『Action!!!!!!!!!!!!』発売に合わせて展開されました。
白を基調とした背景に、インパクトのある青色で「Action!!!!!!!!!!!」というタイトルが大きく配置され、右側には、メンバーのイラストが連なり、青と白を基調としたダイナミックな構図で展開されていました。
Topics③:SAKAMOTO DAYSの広告
渋谷駅前で展開されたアニメ「SAKAMOTO DAYS」の広告です。
渋谷道玄坂商店街の街灯に設置されたフラッグ広告で、同じ道でも行き・帰りで見え方が異なるビジュアルが印象的でした。
赤と黄色を基調とした2種のデザインが特徴的です。各バナーにはキャラクターが大きく描かれ、アニメ放映日の「1.11」と共にキャラクター名が太字で表示されていました。
アニメ特有の個性的なキャラクター表現と、シンプルながらインパクトのある配色により、若い世代を中心とした街行く人々の注目を集める展開となっていました。
Topics④:昭和医科大学の広告
渋谷駅で展開された昭和医科大学の入試告知と校名変更の告知広告です。
白を基調とした壁面に、大学のロゴマークと共に「昭和医科大学」の新しい校名が日英両表記で配置され、その下には「昭和大学は令和7年4月1日校名を変更します」という告知文が記載。右側には4つの学部(保健医療学部、薬学部、歯学部、医学部)が、それぞれ特徴的なカラー(赤、黄、緑、青)で区分けして表示され、各学部の特色を表す医療現場の写真と共に紹介されていました。
シンプルながら情報を的確に伝える構成と、医療系総合大学としての専門性を色使いや写真で表現することで、受験生に向けて学びの領域と可能性を伝える広告となっていました。
Topics⑤:「法廷のドラゴン」の広告
渋谷駅で展開されたテレビ東京ドラマ「法廷のドラゴン」の告知広告です。
複数のサイネージを通路に沿って連続的に設置することで、通行人の目を自然と引きつける展開方法を採用。連続して出演者とキャラクターの特徴が紹介が表示され、ドラマの世界観や物語の広がりを印象づけていました。
各柱ごとに異なるキャラクターを紹介するのではなく、スライドショーのような形式で全ての柱が同じキャラクターを映し出す形を採用。同じビジュアルが並ぶ、インパクト溢れる展開となっていました。
通勤通学などで利用する人々の導線上に配置され、繰り返し目にする機会を創出することで、放送開始日に向けた期待感を醸成する狙いがあるように感じた広告でした。
Topics⑥:「光が死んだ夏」の広告
渋谷駅で展開された、「光が死んだ夏」のコミックの広告です。
広告では、モノクロの繊細なマンガのイラストが横長に展開されています。白い背景に、電車の車両や人物のシーンがモノクロで描かれ、物語の世界観を印象的に表現しています。
タイトル「光が死んだ夏」は、イラストの上部に控えめながらも存在感のある文字で配置され、作品の持つ静謐な雰囲気を引き立てていました。
セリフのないイラストによって、「どのような作品なのか」好奇心を煽る仕掛けとなっていました。
Topics⑦:楽曲リリースの広告
今週は楽曲リリースの広告が複数展開されました。
1つ目が渋谷駅で展開中、浪江女子発組合の1st EP「会いに行っていいですか?」の発売告知広告です。
ピンクを基調とした温かみのある広告で、乗り物の車内で撮影された集合写真が大きく配置されています。メンバー全員の自然な笑顔と、統一感のある衣装が印象的です。
壁面全体を使用した大型広告は、通行人の視線を自然と集め、グループの親しみやすさと若々しい雰囲気を演出していました。
2つ目が、Crimson Crat Clanの12thデジタルシングル「LTL」の発売告知広告です。
黄色を基調とした壁面広告で、白い背景にメンバー5人が並んだ写真がデザインされています。各メンバーは黄色、ピンク、青などの異なる色のスーツを着用し、統一感がありながらも個性的なスタイリングが特徴的でした。
Topics⑧:「劇場版 プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」の広告
渋谷駅で展開された、「劇場版 プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」の告知広告です。
星空を背景に、アーチ型の窓枠のシルエットが連なるデザインが特徴的です。
各窓枠には、キャラクターのシルエットが異なる色調のグラデーションで描かれ、幻想的な雰囲気を醸成。暗い背景に浮かび上がる窓枠とキャラクターたちの姿は、作品世界の神秘的な雰囲気を表現していました。
編集部から一言
今週は森永製菓「ラムネ」の広告展開が印象的でした。
1月中旬という受験シーズン真っ只中のタイミングで、受験生の心情に細やかに寄り添ったメッセージ設計が特徴的です。特に「ラムネの粒」そのものを広告デザインの重要な要素として活用していた点は印象的でした。
広告コピーも「根性論は古い。だけど、ここまで来たのは君の、根性だ。」といった、現代の受験生の価値観に配慮しながらも応援の気持ちを込めた内容となっており、受験生の置かれている状況や心情への理解が感じられます。
また、渋谷という立地特性を考慮すると、予備校や学習塾が多く集まるエリアでの展開により、広告接触から実際の購買行動までの動線設計も意識されているように見受けられます。受験生の日常動線と、商品特性、そして時期性を見事に組み合わせたOOHといえるでしょう。
次週はどのような広告が展開されるか楽しみです。過去の渋谷OOH事例は、下記を併せてご確認ください。